コラム.11
黒ラブのべスちゃんはおてんばさんです。
初めて会ったときは、家の柱につながれて
ピョンピョンと手まりのように跳ねていました。
飼い主にわけを聞くと「放すとイタズラがすごいから」でした。
生後5ヶ月にして15キロ以上あるので、走り回られても
飛びつかれてもその激しさにたじろいてしまいます。
家の中では、障子の桟をジャンプして壊したり、壁をベリベリしたり。
いすも座れないほどに脚が細くかじられ、あちこち悲惨な状態でした。
このタイプは「イタズラが激しく言うことを聞かない犬」
とレッテルを張られ、困り者扱いされがちです。
でも、これらの行動も、実はほとんどの場合、ストレスが原因です。
べスは、人と強くかかわりたいと思うあまりに人の気を引くイタズラをくり返していました。
でも、そうとは知らない飼い主さんは振り回されて疲れてしまい、
どんどんべスを遠ざけていました。するとべスの気持ちは満たされず、
問題行動はもっと加速していった、というわけです。
こういうケースでは、まず、犬と人が真正面から向き合うことが大切です。
そして犬がその衝動的な行動をコントロールする「理解力」をつけることも。
この段階で犬の頭には「いいこと」「悪いこと」の区別はありません。
根気強く、何が良くて何が悪いかを教えていくことで、
衝動に対する自己制御を育てていくのです。
ベスタイプはもの覚えは速いんです。
人と強くかかわりたいという気持ちがトレーニングに対する集中力を高めるからです。
べスもほめるととても自慢げに尾を振り「もっともっと」とせがみました。
そして、べスが物事を覚え始めると、飼い主にも変化が。
「べスがますますかわいくなりました。」そうそう、これが大切ですね。
するともっとたくさんのことを教えてあげたいと思うから不思議です。
さて、あなたの犬はホントに「言うことを聞かない犬」ですか?
辛抱強く教えることから始めましょう。
学習能力の高い犬は生活環境や接し方が犬にあわないとストレスをかかえやすく「興奮」「破壊」「イタズラ」といった問題行動へと発展します。エネルギーを発散させ犬の自制を促す社会化トレーニングを必要としています。