コラム.03
小型犬のヨークシャテリアのラムちゃんは三歳のメス犬です。
生まれてから数回しか散歩に出たことがありません。
「外に連れて出ても歩こうとしなかったので、ラムは散歩が嫌いなんだと思うんです」
と飼い主さんはきっぱりといいました。
ラムちゃんは幼少期にお散歩に出るのが遅れ、
いざ散歩に出たときには家の前から一歩も動かなかったそうです。
小さなラムちゃんにとって、お外はモンスターだらけ。
大きなヒト、自動車、動きを拘束されるリード(ひも)など、
すべてがラムちゃんを怖がらせてしまう原因でした。
「えっ、散歩に行っていない犬がいるの!?」。
驚きましたか?
正確には、行かないのではなく行けない犬たちです。
「家の中で運動するから必要ない」「お外に出ると怖がる」
「行く時間がない」「行かなくていい犬種だと聞いた」など。
理由はお家事情も含めていろいろあります。
でも、ラムちゃんも実はお散歩を必要としています。
お散歩は運動だけでなく、外の世界で刺激を受けることで精神的に成長したり、
ヒトを含む他の生き物との出会いの中で社会性を養っていくためにも必要です。
また、子犬は生後4ヶ月ごろまでは、いろいろな環境に適応しやすい時期にありますが、
これを過ぎると警戒心が芽生えてきます。
このため、外界との接触や経験が不足しているとちょっとしたことで
過敏に反応するようになるのです。
例えば、インターホンの音や来客に激しく吠えたり、などです。
一日一回はお散歩に行きましょう。
ラムちゃんタイプは飼い主さんとの信頼関係を高めながら
ゆっくりと外の世界に接することから始めましょう。
日中はお留守番で帰宅すると真っ暗なの、という方は
早起きして犬連れの朝歩きを楽しんでみてはどうでしょうか?
「お散歩」の一言に犬はちぎれんばかりに尾を振って喜ぶようになります。
貴重な犬とのコミュニケーションタイムです。
お散歩バンザイ!
散歩は犬の生活にとって重要です。犬が社会とつながる時間だったり、世界を楽しむ機会だったり。散歩を開始する子犬期の生活環境や外の社会に適応させるための社会化トレーニングは犬の性格形成と行動に強い影響を与えます。成犬になっても「お散歩恐怖症」は克服できます。
恐怖を抱きやすい傾向のある犬にお勧めのクラスはこちら。