グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>それでもあなたは、犬をサークル飼いしたいですか?

先日のブログで、動物に関する番組の中には程度の低いものもあることに軽く触れさせていただきました。

今日はもう少し突っ込んで、みなさんに疑問をぶつけてみたいと思います。

芸能人がわが犬自慢をする番組や、芸能人宅で犬を飼われている映像が出てくることがあります。

犬は広い部屋のサークルの中に入れられていて、多頭飼育されていることもあるようですね。


犬は人を見るとサークルの柵にとびついて興奮しています。ここで飼い主としては、「このコ(たち)は人が好きなんです。」と説明するシーンでしょうか。

柵にとびついている行動を「人が好き」といっている段階で、犬のことをあまり理解していないことを公言しているようなものですので不思議です。

さて、この柵にとびついてくる犬、もしくは犬たちのなかの一頭を飼い主がサークルの上部から抱き上げて出します。

そして犬を抱っこして上下に揺らしながらかわいがっているシーンです。

上下に揺らすのは赤ちゃんをあやす行動からくるのでしょうか?

犬は赤ちゃんと見られているのでしょうか。


そしてその後、椅子に座るなどして長時間にわたり犬を抱っこしたあとは、再び犬をサークルの中に戻します。

犬たちはサークルの中でゴハンを食べ、排泄をして、オモチャを与えられ、そこで寝て生活をしているようです。


こうした映像を見ると「犬はサークルの中で飼うもの」という新しい概念が生まれてくるのかもしれません。

最近、極まれではありますが「犬をサークルの中にいれままま飼いたいのです。」とまじめに言われることがあります。

もちろん、犬に接したいときはサークルから抱っこして出し、再びサークルに入れるというテレビと同じことをされているようです。

先日ブログでも紹介した、犬部屋を犬に与えて飼うという生活スタイルも、同じようになりがちです。

犬を犬部屋から出すときは抱っこして出し、そして再び犬部屋に戻すという飼育の形です。

水槽の魚や鳥かごの中の小鳥が一定の制限された空間で飼育されるペットですから、犬も同じようにサークルの中で飼うことが法律違反になるわけではありません。

屋外犬舎で飼育される犬は、飼い主が犬に接したいときだけ犬舎から出てくる生活をしているわけですから、世界的にも公認される飼い方ではあります。


水槽の参加や鳥かごの中の小鳥も、飼い主にとっては家族であると言い切ることもできます。

犬もそんな新しいスタイルで飼われるようになっていくのでしょうか?


ペットの暮らし方は、人の価値観によって大きく変化していくのです。

そもそもペットではなかった人のそばにいた犬という動物が、人の家族だよといってペットとしての道を歩むようになったのは、犬にとって有益だったのかどうか。

今はまだ過渡期なのかもしれません。

犬の飼い方はつまり犬との暮らし方。

あなたはどのような関係を築いていきたいのでしょうか。


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Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬にオテ、オカワリ、オマワリの芸を子犬のときに教えないで欲しい理由

動物に関するテレビ番組の中には、ガッカリするものがたくさんあります。

動物の本来の姿を研究しようとしたり、野生動物の生態に迫るすばらしい映像を公開してくれる番組は比較的少ないと感じます。

ガッカリするペットや動物をえさにしたテレビ番組では、動物をからかうことで楽しんでいるものや、動物のストレス行動を笑っていたり、動物に不自然さを強要するものまであります。

一般の飼い主さんたちはテレビの影響が強く受けられるのでしょうか。ペットとりわけ犬に対する接し方は「テレビでやっていたから」というものが多いことに驚きと怖さを覚えます。

犬にいくつかの行動を教えるということも入っているようです。

オヤツをはっきりと犬に見せて「オスワリ→オテ→オカワリ→オマワリ」を順番に行うパターンは、結構多くの飼い主さんがやっていました。

なぜこれを教えたのですかと尋ねると、一様に「テレビでやっているのを見たから」という答えです。

テレビで犬に芸当をやってみせると同時に、そのやり方まで説明してくれるということのようです。


不思議ですが、なぜかテレビで犬がこうした行動をとり周囲の人が手をたたいて喜ぶのを見ると、犬も楽しんでいると思ってしまうのでしょう。

犬を楽しませようと思って教えている芸当ですが、教え方や時期によっては犬の発達を阻害することもありますのでご注意ください。


というのは、上記の芸当の中で3つは犬が日常的にはしない行動なのです。

「オテ」という他者に手をかける行動をコミュニケーションの発達した犬はしません。

もし、犬が他の犬に手をかけることがあれば、相手の犬は「ガウ」といって拒否反応を示します。

オカワリも同じ理由で他の犬に対しては不適切なコミュニケーションです。

オマワリというくるりと回る行動は、犬のストレス行動のひとつです。

必要以上にさせると犬はストレス状態に陥りますのでこちらも注意が必要です。


犬に芸を教えるといいます。

芸=トリックとは、犬が日常的にしない行動を遊びとしてさせるということです。

オテやオカワリが芸になるのは、犬が日常的にはしない行動だからです。

それに対してオスワリやフセは、犬が日常のコミュニケーションとして行う行動です。

犬が日常的に行っている行動を人が必要なときにして欲しいと要求することは「犬のしつけ」の範囲内に入ります。


子犬期はコミュニケーションを発達させる大切な時期です。

だから子犬には芸当を教えないでほしいのです。

子犬にはコミュニケーションや認知の発達、社会化などもっと必要な学習の機会を提供しましょう。


オテ、オカワリなどの芸当は、犬が十分に成長してから、遊びとして取り入れることはできます。

犬にストレスを与えず、多少の付き合いを犬が喜んでくれる程度なら、犬もトリックを学ぶ課程を楽しんでくれることでしょう。

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<お知らせ>8月の犬語セミナー開催のお知らせ

犬のコミュニケーションと習性を学ぶゼミ形式のプチセミナー「犬語セミナー」を以下の日程で開催します。

日時 平成30年8月26日(日)
   12時~14時

場所 グッドボーイハート七山

参加費 おひとり2500円

申込み 電話もしくはメールでご連絡ください。
    初めてご参加の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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<犬のしつけ方>小さな犬の咬みつきが怖いですか?:怖がることで起きる犬の問題行動

前回のブログでも家庭訪問トレーニングクラスのご相談に「犬の咬みつき」についてのご相談が多いことをお話ししました。

実際にある「犬の咬みつき」のご相談の中には深刻なものもたくさんあります。

深刻とは、家族やご近所の方に噛み付いて怪我を負わせてしまったという状態です。


しかし、中にはまだ咬みつきの始まりもしくは軽度の低いという場合もあります。

特に都心のマンションで飼われている犬は、サイズがとても小さくなってしまいました。

成犬になっても2キロ未満という犬たちが増えています。

そのほんの体重1キロ代の犬が咬みつくというのです。


犬が咬みつくようになると、人が犬のことを怖がるようになってしまいここから問題が難しくなってしまいます。

犬が咬みつくのは、攻撃性行動を通して自分の身を守っていたり、自分にして欲しくない事を咬みつく行動を通して回避しているためです。

犬が咬みつくと人は手を引きます。同時に犬のことを怖いと思うようになり、犬の機嫌をとりながら犬に接するようになります。

犬は咬みつくという行動が効果があることを学びます。


犬が咬みつく行動の予兆を見せることで自分を外敵から身を守るということは当然の権利です。

飼い主は犬の敵ではないはずですが、その飼い主から自分の身を守ります。

飼い主のこれまでの接し方が、犬を不安定にさせたり、犬に興奮や脅威を抱かせるものであったなら、犬は当然咬みつく行動を通して自分を守るでしょう。

こうした防衛的な咬みつき行動の場合は、手を出すと後ずさりしたり逃げる行動がこの行動の予兆ということになります。

防衛的な攻撃ではなく、犬がガマンできない状態や甘えが強い状態で咬みつき行動を出す場合もあります。

犬は飼い主に甘えていて、いつも抱っこをせがんだり口をなめたり、飼い主にしがみついたり、飼い主が離れると吠えて騒いだりする反面、自分に嫌なことがあると咬みつき行動をします。

犬が嫌がる行動でお世話のために必要なことであれば、犬に理解できるように教育を与える必要がありますが、甘えの強い関係なのでしつけという教育が進んでいるはずもありません。

子犬のころには特に甘噛み(あまがみ)といわれる咬みつきが頻繁に起きます。

成犬になったときに大問題となる犬の行動は、子犬のころから学習の要素として表現されていて、突然始まったわけではありません。


犬の咬みつく行動を怖がっていては、犬と良い家族関係を築くことができません。

犬は咬みつくという口をつかってコミュニケーションをとる動物ですから、犬にいかなるときも咬みつくなということもできないのです。

でも、犬が生きていく上で必要な「咬みつく」という攻撃性行動は、飼い主を含む家族や周囲の人間に向けられるためにあるのではありません。

犬の咬みつきを恐れるな、でも犬の咬みつき行動を理解する必要がある。

犬は適切なときには咬みつくことができるけれど、日常的にはそれをする必要がないという状態でいられることが、犬の安定した生活です。

どんなに小さなことでも、犬のことを怖いとか避けるという気持ちや行動になったならば、今すぐに犬のしつけ教室や専門家の元で犬のことを学んでください。

そして犬ときちんと向き合える飼い主になれば、犬との十年以上の生活は犬にとっても飼い主にとっても、人生の中であの時間があって本当に良かったと思える時間になります。

ふくとめさん1

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<犬のしつけ方>首輪やハーネスを付けられない犬たち

家庭訪問トレーニングクラスでは「犬の咬みつき」についてのご相談を受けます。

ご相談の割合としては、トイレの失敗の次かもしくは同じくらい多くあります。

中には、首輪やハーネスを付けようとすると付けられないというご相談もあります。


では、現在どのようにしてつけているのかというと、多くの飼い主さんは「オヤツを与えながら着けている」ということでした。

オヤツを食べている間に、エイッ!とつけてしまうのです。

ハーネスは結構時間のかかるものですが、これもオヤツを食べている間に犬にハーネスをつける技的なものを身につけています。

こちらの技の方に「へー」とビックリすることが多いのですが、関心している場合ではありません。


普段は、首輪やハーネスを装着しようとすると咬みつき行動をしようとする犬が、オヤツなどの食べ物を与えながら首輪やハーネスを装着できるのは何故なのでしょうか。

ここのところをよく考えていくと、犬が何を嫌がっているのかがわかります。

首輪やハーネスの装着で噛みついたり暴れたりする犬は、散歩の後の脚を拭く行動でも同じような行動をします。

ということは、首輪やハーネスが嫌だということではないのです。


首輪やハーネスの装着にしろ、犬の足を拭く行動にしろ、犬を短い時間とはいえ、一定時間固定する必要があります。

食べ物を食べている間は一旦犬がその場に同じ姿勢でとどまることができますので、そのタイミングをみて首輪やハーネスを着けているのです。

犬の体を人の手で固定させることに対して抵抗を示す理由には、いくつかの要因が考えられます。

判断するためには犬の他の日常的な行動もあわせて観察する必要がありますが、根っこのところはひとつになっていて、やはり飼い主と犬の関係性に問題ありということになります。

犬がまだ家庭に来たばかり、もしくは犬が来て数ヶ月がたちすでに犬の行動が不安定になっている状態の対処法としては、食べ物をつかって一時的に対応することは止むを得ないことです。

犬との関係を変えるために、環境や飼い主の接し方を変えていくのであれば、結果として首輪やハーネスを装着するときに少しガマンすることを教える必要は、絶対にあります。


犬がこうした状況において咬みつき行動を示すことを「怖いから」「嫌だから」「犬だから」という理由をつけて対応しないのは、犬に対してとても失礼なことです。

犬は成長するし、高度な社会的コミュニケーションを持ち、そしてその能力を通して人の暮らしに近付いてきました。

動物の中で自ら人に近付いてきたもののナンバー3に入るほど、犬は特別な動物なのです。

その高度な社会的コミュニケーションは、人との関わりを通して発達していきます。

すぐに咬みつく犬は飼い主との社会的関係が薄く大変孤独に過ごしています。

犬は成長し変化します。変えられるのは飼い主だけなのです。

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<クラス>犬語セミナー開催しました:子犬の家庭内行動

毎月開催している犬のコミュニケーションを学ぶ「犬語セミナー」を開催しました。

午前中はいつもとおりトレッキングクラスで犬たちと山歩き。

秋のような雲と山の上をめぐる冷たい空気を感じながら、しばらく休憩したり、大雨の後に倒れた大木をみんなで移動させながら環境整備もすすみます。

これまできっちりと管理してきた若い犬くんも、経験を重ねて今日はステップアップします。
自律行動を促され、自分のブレーキを発揮しながらワクワクの山歩きだったことでしょう。

午後の犬語セミナーの今回のテーマは「自宅での家庭犬の行動」でした。

家庭訪問のトレーニングクラスで撮影させていただいた犬のほんの数分の行動をよく見て、その行動を意味を探っていきます。

ほんの短い時間の犬の行動ですが、ビデオ観察でも最初はなかなか細かく見ることができません。

今回使用したビデオの中には数ヶ月の子犬の行動も入っていました。

子犬はコミュニケーションが単純で、くり返し行動が多いのですが犬が小さく行動が多いためつい見逃してしまうこともあります。

そこでビデオのスローモーション機能を使って詳細にその行動を観察していきます。

子犬のよく見られる行動だったのですが、参加者の方が案外首をひねって困惑されています。

子犬の行動はほとんどが「遊んでいる」「じゃれている」「構ってほしい」で片付けられています。

遊んでいるように見えるけどどうなんだろう?

この行動は遊びではないかもしれないと思って子犬の行動全般を観察していくと、子犬の成長と発達に必要な要素がたくさん入っていることがわかります。

飼い主はこの子犬のくり返される行動に毎日毎日接するのです。

その日々の接し方によって子犬の精神的は発達が決定付けられていくとしたら、子犬を育てる飼い主は大変責任が大きいのです。

犬を飼われる方の多くが子犬から育てたいと願います。

子犬は可愛いですし、愛着も深いのですが、子犬のためにはたくさんの時間と労力と理解する力も必要です。

子犬を飼われるなら、日中も犬と過ごす時間が使えて子犬の成長と発達のために必要な環境を提供できる準備がある状態で迎えてください。

犬語セミナーは来月8月26日(日)の午後に開催予定です。

ハロおひるね

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<犬のしつけ方>犬の暑さ対策:穴を掘って過ごす犬たち

猛暑で平野部の犬たちがグッタリしているのではないかと心配しています。

室内飼育の犬はエアコンのきいた部屋で床に寝そべっている姿をみます。

エアコンも犬の体調を崩してしまうので、必要な道具とはいえ犬は元気とはいえません。

普段はエアコンで涼しげな部屋も、飼い主の外出時や就寝時にはエアコンを切ってしまうケースもあるようで、室内飼育でも暑さと戦う犬もいます。

散歩にはなかなか出られないし、ひたすらこの暑さが過ぎ去ることを信じて待つしかありません。


こんな猛暑の中、お庭で過ごす屋外飼育される犬の中には、犬の習性にのっとった原始的な方法で暑さ対策を試みる犬もいます。

犬の暑さ対策といえば、穴を掘ってそこに入ることです。

穴を掘る場所は家の軒下が定番です。

穴のサイズは自分サイズといったところでしょうか。

日陰に掘った穴の土部分はとても冷たく、冷気を上手く利用することができます。

先日、プライベートクラスを利用してトレッキングにきてくれた犬くんの様子を聞くと、床を覗くと犬の耳の先しか見えないほど深く掘られているとのことでした。

日中はずっと穴の中にいて、全く出てくることもないということでした。

まさに土風呂といった感じなのでしょうか。


土には他にもメリットがあります。

土は体内の毒素を吸収する力があることが、自然療法家の実践で明らかになっています。

毒素を土に排出して冷たさもキープできるなんて、最高の寝場所ですね。


現代の家のほとんどはコンクリートで固めた土台の上に家が建てられているため、軒下に土を掘ることができません。

コンクリートの軒下では暑さはしのげないばかりか逆に暑さが増してしまいます。

屋外の犬が熱中症になりやすい理由は軒下という逃げ場を失ったことも関係あるでしょう。


軒下の土を掘って過ごすなど人が犬に教えたことではありません。

犬が人の家というテリトリーを持って長い間過ごすうちに身に付いたひとつの犬の文化、つまり犬の習性なのです。

この習性もすべての犬に残っているわけではありません。

環境を上手く利用する犬の習性も失われつつあり、利用できる環境も失われつつあります。

猛暑はまだまだ続きます。

室内の犬たちにせめてエアコンは常に利用してあげてください。

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Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>環境に適応する力:犬の社会性の発達について「自然環境」VS「人工的環境」

前回のブログで、自然環境と都心空間の作られ方の違いについてお話しました。

刺激の多いと思われる都心の生活空間の方が、限られた環境の変化の少ない空間であることに触れました。

これは動物学者の小原秀雄先生の言われている「人は自分を自分で飼っている自己家畜化」だという状態なのです。

小原先生の対談の言葉を一部抜粋させていただくと、このように言われています。
「人間はある意味で家畜に似ていると思いませんか。自分で自分を飼っている。囲いをつくってほかの動物から遠ざけ、社会システムで生産された食料を食べている。自己家畜化というやつです。これがあまりにも進んでいくとどうなるか・・・。」

つまり、都心生活では動物園の檻の中に入っているのと同じような環境なのだということになります。

このテーマでいつも思い出すのがアメリカの動物行動学者のセミナーを受講したときに聴いた話です。

話のテーマは、動物園で繁殖されたオオカミと、自然環境で生まれたオオカミを動物園に連れて来た場合、動物園の中ではどちらが社会性の発達がなされるのかというものでした。

この質問を今までになんども生徒さんたちにしてきましたが、皆さん答えは同じです。

多くの人が、動物園で人工的に繁殖されたオオカミの方が、社会性が発達するはずだと自信を持って答えます。

小さいころから人が管理する環境の中に育ち、人が面倒を見るオオカミの子ですから、社会性の発達を表面的に見るならこの結論に達するでしょう。

しかしこれは逆だという話をセミナーで聴くことができました。

つまり、自然環境で生まれたあと動物園に連れて来たオオカミの方が、社会化が促進しストレス行動が少ないというものでした。

もちろん移動の時期にオオカミの一定の年齢は影響をすると思います。

幼少期に自然環境で生まれ育ち、若年層か青年層で動物園に移動してきたということになります。

みなさんの予想を裏切る答えの仕組みはどこにあるのでしょうか。

それは、社会化というのが脳をどのように発達させていくのかという仕組みにあるのです。

科学がこれだけ進んでいる時代ですから、脳の発達がどのようになされていくのかという研究は進んでいますし、一般の方でも気軽に読める本がたくさんあります。

特に子供さんの脳の発達に関する書籍は読みやすく参考になるものも多いのです。

人と犬は違うのではないかということを考慮するならば、人は大脳皮質の発達について重点を置かれることがあるが、犬は人よりも大脳皮質の割合面積が小さいために大脳辺縁系と呼ばれる原始的な脳の発達に重点が置かれるということです。

人でも原始脳と呼ばれる知覚と反応の発達がベースとしてはとても重要なはずだと思うのですが、本によってはそう述べられていないものもあり残念です。

人の発達について、冒頭に紹介した小原先生は、小さいころから虫や動物や自然環境に直接的に触れて冒険したり実験したりすることで、相手と自分の関係がわかりあえる“共存共栄”という本能的な力が身に付くととかれているほどです。

幼少期に自然環境に触れる、臭ったり動いたり口に入れたりする自然な行動をしながらテリトリーを広げて活けるようになると、脳の発達が促され自然なテリトリー形成につながっていきます。

そのテリトリーをもってこそ社会性の発達というのが進んでいくということです。

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<犬のしつけ方>環境の変化に適応するという社会性:自然環境では発達しないのか?

連休途中からお預かりクラスを利用する犬と共に、七山に戻ってまいりました。

24時間体制でエアコンが作動する福岡市の中心部から、エアコンフリーの山のふもとのこの学校へほんの1時間で到着します。

エアコンをつけず窓を開けてしっかりと布団をかぶって眠れる心地良さに、体がよみがえっていきます。

いつも不思議なのですが、七山ではお肌も少し柔らかくなるし、視力も上がるし、呼吸は明らかに深くなっていきます。

お預かりの犬くんも、心地良い山の風を受けながらお昼寝タイムもしっかりととれているようです。


エアコンで24時間管理される都心部の生活は、ある意味で環境の変化が少ないと言えます。

都会の方が刺激が強く、山の方が刺激が少ないというのが一般的な見方でしょうから、何故?と思われるかもしれません。

都心で刺激が強いのは、商業地域といわれる場所だったり、近所のコンビ二だったり、家の周囲を歩いている人や犬や電気系の乗り物が多いということでしょう。

ところが人間はやはり動物なので、ストレスとなるものを回避しようとします。

そのため、外が見えないようにカーテンをしたり防音をしたりします。そして、過酷な温度から身を守るために24時間体制で気温と湿度が一定になる快適な空間を作り出してきました。

刺激が多く環境が苛酷な都心では、生活空間は刺激をシャットアウトする工夫がされているのです。

結果として室内の空間ではほとんど環境が変化することがありません。

特に、臭いを感知することで空間の変化を読み取る犬という動物にとっては、ほとんど環境の変化の起きない空間になっています。


一方で自然環境はどうでしょう。たとえば七山では、山に上がるほど刺激が少なくなり、エアコンをつけている家も少なくなっていきます。

家はいつもオープンスタイルで風通しが良く、気温も湿度も屋外の環境と共に微妙に変化していきます。

住む人も一日を通して微妙に変化する環境に対して、窓を開けたり閉めたり、カーテンを上げたり下ろしたりして、多少なりとも快適性を引き出す努力をします。

その上で、自分の体温が一定に保たれるようにする力が働いていきます。

常に風が通るということは常に臭いが微妙に変化していき、空間の広さと環境の変化を同時に犬に伝えていきます。

犬は広い空間の中で環境の変化に適応していく力を身につけていきます。

これもひとつの社会性なのです。むしろ、社会性そのものだといえることもできます。


犬の社会性の発達が難しいのは、小さいころにたくさんの犬や人に会わせなかったからではありませんし、外を連れ回さなかったからではありません。こうした行為は逆に社会性の発達を遅らせる危険な行いです。

犬の社会性の発達が難しいのは生活空間が閉ざされている上に、行動を制限する不安定なサークルに長時間いれて置かれるからです。

さらに、変化しない狭い都心の一室で過ごしてしまうからです。

このような状態でいきなり散歩に出ても、社会性が発達するはずはないのです。

自然環境の中で生活できる人こそ、本質的に社会性の基礎が育っているというのは動物でも同じのようです。この話を次回に続けます。

ハチミツくん

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<犬のしつけ方>犬にとって良さそうで良くない“犬専用の部屋”

犬を自分の家族の一員だととらえ、愛情をもって可愛がってくださる方が本当に増えていると感じます。

ただ、その愛情の中には犬の擬人化によって起きる行き違いが生じていることも忘れてはなりません。

行き違いのひとつに、犬に専用の部屋を与えるということがあります。

子供部屋を子供に提供するような感覚で、犬もしくは犬たち専用の部屋を与えるという考え方に発展してしまうようです。

実は犬にとって犬専用の部屋を与えられそこで過ごすことは、落ち着けない生活環境になってしまうのです。


誤解を恐れずに率直に言うと、犬専用の部屋を与えるということは犬を人を分けて生活するということになります。

つまり、犬舎のようなものが室内に設置されていると考えるといいでしょう。

犬は犬だけのスペースで暮らし、人が犬を抱っこしたいときだけその部屋から出すといった風景になると、ペットショップの限られたスペースで犬だけで過ごしているのに、人が接するときには抱っこしたりリードをつけて出しているのと同じことになります。

最近ではペットショップも動物福祉の観点やディスプレイの効果を考えてでしょうが、畳数畳のスペースに犬を展示されていることがあります。

まさに、犬部屋に犬だけが入っている風景で、一般家庭の犬部屋のようだなと思うのです。


では、なぜ犬専用の部屋が犬にとって不利益なのでしょうか。

それは、空間を共有しないということは、同じ「家族=群れ」ではないということを意味しているからです。

別居といったらいいでしょうか。

時々あって、人の都合で接するけれど、あとは別居生活です。

さらに、ペットショップや集合犬舎よりも犬専用の部屋の方が乱れていることが多いのです。

そもそも犬ができるだけ自由に過ごせるようにということで与えられている犬専用の部屋です。

できるだけ自由にというのは裏を返せば、トイレの失敗してもいいのよ、家具をかじってもそんなに気にしないからね、ソファは犬のものだからご自由に汚してくださいなと、毛が多少落ちても大丈夫など、生活の気疲れを減らす人側の思惑の上になりたっています。

ということは、犬の生活環境の管理が不安定になってしまうということです。

その点、集合犬舎などでは衛生第一、安全第一と叩き込まれて犬の管理を行っています。

収容数が非常に多いので、きちんと管理していないと大変な状況になるからです。

若いころに勤めていた盲導犬育成施設は多いときでは60頭を越える程の犬が収容されていました。

管理を厳しくするのは、犬たちが安全かつ安心して生活していくための犬舎の管理規則なのです。


その点、家庭内での犬専用の部屋は、とても不安定な状態になっています。

犬を愛するという気持ちでやっていることが、実は犬を窮地に追いやることになっているかもしれません。

犬と家族でいたいなら、まず空間を共有して人が生活をするスペースの中で共に暮らせるようなしつけをやっていきましょう。

ハロ1

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