グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>夫婦喧嘩は犬も食わないのは本当なのか?

犬にまつわることわざは山ほどありますが、誰でも口にすることわざにこんなものがあります。

「夫婦喧嘩は犬も食わない」

このことわざ、いつも気になっています。

意味としてはとても単純で、要するに夫婦喧嘩というのは、何でも食べる犬すらも見向きもしないほど関わる必要のないものだということのようです。

夫婦喧嘩はそのうちよくなるから仲裁の必要のないことらしいのですが、本当に犬も食わないのか疑問なのです。

なぜなら、トレーニングクラス中に生徒さんから家族間の喧嘩(つまりは夫婦喧嘩)にまつわる犬の行動について説明を受ける機会があるのですが、どうやら犬たちは無関心ではないようです。


夫婦喧嘩のときにしている犬の行動ですが、過去に次のような行動をしていると聞いたことがあります。

夫婦で言い合っていると真ん中に入ってきてワンワンと吠える

夫婦で喧嘩していると庭に出ていって戻って来ない

夫婦で喧嘩しているとクレートに入って出てこない

夫婦で喧嘩していると自分のベッドに伏せて大人しくこちらを見ていた

夫婦でつかみあっていると、部屋の端にいってブルブルと震えていた


ご家族の喧嘩の状態がよくわからないのですが、無関心な犬だけでもなさそうです。

庭に出て行ったり、クレートに入ったりベッドにテリトリーを持つ犬たちは、より安全は場所に回避をしているのでしょう。

ブルブルと震える犬は、逃走もしくは闘争モードが高まっていく状態を示しています。

夫婦の間に立って吠える犬は、旗から見るといかにも喧嘩を制裁したりとめているように思えますが、この状況下で出る吠える行動は興奮行動もしくは闘争行動ですから、制裁というよりも自分も攻撃性を出現させている状態という風に見られます。

全く関与していないように見える犬ですら、顔を背けて無関心を装いながらもハアハアと息遣いをしたり息を殺したりして、状況の変化を感じているようでもあります。


どうやら、夫婦間の喧嘩は犬にとっては食わないどころか、最大の関心時のようです。

ことわざの生まれた生活環境と今では明らかに異なるのが空間の使い方です。

空間の使い方が変わってくると、関係性が変わってきます。

ご夫婦の喧嘩のエネルギーも、一昔前と同じとはいえなくなってきているのでしょう。

ドラマなどで見られる喧嘩するときに「外にでろ」というのは、妥当な方法なのかもしれません。

狭い都会では、外で夫婦喧嘩するとそれはそれでご近所に影響があるということで、なかなか適切な場所も見つかりません。

喧嘩は仲良くなるために必要な攻撃性だと思います。あとは、犬との関係性を高めることがストレスを最小限にとどめる秘策でしょう。

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<日々のこと>犬との山歩き対策、今年もバージョンアップ!

前回のブログで犬との山歩き中にブユ(ブヨ)に刺されて腫れてしまったということを書きました。

自然はおおらかですばらしいのですが、そこに住む生物たちはお互いに食うか食われるかの世界。

血液を求めて飛び交う刺し虫たちとの闘いが今年も始まりました。


飛び虫たちとの闘いの道具ですが、まずは長袖、長ズボン、帽子、手袋、首巻です。

最初のお約束は肌を露出させないということです。

暑いのでついつい肌を出してしまいたくなるのですが、そこはぐっど抑えて布で防衛します。

特に皮膚の弱い首周りは手首や足首は、虫の恰好の餌食になりますから見せないことが必須です。

帽子は黒いものによってくる飛び刺し虫たちを回避するために必要です。

服はもちろんカモフラージュ。中間色でお願いします。黒だけでなく白も虫を惹きつけてしまいます。


次は防虫剤です。

天然のもので効果があるのは木酢です。犬の体にも使えます。

炭をつくるときに出る蒸気からとった液体ですが、少しこげたような臭いを嫌うのか土に向けてかけると虫たちは逃げ出していきます。

人によりますが私はこの臭いが大好きで、木酢をお風呂にいれて入るのもお気に入りです。

他にはハッカ油を水で薄めたものもいいでしょう。

あとは精油でつくったアロマオイルスプレーです。

混合の仕方はいろいろあるようですが、生徒さんによるとやはり市販の混合されているものは即効性が高いとのことでした。

良い香りは女性には人気が高いのですが、犬たちは多少苦手のようです。

臭いの成分がきつすぎるからかもしれません。


一般的な虫除けスプレーも毎年バージョンアップしています。

今年はアース製薬の塗るタイプのものが効果が高いとききました。

早速購入して七山に設置してありますので、ぜひお試しください。

一般の防虫剤も毎年すぐれものがでてきます。人にも環境にもやさしいのが人気のようで安心して使えるものも増えました。

製薬会社の研究チームが毎日研磨して作り上げられている製品ですからよりよいものを吟味して使いたいものです。

腰にさげる蚊取り線香などを持ってこられる方もいて、別にそれは悪くはないのですが動きが不安定になるような装着道具は控えられた方がいいでしょう。


そして、私も今年新しい防虫グッズを取り入れました。

こちらです。

帽子2
なんと、虫がついても離れていく帽子らしいのです。

帽子1
製薬会社と生地の帝人がコラボレーションして作った素材ということでした。

タグを読んでも原理がよくわからないのですが、とにかく虫が離れていくということで購入してしまいました。

帽子3
人間の探究心というのは底のないもので、毎年新しい技術や商品が生まれてくるのにはビックリします。

この帽子は今年発売されたのではなく、もしかしたらもっと昔からあったのかもしれませんが、初めて見つけたため感動してしまいました。

早速、七山だけでなく福岡でも愛用しています。

実は虫に刺されるのは七山よりも福岡の方が多いのです。七山ほど防衛道具をそろえていないからかもしれません。


今後も新しい商品の開発に期待しながら、古くからある技と、自分の免疫力アップを重ねながら、毎年変わる気候と山の環境に犬たちと共に挑んでまいります。

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<日々のこと>犬との山歩き、飛び刺し虫たちとの闘い始まる

集中的な豪雨、降ったり止んだりで犬との山歩きも歩き出すタイミングをはかりかねます。

数少ない休日を犬との山歩きで成長したいと、福岡から七山まで起こしいただく生徒さんたちが山に来られるたびに、私も七山で山の感覚を復活させています。

この季節、そうこの季節はもう11回目です。

七山に移転した当初は、山のことが全くわからず苦戦したものです。

特に山の動物や昆虫のことがよくわからず、無防備から過剰防衛と犬が人に対するのと同じような状態に至っていました。

今は経験を通してやっと理解しはじめ、適切な防衛能力が身についてきました。


そしてこの季節、最も注意しなければいけないのは、飛んで刺す虫たちです。

飛んで刺す虫といえば「蚊」ですが、蚊対策はある程度の虫除けグッズでなんとかなります。

万が一刺されたとしてもたいした腫れもなく、そのうちに忘れてしまう程度です。

ところが、顔面が殴られたように腫れてしまう飛び刺し虫がいます。

「ブユ」です。


ブユは地域によって若干表現が違うようで、ブヨともいわれるみたいです。

このブユもしくはブヨですが、黒ゴマくらいのサイズの虫で羽も小さく飛んでいるを見ることも難しいくらい小さいのです。

羽音もしないので顔の近くに来ても気付きません。

ブユは人の顔のうちの目の周り、口の周りなどの柔らかい皮膚のところに吸血します。

それも一瞬な上に刺されているときには痛みを感じないのです。

しばらくするとなんか痛いしかゆいとおもって顔を触ると、腫れの中心にコリコリとしたものができていて「ブユにやられた」ことに気付きます。

はじめは蚊にさされた程度の腫れは、一日中ふくらんで行き数時間するとなぐられたように腫れてしまうこともあります。

まぶたなどだと目が見えなくなる程腫れてしまうこともあります。

私の場合は、毎年刺されるので免疫力がついたのか、翌日には手で触ったら分かる程度に腫れは引いています。

といっても昨日、今年はじめてブユに刺されたことには落ち込みました。

虫除けスプレーをしっかりつけたつもりでしたが、隙があったからでしょう。

こんな風に書いてしまうと、山になれていない方に怖くて山には来れないと思われてしまうかもしれません。

無防備に山に入って二度と来れないという経験をする前に、しっかり防衛して軽くかわせるようになっていただくことも犬との山歩きには必要な術だということをお伝えしたいだけなのです。


この小さくても侮れないブユですが、犬たちはどうしているのでしょうか?

朝夕のブユが絶好調の季節で、朝露の近くを歩く犬たちの腹部はブユの絶好のご馳走場になります。

刺されたあとは赤いブツブツになり痛々しいですが、人ほど腫れるという事はありません。

ここはさすがに免疫力の高い犬なのだなと関心します。

小型犬でもあまりひどく腫れる犬も見たことがありません。

そうはいっても、犬たちも屋外活動が減っており免疫力は毎年失われていることも事実です。

とにかく対策は必要ということです。

対策については次回続けます。

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<犬のしつけ方>犬のことを学びたいならハウツー本とサヨナラしよう

生徒さんやご縁があって出会った方から「ブログを読んでいます!」と言われると、素直にうれしい気持ちになります。

グッドボーイハートのブログを勉強の素材として下さっているということで、未熟で恥ずかしいという気持ちもありますが、恥ずかしくないようにしっかりと学びを重ねていかなければという引き締めにもなります。

ブログを読んで下さる方やグッドボーイハートで学んで下さる方によく受ける質問があります。

質問とは「先生はどうやって犬のことを学んで来られたのですか?」というものです。

正確には学んだ過去形ではなく現在も学び続けているのですが、自分なりにとお答えするのが一番かと思います。

今までに仕事として勤務した犬を管理収容する施設や、訓練学校で先輩としてたくさんのことを見せて教えていただいたことがありました。ですが、それらはそのまま犬の理解として受け取ることができず自分なりになんども消化する必要のあるものでした。

若いころには犬の行動学に関する本がほとんどなく、わずかな本でも読みあさり、そのうちにセミナーが開催されると遠方よく参加したものです。国内はもとより海外で開催されたセミナーにも関心のあるものには出かけて行き学びました。

それらのセミナーの内容はそれなりに理解はできましたが、犬を知るには十分といえるものではありませんでした。

犬という動物についての学びが一気に深まったのは、七山でオポという犬と暮らし始めてからです。

見方がかわり読む本の分野も変わり、犬の本質を知るみ道が少し開かれたのです。

犬のことを真剣に学ぼうとされていても、どうしたらいいのかというハウツー本は足かせになるばかりです。

犬とはそもそもどういう動物なのだろうという、知っていそうで案外知らないことの方に焦点をあてると見えないものが見えてきます。

知らないと思うことは勇気のいるし、大切に思う犬のこととなるとなおさらです。

ただ知りたい、そういう思いで進んで来たのですが、単純であることも時には役に立つのかもしれません。

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<日々のこと>鹿肉ジャーキーのやまごちの試作品来たる

鹿肉ジャーキー“やまごち”を販売されているヤクトの代表兼猟師をしている知人と会いました。

ときどき福岡に来られたときに商品を受け取ったり、猟や新商品開発の話を聞いたりしています。

今回は、また新商品企画の試作品が出来ているということでした。

試作品は、鹿肉の肉の部分と内臓の部分を混ぜ合わせた上で延ばしてつくったジャーキーということでした。

割合は肉8対内臓2か、肉7対内臓3で迷われているそうですが、どちらも試作品をいただきました。

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パッケージを開けて臭いを嗅いだところで違いが到底わかるとは思えませんが、敏感な犬たちなら内臓比率の違いくらいはわかるでしょう。

違いがわかったとしてもどちらもおいしく頂いてしまうので「どっちがよりおいしいのだ」というさじ加減を犬に判断してもらうのは難しいことになりそうです。

肉といっしょに内臓も与えられるということで、プレミアム商品化されるらしいのでお値段は少しお高くなるかもしれません。子犬から老犬まで与えられるジャーキーとして売り出したいということでした。いつもとおりヤクトさんの意気込みを感じられました。

猟期はもう終わったものと思っていたのですが、猟はいつでもできるとのことでミーティングの前日にも猟に出かけられたとのことです。毎日の食卓には鹿肉がいつも登場するらしく、健康にはとてもよさそうですね。鹿肉カレー食べてみたいですね。

ヤクトさんのホームページでは、人用の鹿肉も販売されていますので、鹿肉食べられたことのない方はぜひ一度ご試食ください。

そして、めったに目にすることのないものも見せていただきました。
こちらです。

ヤクトさん1
本当に小さく数ミリしかないのですが、これが銃弾だということでビックリしました。

きのこのような形をしていて、衝撃があると先端が割れることでこの小さな銃弾1個で鹿を捉えるとのことです。

銃ときくと最近では事件もあるため少し抵抗のある方もいらっしゃるかもしれません。

戦うための道具を持つ人は本来の生きる目的のために使っていたのでしょうが、環境のせいなのか人が少しずつ破壊されていっているようで切なくなってしまいます。

犬の牙も同じように本来向けられるべき方向ではないところへ使われてしまうのは、彼らに何か不安を感じさせ不安定にしてしまった要素があるのでしょう。

動物は必ず攻撃性を持つものです。攻撃性を本来向けるべきところへ向けられないという環境にも社会的な問題があるように思えます。

新鮮な赤身モモとレバーのジャーキーはいつもとおり入荷しました。

鹿肉の香りとエネルギーで、犬たちが何を感じてくれるのか、もし感じてくれなくても活き活きと食べてくれれば一番ですね。

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<日々のこと>動物取扱業責任者研修会を受講しました

毎年1回、動物取扱業者に義務つけられている研修会に参加しました。

今回の主なテーマは以下のものでした。

動物愛護管理法の改正
動物由来感染症
狂犬病
マイクロチップ

研修内容の中から、皆さんも関心のありそうなことをいくつかをご紹介します。


この業界の法的な整備はまだ比較的新しく、ルールも表面的で不思議なものがたくさんあります。


例えば、犬猫の販売年齢に関する法律の制限は現時点では以下のようになっています。

「生後49日以内の犬猫の繁殖業者からの引渡等の禁止」

法律改正の検討事項として、「生後56日以内の犬猫の繁殖業者からの引渡等の禁止」とあります。

犬猫を早く親から引き離すと個体の社会化に悪い影響を与えるということで、改正が進められているのです。

飼い主さんもできるだけ長く親犬と過ごさせた方がいいと思われているようです。

子犬期の成長と発達のために、母犬や同胎犬といっしょに過ごさせた方がいいというのは当然のことのように思われます。しかし、ここには落とし穴があります。

単に母犬と長く置くということが社会化ではないのです。

日数という数字を合わせただけでは、動物は社会化しないのです。社会化はそんなに単純な仕組みではないということです。

むしろ、不適切なスペースに収容する時間が長くなるとことが子犬期のトラウマをつくつてしまいます。

不適切なスペースとは、サークルやケイジの中、他の犬の鳴き声が聞こえる空間、臭いのきつい空間、動きの取れない空間などです。

また、繁殖を繰り返す繁殖犬として人が利用している犬の中には、ストレスが強くかかり子犬と上手くコミュニケーションがとれない母犬もいます。

このような状態で母犬と同じスペースに長く置かれても、社会化は難しくなるばかりです。


法律の中には、犬猫の保管や展示のスペースについてもあります。

保管や展示の広さは、動物の体長の2倍以上の広さであることとされています。

逆から読むと、体長の2倍あればいいともいえます。

法律とはなかなか抜け道の多いものです。


また、毎年紹介される狂犬病に感染した子供達の症状のビデオを見るのは心苦しいものです。

日本は狂犬病が長らく発生していない国ではありますが、決して狂犬病がクリアな国とはいえません。狂犬病は他国入ってくる可能性が高く、その防衛に対して防御が甘すぎるため、いつでも狂犬病が国内に入る可能性があると思っておいたほうがいいでしょう。

ネットでは「RABIES」のワードで検索されると、狂犬病の感染に関する情報の動画を確認できます。特に人の感染動画は興味本位では見ることをお薦めしません。攻撃性と致死率100%という狂犬病は、犬という動物と共に暮らす上では、見てみぬふりをできない病気であるという認識は必要でしょう。

動物由来感染症については「手洗いの励行」「節度ある触れ合い」が予防のポイントとして紹介されています。
当たり前のことのように思えますが、案外なれてしまってできないことも多いものです。

最後に突っ込みをひとつ。

テキスト

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<クラス>トレッキングクラス&犬語セミナーを開催しました

今月も犬語セミナーを開催しました。

グッドボーイハートのブログを検索ヒットで見つけて下さり、かなり遠方からご参加いただくことがあります。

今回もトレッキングクラスの見学も兼ねて犬語セミナー初参加のメンバーといっしょに午前中の犬たちとのトレッキングを満喫しました。

梅雨も中盤といっていいのでしょうが、湿度も低く気温も安定していて、犬も人も心地よく自然の風と土と緑の臭いをかぎながら、探索行動で共感力を高める時間を持ちました。

犬との山歩きは飼い主の意識がどこにあるのかでその質は全く違うものになってしまいます。

山という自然の中で楽しませてもらおうと受身になりすぎることも、山を自分のスペースとしてわがままに使いすぎることも、どちらもバランスを崩してしまいます。

一体感という言葉はあまりにも漠然としすぎているとは思いますが、ゆっくりとした時間の流れを意識するようにしています。

午後の犬語セミナーでは、人に対して吠えたり咬みつくという攻撃性行動を見ながら、その行動を深く観察し、そして分析してその背景にあるものを探していくという、今回は深く読み取るという形で行いました。

参加者の顔ぶれやスキルによって犬語セミナーの内容を変えていけるのも、少人数制のセミナーならではできることです。

犬に関する学びは、長く続けているといったりきたりしながら少しずつ前進です。

学び続けるうちに不安は疑問、立ち止まり、引き返しがでるのは当然のことです。

前進したいという意欲とエネルギーをもつ者だけが、迷いによって引き返すことをやめ新たな道を切り開いていくのかなと思います。

犬の行動学を学ぶ犬語セミナーは、最初は少しなじみのないものでしょうが、知っていくと動物の不思議に触れることができる味わいのあるセミナーです。

来月は第4日曜日の12時~開催を予定しています。

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<犬のしつけ方>犬のしつけは飼い主が主役:ドッグトレーナーが犬をトレーニングしてくれるという思い違いは今すぐ解決

犬のしつけやトレーニングについてのご相談の中で、とても多い間違いが「犬を訓練してください」というご依頼です。

犬の問題となる行動や犬のしつけを、ドッグトレーナーが家庭を訪問して瞬時に解決してしまうと勘違いをされていることがあるのです。

テレビ番組の中で、ドッグトレーナーが家庭を訪問して犬をトレーニングすると犬が瞬時に変わってしまう様子を見てそう思うのかもしれません。


犬のしつけや問題行動の解決のためのトレーニングをドッグトレーナーが犬に教えることで解決してもほとんど意味がありません。

意味がないどころか、飼い主は愛犬のことを理解し関係を作るという大切なチャンスを失ってしまいます。

こうした思い違いは、犬のしつけや問題行動の解決を犬だけの問題だと思っているところから起きてしまいます。

犬の困った行動は、犬の問題ではありません。

むしろ、犬を飼育するまさに、犬を飼い育てている環境に問題があります。

その環境のもっとも重要な因子が飼い主なのです。

そのため、飼い主が犬のしつけに主役となって取組むことでしか、この問題は解決しないのです。


思い込みのきっかけになったかもしれないテレビ番組はどうなの?と思われるでしょうか。

犬に関するテレビ番組の裏にはいろんな仕掛けがありますから、放送されていない時間に何か一時的には即効性のある対処法を用いた可能性もあります。

もしそうでないとしても、犬は非常に警戒心が高く人の見分ける力があります。

家庭で問題行動を起こしている犬ほど、人との関わりが強く人をよく観察する力を持っているのです。

ドッグトレーナーやドッグインストラクターといった職業の人間が、一般の人と明らかに違うということを犬たちはすぐに見破ります。

そのことが一時的に犬の行動に影響を与えるのです。

散歩中に他の犬に吠えていた行動が、ドッグトレーナーが犬のリードを持つと吠え止むといったことは全く珍しいことではありません。

これらの行動を見て、ドッグトレーナーが犬を「修理」して戻してくれるという勘違いをされるのでしょう。

ですが、これは犬のしつけとしては成功しません。

犬は飼い主のつくる環境によって行動を変化させています。

飼い主自身が犬を理解し、犬に必要な活動やしつけを提供し、犬と関係を築く時間を持たなければ、犬の問題行動は解決しないのです。


犬のしつけをオスワリやフセを教えることだけと思っていると、間違ってしまうかもしれません。

確かに、ドッグトレーナーが犬にオスワリやフセを教えて飼い主に戻すことはできます。

でも、この犬はいつどのような時にでも飼い主が要求するとオスワリやフセをするようになるわけではないのです。

オヤツがあるとする、餌のときにはするけれど、本当に必要なときには言う事を聞かない以前と変わりのない犬がそこにはいるのです。

変わっていないのは、飼い主の方だからです。

犬にきちんとしつけをして犬が社会的に安定して生きていくことができるように成長を促すのは、飼い主の役割です。

ドッグインストラクターとして私ができることは、飼い主さんに学びの機会を提供することだけです。

犬のしつけは、犬との関係をつくる貴重で楽しい時間です。

しつけやトレーニングの時間を通して、犬を今以上に理解することができ、そして犬との関係性が深められます。

早くよくなればいい、誰か犬のしつけをやってくれないかなという気持ちは、犬と向き合うことを避けていることになります。

そしてこのことに一番気付いているのは、犬自身なのです。

犬とどのような関係を築いていきたいでしょうか。

犬はあなたの家族の一員なのでしょうか。

犬のしつけには毅然とした態度やたくさんのエネルギーも必要ですが、費やした以上の喜びが戻ってくることは、犬と向き合った方だけが体験する特権です。

犬と暮らすすべてのみなさんに知っていただきたいことです。

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<犬のこと>人がテーブル下に落とした食べ物をとる犬の行動も様々なこと

ドッグインストラクターという商業柄当然のことですが、家庭内での犬の行動を比較するのが習慣になっています。

犬のしつけ方教室というと、オスワリがどのくらいできるのかとか、散歩中に人の横について歩けるのかなどの行動ばかりを観察していると思われるかもしれませんが、実はそれだけではありません。

犬に対するしつけやトレーニングで大切なことのひとつに、その犬の個性をよく把握しておくということがあります。

直接的にその犬を理解するという目的と同時に、犬の行動をあらかじめ予測するために役立ちます。

人側がこうしたら犬はきっとこう反応だろうなという行動をある程度予測することで、犬に対してどのように接すればいいのか、どのように学習を促していくのかという過程を組み立てていくからです。

こうした犬の理解のための観察素材としては、散歩の様子やオスワリの学習よりももっと日常的な行動についての情報の方がより重要です。


それでよく飼い主さんとの会話の中でいろいろとお尋ねしています。

先日は、人が食べているときにテーブルの下に落としたものを犬が拾いに来ますよねという話題になりました。

人の食べこぼしを犬が食べることを許すかどうかというのは、ご家庭によってルールは様々でしょう。

犬のしつけとしては、食べ物を落としたときに「それダメだよ」とゆっくりと声かけして、犬が食べずにいられれば十分にしつけができているといえます。

わたしの飼っていた犬については、人が食べても良いと許可したものについては、拾っても良いというルールを導入していました。


床に落ちたものを食べさせても、それが拾い喰いという悪しき習慣につながるわけではありません。

落ちたものが犬が口にしてはいけない食材であることもあるでしょうから、食べてはいけないといわれたときにはきちんと応じるというのは最低のルールとして必要です。

ところが、犬の中には人の食べこぼしを拾いに来る犬の中にはそんな制止の余裕のない犬もいるようです。

人が食べこぼした食べ物がテーブル下の床に落ちる前には走り出し、落ちた瞬間には即座にその食べ物を口にしてしまうという早業犬も案外いるようです。

飼い主の報告によると、それらの犬たちは猛ダッシュで走ってきて食べ物を拾うと別の場所へ走っていき一気に飲み込んでしまうというのです。

行動の様子からすると、誰かに取られまいとして慌てて食べているということですが、競い合っているのは多頭飼育されている犬の場合もあるでしょうし、飼い主の場合もあります。


これらの早業犬たちとは違って、状況をよく確認した上で、落ち着いた行動で落ちた食べ物を拾って食べる犬たちもいます。

このケースでは、飼い主が食べ物を落とした瞬間にそれを見ている間は犬は顔を背けており、飼い主が落ちたものがわからずに放置してしまうと、犬の方が行動を起こします。

しかし、その行動は食べ物に走ってくるというものではありません。

ゆっくりと立ちあがった上で食べ物の落ちている方向になにげなく前進してきて、少し鼻をおとしながら偶然のように食べ物を拾っていきます。

飼い主から「ダメだよ」と指摘がはいればいつでも行動を変化させることのある余裕を感じられる行動で、状況がいつ変化するかもしれない状態での行動への配慮が見られます。


この二つのタイプの犬は、どちらも落ちた食べ物を食べることを目的とした行動ですが、その行動のパターンには飼い主との関係や犬の性質(性格)を見ることができます。

こんな、日常のなんでもない行動について飼い主さんに質問をくり返していくと、犬の個性がより理解できるようになります。

そしてなによりも、最初は的確に質問に答えられない生徒さんたちも、質問をくり返すうちに観察力が増していくという学習が起こります。

今までとは異なる面から犬の行動を観察できるようになるということが、飼い主として最初に必要な学習事項なので、楽しみながら犬を観察していただきたいです。

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<犬のしつけ方>犬への声かけが犬を不安にさせることもある:怖がる犬をなだめないで欲しい理由とは

犬に対する飼い主や人の声かけが、人の思惑とは別の方向に向ってしまうことがあります。

最も多くみられる間違いで、人側がなかなか改善できないのが、怖がる犬に対するなだめ行為です。

怖がる犬に対するなだめ行為とは、まさに、なだめるということを目的とした声かけです。

人の犬に対するなだめ行為について例をあげてみましょう。

散歩中に環境の変化に適応できず、硬直して動けなくなり立ち止まって尾を下げている犬がいるとします。

それを見た人の多くは、犬をなだめようとします。

犬に対して「大丈夫よ~」とやさしい声をかけて、体をさすっている行為を見かけることもあるでしょう。

もしくは、犬を抱きあげた上で赤ちゃんのように上下左右に振って、抱っこしてあやしながら「大丈夫よ、怖くないわよ~」となだめてはいないでしょうか?

犬を抱っこしてあやしている状態は、犬を赤ちゃんと取り違えている擬人化した行為になります。

抱っこという行為自体が犬に対して負担をかけるペット化の接し方ですから、抱っこをせがむ犬は当然社会的に不安定な状態にあります。

犬という動物に対する対応としてこれらの接し方が不適切だということは理解されやすく納得もいくでしょう。

しかし、体をさすってやさしく声をかけるなだめがなぜ犬にいけないのかというのはわかりにくいことです。

そもそも、なだめるというのは相手に状況を理解させて説得したり、納得させたりするための時間稼ぎです。

説得の行為に関しては言葉のコミュニケーションを用いて理解させるという方法です。

そのなだめる行為に、体に触れるという接触を伴う人が用いる落ち着かせのコミュニケーションが入っています。

犬にこうした行為が通じない理由は、簡潔にいえば人と犬ではコミュニケーション方法が違うということです。

では、怖がって尾を下げて震えている犬がいたとしたら、犬だけで生きている群れの犬たちはどうするでしょうか?

犬が怖がる状態を脱却する方法は、自力で快復するのを待つというやり方になります。

同時に、群れの強さを感じることができれば、群れの安定度によって犬の快復力は高まっていきます。

つまり、その犬の近くで普段と変わらず堂々と振舞うことが、怖がっている犬の快復力を高める方法です。

怖がっている犬が必要としているのは、やさしく声をかける人間ではありません。

やさしい声は違う面からみると、弱弱しい声ということです。

怖がっている犬が必要としているのは、弱い動物ではなく群れを率いてくれる強くてたくましい存在なのです。

何かあっても群れのために戦う意志があるトップの犬たちがいて、規律のある群れにいると犬は自律した快復力が高まっていきます。

逆に、やさしく語りかける飼い主の声となでる手は、犬が怖がっていることをさらに強化する(その行動を高める)要因となってしまいます。

犬はますます、怖がることをやめられなくなっていくのです。

飼い主の気を引くために、わざと怖がっているわけではありません。

怖がりの強い犬は自律性が育ちにくく依存性が高まりやすいため、飼い主に対する依存性を高めてしまう行為によって飼い主の反応が出やすい行動をしてしまうということです。

犬が怖がることを改善したいと願う飼い主が、実は犬の怖がる行為を高めているということに多くの飼い主は気づいていません。

動物の行動学的にはとてもシンプルな構造なのですが、行動に変化が見られないということは、何か周りの環境に要因があるということです。

最も大きな要因が飼い主のつくった環境(生活環境のすべてを含む)と飼い主の接し方です。

だから、飼い主が変われば犬の行動は案外簡単に変わってしまうのです。

預かりのトレーニングで結果が出やすいのは当然のことなのですが、同時に飼い主の元にもどれば以前と同じになりやすいということです。

人と犬ではコミュニケーションの方法が違うということ、当たり前のことなのですが再度確認しましょう。

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