グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグスクールです。

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事例紹介 コラム21「犬と暮らす」

コラム.15

人の都合が優先では
~飼育環境・クレートトレーニング・飼い主と犬の関係~

タロウは5ヶ月のイエローラブです。
庭にハウスがあったのに、初回のレッスンのときには家の中にあがってきました。
室内に入って、とても興奮した様子。
あれぇ、飼っているのは庭?それとも室内?
「庭で飼っているんですけど、ときどき部屋にあげてます。だめですか?」

はい、よくありません。
どちらがいいのかが問題ではなく、一方に決めないと犬が混乱してしまうからです。
タロウは人といることで落ち着くタイプのよう。
事情が許せば室内飼いを考えてもいいでしょう。
とにかく、家か外か一方に決めてあげてください。これを宿題にしました。

ところがこれが難しかったようです。
「1日30分と決めるから部屋にあげてはダメですか?」と食い下がってこられました。
そこで、世話係の典子さんに聞きました。
「それは犬のためですか?人間の都合ですか?」答えは「人の都合です」。
それではタロウのためにはなりませんよね。

お家のサッシを見ると、タロウの足かきの泥だらけ。
必死の「入れてくれぇ」です。
かれには、なぜ自分が家から出しいれされるのか理解できていなかったのです。
矛盾することを人の都合で押し付けると犬はとても不安定になります。
一貫性はとても重要です。

「しつけするから中で飼おうよ」という典子さんと、「犬は外だ」というお父さん。
意見が合わず、話し合いは長期間におよんだようですが、
とりあえず、タロウのレッスンは順調に進みました。
タロウをなんとか室内で飼おうと典子さんも真剣だったのでしょう。
「おやつ」がないと知らんぷりだったタロウも、
典子さんの言葉に耳を傾けるようになりました。

いま、タロウは典子さんの部屋にハウスを置いてもらい、室内で暮らしています。
安心したのか、レッスンの成果もあり、最近は庭に出ても
ひとりの時間を楽しめるようになりました。
犬の生活環境は、犬の精神安定に強く影響しているんですよ。

同じような問題を抱えている飼い主さまへ

犬の生活環境は犬の性格形成、社会性の発達、行動の安定性に影響します。物理的な環境整備や飼い主さんの接し方や犬の性格にあわせたルールの導入など家庭内でできることがたくさんあります。

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