猛暑で平野部の犬たちがグッタリしているのではないかと心配しています。
室内飼育の犬はエアコンのきいた部屋で床に寝そべっている姿をみます。
エアコンも犬の体調を崩してしまうので、必要な道具とはいえ犬は元気とはいえません。
普段はエアコンで涼しげな部屋も、飼い主の外出時や就寝時にはエアコンを切ってしまうケースもあるようで、室内飼育でも暑さと戦う犬もいます。
散歩にはなかなか出られないし、ひたすらこの暑さが過ぎ去ることを信じて待つしかありません。
こんな猛暑の中、お庭で過ごす屋外飼育される犬の中には、犬の習性にのっとった原始的な方法で暑さ対策を試みる犬もいます。
犬の暑さ対策といえば、穴を掘ってそこに入ることです。
穴を掘る場所は家の軒下が定番です。
穴のサイズは自分サイズといったところでしょうか。
日陰に掘った穴の土部分はとても冷たく、冷気を上手く利用することができます。
先日、プライベートクラスを利用してトレッキングにきてくれた犬くんの様子を聞くと、床を覗くと犬の耳の先しか見えないほど深く掘られているとのことでした。
日中はずっと穴の中にいて、全く出てくることもないということでした。
まさに土風呂といった感じなのでしょうか。
土には他にもメリットがあります。
土は体内の毒素を吸収する力があることが、自然療法家の実践で明らかになっています。
毒素を土に排出して冷たさもキープできるなんて、最高の寝場所ですね。
現代の家のほとんどはコンクリートで固めた土台の上に家が建てられているため、軒下に土を掘ることができません。
コンクリートの軒下では暑さはしのげないばかりか逆に暑さが増してしまいます。
屋外の犬が熱中症になりやすい理由は軒下という逃げ場を失ったことも関係あるでしょう。
軒下の土を掘って過ごすなど人が犬に教えたことではありません。
犬が人の家というテリトリーを持って長い間過ごすうちに身に付いたひとつの犬の文化、つまり犬の習性なのです。
この習性もすべての犬に残っているわけではありません。
環境を上手く利用する犬の習性も失われつつあり、利用できる環境も失われつつあります。
猛暑はまだまだ続きます。
室内の犬たちにせめてエアコンは常に利用してあげてください。