コラム.16
弁之輔は9ヶ月のミニチュアダックスです。
人でいうと高校生くらいでしょうか?いわゆる反抗期で一番難しい年ごろ。
弁ちゃんの特技は「人間操縦」です。
先日のレッスンのときに、お父さんがこんなことを言ってきました。
「弁は自分を王様だと思ってるんですよ。七色の声を使い分けるし」
七色の声?すごいですねぇ。
弁ちゃんは小さいころから「ピヨピヨ」と
小鳥のさえずりのような声に特徴がありましたからね。
大人たちが「弁ちゃん、弁ちゃん」とかわいがり、
ちょっと鳴くと誰かが飛んで行って面倒をみていたのでしょうが、
それを逆手にとられているわけですね。
吠えても無視してくださいね、と助言していても、
ワンワンとかギャンギャンとかいった強い吠え方には応じない飼い主さんも、
クンクン鳴くと「かわいそうに」とダッコ。
オスワリ、フセなどは上手にこなしながら、肝心なときには
自分のしたいことが優先する習慣がついてしまっています。
常に自分が注目されて話題の中心になっていないとゴネる弁ちゃん。
犬はどうしてこんなに自分の願いをかなえることに関しては
頭脳が働くのかなと感心せざるを得ません。
「好きでかまっているんだから、いいじゃない」と思う方もいるでしょう。
でも、これは最後には犬を苦しめることになるのです。
世の中、何でも思い通りになるわけではありません。
嫌いな犬が近くにいてもガマン。飼い主さんと一緒に
外出してもかまってもらえないときにゴネれば、そこに長居はできません。
楽しいお出かけも、犬がいるとどこにも行けないものに変わってしまうのです。
弁ちゃんはいま、「自分に関心を向けさせること」にとらわれているのです。
それが、ひとりではいろいろな出来事に対応できない犬にする原因にもなっています。
そこから弁ちゃんを解放してあげましょう。
かわいい七色の声に惑わされず、弁ちゃんに必要なことを考えましょう。
犬の自律と自制を発達させる社会化トレーニングは犬が毎日を穏やかに過ごすために必要です。自然環境で行うグループトレッキングクラスはその頂点になります。まずはこのクラスから始めましょう。