コラム.01
ココは、小型犬好きには人気のミニチュアダックス。
愛くるしいひとみに元気に走る姿。マンションでも飼えるサイズです。
「とにかくかわいくって、ついペットショップで買ってしまったんですけど…大変なんです。」
受話器から聞こえる飼い主さんの声は今にも泣き出しそうでした。
サークルの中では「早く出せ!」と吠え続けるし、
出すと部屋のあちこちにオシッコ。抱くと「はなせ!」とかみつく。
「たたいて怒ると反発するし、もう、かわいくなくなってきていて」と、
前にも犬を飼っていたこの飼い主さんも、ココにはお手上げ状態だったのです。
こんなはずじゃなかったのにと悩み、子犬を飼う自信がなくなり
「こんな犬、もう知らない。だれかもらってくれないかな。」
と落ち込む日々が続きます。
私の診断は、ずばり「犬版・育児ノイローゼ」。
こういう状況に陥りやすいのは、責任感は強いけれど、
知識や経験が追い付いていない飼い主さんです。
思い描いていた犬との生活は絵のように美しい。でも現実はそう甘くありません。
私はご家庭を訪問して「家庭犬のしつけ・トレーニング」を行っています。
犬の言い分や扱い方、人との関係作りの手順などを話しながら
犬の飼育を学んでいただくのです。
どの飼い主さんもやがて「これは犬のしつけではなく、飼い主の教育なんですね」
と気づかれます。
そうです。飼い主と犬は互いに育て、育てられる関係にあります。
一方的に飼い主側の言い分を押し付けても、
意思や感情をもつ「犬」と笑顔で暮らせるようにはなりません。
犬の飼育には子育て同様のエネルギーと知識が必要なのです。
さて、ココの飼い主に言いました。
「ココを育てる過程で、ココがお母さんを成長させてくれると考えてください。
さあレッスンを始めましょう」。
お母さんはちょっと表情をゆるめました。
肩の荷を少し私に渡してくださったようです。
子犬飼育の問題解決(排泄の失敗、トイレトレーニング、甘噛み、夜鳴き、イタズラ、かじる、吠える、かみつく、うなる、社会化、いうことをきかないなど)子犬への接し方、飼育方法について知り子犬の性格にあったしつけ・トレーニングを行うクラスはこちら。