グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<日々のこと>秋になったら犬は何をしたいのだろう

盆が明けたので、七山は暦通りに一気に秋になりました。

夜になると庭で鳴く昆虫たちの出す声もまさに秋の虫たち。

風は冷たく窓を開けて過ごすこともできないほどの涼しさです。

福岡でも郊外地域にお住いのご家庭では秋の気配を感じられるようで、犬の行動も少しずつ変化してきました。


季節が良くなったら、犬がやりたいこととはやっぱり「お外遊び」。

リードに拘束されずに安全、安心して遊べる庭遊びが一番です。

もえちゃんりえちゃんお庭遊び
お庭がなぜいいのかというと、自分の大切なテリトリーである空間にいつでも戻れる空間で自由遊びができるからです。


自分が子供のころには、犬は庭で遊んでいるのは普通の風景でした。

犬は外でつなぎ飼いが多くなり始めた昭和の時代でしたが、家族の価値観なのでしょうが犬は室内を庭を自由に行き来していました。

縁側から石を踏んで勝手に室内に入ってくるし脚を拭いたこともありません。

入り口に脚ふきようのマットが置いてあったくらいでしょうか。

夏の間は蚊などの虫も多いので網戸になっているしペットドアもありません。

秋になって縁側の戸口が解放されると、安心したようにいつも庭で散策をしている犬の姿を見るのが日常のことでした。


最近では、庭に出るたびに犬の脚を拭かなければいけないので庭に出したくないとか、汚れるのが嫌だという理由で庭に犬を出してあげない価値観というのも増えているようです。

犬の毛質が飾り毛となり汚れやすく汚れが取れにくくなっているからかもしれません。

白い飾り毛は土で汚れるとなかなか土の色が取れないのは実際にあることです。

犬の気持ちになって考えると、どうでしょうか。

庭があるのに庭で自由に遊べることもできないなんて、ご馳走を前にずっと食べられない状態でいるのと同じことです。

夏の暑さで行動が制限されていた動物が、涼しくなって自由に散策を楽しみたいと思うのは自然な欲求ではないでしょうか。


庭のないマンションや庭のない家に住んでいる犬たちには、知人のお庭を借りましょう。

その際には、犬を飼っていないご家庭で少し田舎の地域にあって、土が柔らかく風のとおる庭でしたらベストです。

庭がないからといってドッグランに連れて行けばいいのかというとそんな問題ではないのです。

犬は土や草や風の臭いを嗅いで、安心を獲得していく社会化の過程を勧めます。

ところが、日本のような小さなドッグランでは犬たちのマーキング争いの排泄臭を嗅ぎ続けることになります。

犬の脳がどのように反応するのか考えてみましょう。


海外の最高のドッグパークというと、莫大な土地を囲んだ自然公園のようなものです。

国立公園の中を歩いているので、他人や犬に会うことも少なくあったとしてもとても遠くに見える程度で危険を感じられるような状態にはなりません。

囲いを作ってリードを外すという単純な発想から、庭の代わりにドッグランという発想は少し考えが浅いと思います。

田舎に実家のある方は、いくらでも過ごし方や遊び方を発展させられます。

秋になったら犬には散策行動を、庭がない犬は借り庭を準備、それもできなければ犬と一緒に山を散策しましょう。

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<犬のこと>暑い夏、ひなたぼっこで体調を整える犬たち

8月に入ると体調を崩し、下痢や嘔吐をしている犬たちが増えてきます。

毎年この時期に入ると決まって下痢嘔吐を始めます。

多くは暑い都心で夏の間エアコン生活をせざるを得なかった犬たちです。

ところが、同じエアコン生活でも上手く乗り切る犬たちもいます。

エアコンで疲れた体を取り戻すために行っているのではないかと思われる行動を夏の間しています。

それが、暑さの中のひなたぼっこです。


ひなたぼっこといえば、冬に冷えた体を温めるために春に太陽を求めて犬がやっているのは自然な風景です。

ところが、この暑い夏の日にハアハアいいながら日向に出て行く犬を見ると「熱中症で倒れているのではないか」と思われてしまうのも無理のないことです。

この暑いのにあんなに太陽に当たって大丈夫なのだろうかと不思議に思います。

でもいろんな犬たちを観察していくと、夏の日に上手にひなたぼっこして体調を整えている犬たちは下痢や嘔吐をせずに夏を乗り切っている姿をなんども見てきました。

科学的には証明できないのですが、理にかなった行動だなと関心します。

ひなたぼっこは生活環境が整わないとできませんし、暑いだろうと犬を室内に入れてしまうと犬にはそのチャンスもありません。

飼い主さんが心配するのも当然なのですが、犬の全体的な行動を見ながら、犬が自分にとって必要なことをやっているのであればそれを尊重したいものです。

とはいえ、必要なのか間違っているのか犬をどこまで信じていいのか、その判断が難しいのだというのが飼い主側の悩むところです。

お互いの信頼というのは一気に獲得できるものでもありません。

日々、犬が犬らしく生きる機会を得られるように、飼い主としてできる努力を重ねるしかありません。

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<クラス>お預かりクラス:庭で自然学習する子犬が学ぶこと

お盆にお預かりクラスで七山にお泊まりしてくれた犬ちゃんの中には、まだ1才に満たない若い犬もいます。

普段は都心部のマンション住まいの犬ちゃんにとって、庭で過ごす経験は特別のもののようです。

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庭といっても七山校の場合には、きちんと手をいれたような庭ではありません。

囲んだ庭は小さいですが、土はすごく柔らかく常に雑草が生えてきてような環境です。

やわらかい土の感触、雑草の臭いなど、子犬の脳にとっては格別安心を与える臭いでしょう。


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子犬が庭で遊んでいるのを見ると、その好奇心の高さと反応の強さ、そして順応性の高さにも関心してしまいます。

成犬になったら見向きもしなくなるような小さな虫にも反応し、調べたり飛んだり下がったりと、小さなバッタひとつでこんなに行動が展開されるのだろうかとおかしくなります。

こうやって昆虫と戯れていることは、とても大切な社会化の時間になります。

科学者や研究者の中には、小さなころに虫追いや虫取りをして遊んだ経験を持つ方が多いということを、以前本で読んだことがあります。

なぜ、虫取りをしている少年が科学者として成功するのかということを今思い出せないのですが、人生の中での貴重な経験として推薦されていたことだけを覚えています。

というのも、子犬にとって小さな庭であれ命あるものと対話して行動するこの時間が、社会性を発達させるのにとても大切な作業だと思えるからです。

社会性が未熟だったり未発達で成犬になってしまった犬の中には、昆虫の動きにビクリとするような反応を示す犬がいます。

もしくは、成犬になっても昆虫追いが止まらなく執着行動としてしつように追いのを止められないような行動をする犬を見ることがあります。

これらの行動は、成犬の遊びと受け取られていますが、私は疑問視しています。

子犬は昆虫を追いますが、視線の中から消えてしまうと臭って多少探し、それでもいないとなると追うのを止めてしまいます。

環境に応じて必要な行動をする、また行動をとめることも社会性の発達です。

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少なくとも生後10ヶを迎える前までは、自然学習ができる場を子犬に提供してあげて欲しいものです。

社会化とは、たくさんの刺激にさらすことではないこと。

何故なの?と疑問を抱いたら考えるチャンスです。

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<日々のこと>お盆が過ぎ秋が近付く山にいて、犬を見ながら思うこと

お盆という習慣は不思議と体に身に付いているものです。

小さい頃からの家庭内の行事は、思考や感情にも影響を与えるからでしょうか。

お盆は決まって都心と田舎を結ぶ道路が大渋滞になるのが恒例ですが、それだけ日本人の身に付いた習慣だともいえます。

お盆になると身近な家族が寄り集まって旅立った人を懐かしく思い出しながら、今自分が生きていることを不思議に思ったりします。


そういえば、犬を亡くした方が犬の死後にこんなことを言われたことがありました。

今まで身近な家族がなくなったことがないのでお盆になっても何も思わなかったけど、これからはお盆になると犬のことを思い出すようになるのだろう。


本当にそうですね。

お盆になると亡くなった家族が身近に戻ってくるような気持ちになってしまいます。

亡くなった犬たちを思う気持ちも、お盆になると特に強くなります。

亡くなった犬がお盆に戻ってきてまたあの世に帰っていく、それがあまり現実的でないとしても自分の心の中に起きていることは否定できません。

旅立ってしまった犬のことを思い出すことは時が浅いときには辛いこともありますが、お盆を迎えるたびに何故か気持ちが落ち着いてくるようにも思えるのです。

はっきりとは言えないのですが、あれは永遠の別れではなかった、いつでも思い出すこの心にいっしょに過ごした犬たちがいるという感覚になれるからかもしれません。

同時に、亡くなった家族や犬たちがいつも見ているから恥ずかしい生き方はできないなと生きているものとしては気持ちが引き締まります。

そんな盆を越えたので、猛暑との戦いもうひとがんばり、ほどほどにがんばります。

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Posted in 日々のこと

<クラス>お盆休みのお預かりクラス

お盆休みをゆっくりと過ごされたでしょうか。

お盆休みで飼い主さんが帰省や外出時のヘルプとしてつくった「グッドボーイハートのお預かりクラス」を利用して犬ちゃんたちが七山までお泊まりにやってきました。

今回「はじめてのお泊まり」を経験する犬ちゃんたちもいて、飼い主さんとしてもドキドキの経験になったようです。

グッドボーイハートのお預かり(いわゆるドッグホテル)にクラスという名称をつけているので、犬の預かり訓練と間違えて問い合わせを受けることもあります。

お預かりクラスは一般的な預かり訓練とは違いますが、クラスとしてちゃんと勉強の素材が入っています。

犬の預かり時に犬のする行動を観察評価してお伝えしています。

観察して得られた行動の中には、改善を必要とするもの、評価の高いもの、など様々です。

犬を預かると普段飼い主さんがどのように接していらっしゃるのかを推測することができます。

自宅ではゴハンの際に猛烈に要求する犬ちゃんが、預かるとゴハンを食べなくなってしまうという現象も珍しくはありません。

犬の管理は日常と同じように、むしろ安全にするために厳しく管理しています。

同時に、七山といった自然環境の中ですから、お庭遊びや山歩きなど普段とは異なる環境で学習できる要素も高めています。

むしろ、この自然の臭いを嗅ぎ続ける経験自体が、犬にとっては貴重な大変に他ならないのです。

預かりの期間が短い間は猫をかぶったように大人しい犬たちですが、預かり期間長くなると警戒心がとけ、次第に犬の行動は変化し始めます。

馴れがでてきて、普段飼い主さんに行っているコミュニケーションを展開したりします。

逆に、環境にも馴れが生じるため、最初はビクビクとしていた音に次第に反応しなくなる社会化といった現象も生じてきます。


七山は特別な環境です。

また犬を管理する側の私も、一般的な飼い主さんとは違います。

そのことを一番よく知っているのは犬たちの方です。

何がどのように変化したのか、自宅に戻って何か行動が変わるのか、そういった報告をレッスン時に伺うことも楽しみのひとつです。

犬が家にいないという飼い主側の寂しさから、いつも以上に甘やかしが出てしまう危険性も含んでいます。

犬の成長は飼い主さん次第であることは、一貫して変わりません。

お預かりクラスはグッドボーイハートの生徒さん特権です。

最低条件を速やかにクリアして、ぜひトライしてみてください。

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<おすすめのアイテム>グッドボーイハートおすすめのLLビーンの犬用ベッド、完売でも裏技で乗り切る!

犬たちの大切な室内のスペースになるドッグベッド。

グッドボーイハートのおすすめのアイテムでもご紹介していて、ブログの写真にもなんども登場しているのがアメリカのアウトドアメーカーのLLビーンの犬用ベッドです。

過去にご紹介したブログ記事はこちらからどうぞ

グッドボーイハートお勧めグッズ:犬用ベッド編
そんなに安い商品ではないのですが、力説しておすすめしているからか生徒さんたちは理解を示して購入してくださっています。

もちろん、犬たちはこのLLビーンのベッドがお気に入りです。

ところが、最近LLビーンの犬用ベッドのスモールサイズは完売状態が続いています。

犬のために快適なベッドが今すぐに欲しい、でもLLビーンのベッドに変わるものをおすすめできないと悩んでいました。

ところが、このLLビーンのスモールサイズを裏技で購入できた生徒さんがいて、早速そのご家庭の犬ちゃんは快適なベッドで居場所を獲得していました。

こちらがその写真です。

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犬ちゃんの使っているベッドは、LLビーンの正当なお品ですが、実はスモールサイズは売り切れだったとのことです。

それで飼い主さんは、ある技を使われました。

このお写真のベッドですが、購入されたのは以下の2点とのことでした。

LLビーンのスモールサイズベッドのカバー

上記のカバーにあう底のインサート

以上です。

不足しているものは、カウチの部分になる細長い綿部です。

こちらは欠品していたらしいのですが、100円ショップで詰められる素材のクッションを購入されてきっちりと詰めてありました。

しかもこちらの方がお徳ではありませんか。

不足部分もまた入荷があるでしょうから、そのときに追加購入すれば完璧です。

飼い主さんの柔軟な発想で、犬ちゃんは室内に快適な場所を得られました。

早速、他の生徒さんたちにも「こんな裏技があるらしですよ。」とご紹介しています。

リビングの犬用ベッドは犬にとってとても長い時間を過ごす大切な場所です。

安いベッドを何ども買いなおすようなことにならないよう、最適なベッドを探してあげましょう。

ちなみに、スモールサイズを使っている犬たちは、プードルちゃん、チワワちゃん、マルチーズちゃん、ヨークシャテリアちゃん、ダックスちゃんたちなどです。

ミディアムサイズはビックリするほど大きいですが、7キロ以上ある犬ちゃんにはミディアムの方がいいかもしれません。

ご自宅のお部屋のサイズに合わせて、少しゆったりめのサイズを選んであげてください。

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<クラス>子供たちと犬の関わりについて:子供の自分と犬を飼い始めた思い出について

夏休みで子供たちの話がつづきましたので三連発で、今日も子供と犬の話題にします。

もちろん、今からお話しすることは大人の飼い主にとっての内容です。


子供と犬がどのように関わるのかということについて考えるとき、自分の子供時代はどうやって犬と関わってきたのかを思い出します。

私が家庭で犬を飼うようになったのは、小学校2年生の秋からでした。

飼うようになったというよりは、自分が東京から福岡に引っ越してきたのがこの時期だったのです。

引っ越してきた自分の家は一時的に親戚の方に貸してあったようで、すでにその家に成犬がいました。

家に犬がいる状態で私達家族が家に入ったことになるのです。つまり犬が先に家にいたという不思議な感じですね。


その成犬ですが、名前はシロというスピッツの混在する中型のミックス犬でした。

亡くなった年齢から逆算すると5才くらいではなかったかなと思います。

昔ながらの飼い方で、いわゆる勝手口の入ったところに係留されて飼われていました。


自分は小学校2年生ですから好奇心の塊です。他の子供たちと同じように動物には関心が高かったのと、東京ではマンションだったので当時犬を飼っているような家庭が近くにありませんでした。

犬とかかわりたくて仕方ないのですが、思い出せば自分の腰よりも高いくらいのサイズの犬なので、少し怖いという気持ちもあったと思います。

母からは、母の居ないときにシロに近付いてきてはいけない、ゴハンを与えているときには絶対に手を出してはいけないというルールを課せられました。

遠巻きにシロをじっと見ていたり、母がシロの散歩に行くときにいっしょについていくことが楽しく、毎日散歩に出かけました。

散歩中もリードを持たせてもらうことはありませんでした。

価値観もあるのでしょうが、私達がシロと暮らすようになるまでシロは全く散歩には連れていってもらっていなかったようです。

母が少しずつシロをなつかせながら、散歩に出られるようになり、散歩の最中も母に対するシロの態度が少しずつ変化してくるのを本当に不思議なことが起きているという気持ちで見守っていました。

今思えば、動物に気安く近付いてはいけないこと、遠くからちゃんと観察していなければいけないこと、抱き上げたり抱きしめたり撫でたりする必要もなく、犬という動物を尊重することを最初に教えてくれのは母でした。

シロはその後、係留(つなぎ飼い)から解放されました。

母が犬走りといわれる勝手口から台所までのスペースをシロに解放したため、シロは裏庭で穴を掘って休んだり、母が呼ぶと走ってやってきたりしていました。

私は一度もシロに飛び付かれたことがありません。

しかし同時に、シロにオヤツをあげたりした記憶もありません。

シロは勝手口側に人がくるとワンワンと知らせましたが、玄関側に人がきたときには吠えることはありませんでした。

シロの残したご飯をいつもスズメが食べていたのを懐かしく思い出しました。


昭和の話ですから、あれからうん十年が過ぎました。

自分が家庭犬インストラクターになると、「犬が子供に抱っこされたがらないんです。」「犬が子供に頭をなでさせないんです。」という質問をよく受けるようになりました。

親の方が、子供たちに対して犬を抱っこさせたいとか、犬を触らせたいとか、リードを持たせたいとか思われるのはなぜでしょうか。

犬との関わり方、犬を尊重する接し方、犬という動物と距離を置いて接する大切さを大人が知らないからではないかと思っています。

犬の幸せは抱っこされたり撫でられたりすることではないと思います。

犬にとっての幸せは、家族と安心してリラックスして毎日の生活を楽しみ、自然と親しみ、犬という動物の習性をきちんと発揮できることだと思うのです。


感受性の高いあの年齢に、母とシロの関係をつくる過程をそばで見ていた経験が、今の自分につながっています。

大人のみなさんの価値観や動物との関わり方が、子供たちの将来の犬との関係に強く影響していることを知っていただければ幸いです。

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<クラス>夏休みだから、子供といっしょにドッグトレーニング:犬との接し方を子供に教えてほしい理由

夏休み中盤に入りました。

お盆休みになると「孫たちが帰ってくるのでその日にあわせてレッスンしていただけませんか?」と予約を頂きます。

子供たちが犬とどのように過ごせばいいのかがわからない。

犬が子供に対してとびつきや甘噛みをするにどう対応したらいいのかわからない。

こうした疑問や不安を解消されたいということですから、プライベートの訪問トレーニングクラスを受講されている生徒さん宅では対応させていただきます。


子供といっても年齢は様々ですが、犬にかかわりたい、犬と遊びたいという年齢は幼稚園生から小学生くらいまでが多いようです。

この年齢の子供たちは好奇心旺盛なので、見たい、知りたい、触りたい欲求が高く犬への関心が大変高いようです。

関心が高いということはすばらしいことなのですが、動物との接し方を正しく伝えていないと、惨事を招くことになります。

惨事とは、犬が将来的に子供や大人にまで咬みつくようになったり、子供を見たり声を聞いただけで吠えたり興奮したりするようになることです。

ただ、子供たちが犬といっしょに遊んでいただけといわれることが多いのですが、その接し方はただ子供の好奇心を満たすだけの一方的なもので、犬にとっては虐待に相当するような扱いまで含まれてしまいます。

虐待というと犬を叩いたり投げたりすることのように思われるかもしれませんが、そうではありません。

例えば、子供たちがお友達とたらいまわしに抱っこして回ったり、立ったり寝ているところを急に抱え上げたり、不安定な状態で抱っこしてつれまわしたり、前脚だけを持った状態で持ち上げたりすることも、犬の側からしてみれば恐怖を抱く行動になります。

他にも、大声を出して追い掛け回したりすることもそうです。

子供は喜んで犬を追い回すため、見ている大人(親)は、子供と犬が楽しげに遊んでいると思うかもしれません。

子供の追いかけに対して、犬は逃げ回ったりとびついたり、場合によっては腹部を見せるような行動をするでしょう。

逃げ回りは逃走行動、とびつきは闘争行動、服部を見せる行動は降参行動で緊張状態にある行動です。

子供に対して恐怖を抱える犬もしくは子犬を笑ってみている大人に対する信頼もなくなってしまいます。

好奇心の強い子供には、特に距離を置いて犬という動物と接するように教える必要があります。

犬の行動のひとつひとつの意味を伝えてあげる必要もあります。

子供に犬を抱っこさせてはいけません。

子供にリードを持たせてはいけません。

小学生未満の子供さんに犬の管理を任せてはいけません、それは大人の仕事であり、子供が中学生になったらお願いするようなことなのです。

また、犬の方が子供に興奮するような状態であれば、ルールを持って接することができるよう、犬そのものをしつける必要があります。

この犬のしつけがある程度進むまでは、子供に会わせることはできません。

犬が子供にとびついたり吠えたり、ひどい場合にはマウンティングや甘噛み行動をすると、子供は犬のことを怖がるようになります。

犬は弱い動物を脅すことを覚えてしまいます。

小さな子供は大人とは違う匂いを出しているのです。

どんな犬も、子供という動物が大人という動物とは少し異なることを知っています。

犬が室内で生活のルールに従って安定した行動を見せるようになったら、子供といっしょにできるゲームを考えたり、オモチャ遊びを提案して親もいっしょにやってみましょう。

クラスの中では、子供さんとの過ごし方や、遊び方も提案しています。

実際に子供たちといっしょに犬を遊んでみたり、やってはいけないことをお話ししたりすることもあります。

特に、帰省などで一時的にきている子供たちは、犬にとっては来客と同じです。

犬と子供たちだけにしないように、必ず大人が安全を見守ってください。

子供の皮膚は柔らかく、興奮した犬の牙があたればすぐに破けてひどい怪我につながります。

飼い主である大人の知識不足や管理不足で子供たちと犬を、身体的にも精神的にも傷つけず、良い夏休みの思い出になるように配慮をお願いします。

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<日々のこと>秋がすぐそこに来ていること

昨日、立秋を迎え七山では秋の気配が満載になってまいりました。

福岡では夏の日照りが強くこれがいつまで続くのかと思うと気力も体力も限界といったところですが、七山に入ったとたん秋がすぐそこまできているのを感じて気持ちも復活します。

この国は4つの季節がめぐることで、気分のバランスをうまく保てるような気がしています。

春になって少し浮かれると、夏が来て戦いを強いられる。

夏になってもうダメかと思ったときに、秋がやって来て救われた気持ちになる。

秋が心地良いと遊びに浮かれていると、冬がついにやってきて勘弁して欲しいと思う。

丸まっているうちに春が再びやってきて、また屋外に飛び出していく。


こんな季節の巡りもいつまで続くのかわかりません。

長い地球の歴史からみれば、自分の生きている数十年は点にも及ばないほどの小さな時間です。

地球からみればゆっくりと移り変わっていくだけの環境の変化の中で、自分たちは適応性を身につけるしかありません。

環境によって自分を変えてきた、それが生物の進化なのだと尊敬する自然科学者の先生方やおっしゃいます。

ところが人間は、自分を変えずに自分の動ける範囲内だけは一定の温度にしておこうと知恵を使って人工的な空間を作り続けてきましたし、またこれからもそうしていくでしょう。

人は動物としては進化することをある程度は止めてしまった動物だから、ここからは環境と人工的な力との戦いなのかと思います。

ところが人間もやっぱり自然の一つに過ぎないので、自然を感じると安らいだり気持ちが緩んだり心地良かったりしてしまうため、自然を切り離すことができないのです。

切り離せない自然のひとつとして人のそばにいることを望まれているのが犬や猫といった自然とつながる動物達です。

その犬も人工的な思惑で随分と変わってしまいました。

環境によって変わったのは間違いありませんが、人が作った人工的な環境によって変わったのです。

犬が自然に近い動物として人と自然を結んでくれていたことも、もうすぐ終わってしまうのかと思うと本当に悲しくなってしまいます。

今ならまだ間に合うかもしれない。

だから、犬といっしょに山を歩きましょう。

人も自然という環境が作り上げた生物たちの一員であってこそ、犬とのつながりも深くなれると思うのです。

都会の残暑でめげそうになったら、犬といっしょに七山にお出かけください。

山は季節の移り変わりが早いといわれますが、これがこの国の自然な季節の流れではないでしょうか。

そろそろ稲穂が実をつけはじめ、もうひと月もたたないうちに新米の収穫が始まります。

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<日々のこと>思い込みがない子供目線で見えてくる世界:とりあえず犬を観察しよう!

家庭訪問形式のトレーニングクラスのために、福岡県から佐賀県近郊を車で移動する距離がかなり伸びています。

車の移動や眠気との戦いでもあります。

そんな眠気を吹き飛ばしてくれる夏休みならではのラジオ番組があります。

ほとんど毎日、苦笑&関心しながらハンドルを握って聴いています。

そのラジオ番組とは「夏休み子供かがく電話相談室」という番組です。

NHKのラジオ放送で「子供かがく電話相談室」としてやっているものを、夏休みバージョンとして長い時間放送されています。

質問に答えて下さる先生方もいつもよりメンバーが多く、動物、心、植物、宇宙などについて幼稚園生から小学生の子供たちの質問に答えてくれます。


子供の質問の内容に、まず驚かさせれています。

質問に応える先生方も、大人の常識を覆す質問に度肝を抜かれながらも、そんな見方もあるのかと関心しきりな様子です。

いくつもの楽しい質問がありましたが、たとえばこんなものがありました。

質問は、蝶に近付くと逃げてしまうのは何故ですか?というものでした。

人の気配を察して逃げてしまうということのようですが、なぜ人が近付いてくるのがわかるのかという質問だったのです。

科学的には蝶の知覚の構造や機能にまで広がる話なのでしょうが、人が近付くと逃げてしまうのは当たり前だと思う昆虫に対して、なぜ逃げてしまうのだろうという視点がとても大切なのです。

この質問を担当した講師の先生は、質問者の子供に対してこんなことを言いました。

蝶はどんな形をしていたの?蝶は何を見ているようだった?
蝶はどうやって周りを感じているのだろう?

そんな質問をされていました。
そして、結局のところ「今度は近くにいったら蝶に触らずによく観察してみるといいですよ。」というアドバイスをされました。

いくつもの答えが想定される質問だからこそ、これを機会に「蝶を観察する」ことの大切さを伝えられているのだと思い聴いていました。

専門家なので、難しい理論を繰り広げれば質問の答えはいくつも出せるのかもしれませんが、まだ答えが発展する可能性のあるのですから、子供の方に観察して持論を展開するチャンスを与えるというのはさすがなことです。

この蝶の質問に限らず、講師の先生方は「もう少し観察してみよう」とか「これは調べてみようか」といって、子供の興味や関心を終わりにさせないのです。

子供たちの質問はあることに特定の興味や関心を抱いたからこそ出たものであって、まずはその興味や関心が持続することが子供たちにとっての利益です。

次に、子供の興味が、命あるものを無駄に傷つけずに配慮して行われるべきものであることも同じように大切なことなのです。

犬の質問もありました。

「わたしの犬はお散歩のときにオシッコをしたあとに地面の砂をかけるように脚をけります。なぜそんなことをするのですか?」

みなさんの犬の中にも同じことをする犬がいると思います。

大人になるとこんな行動をしているのを見ても「なぜなの?」と思わなくなります。

子供のように素直に疑問に思わなくなってしまうのは、どこかで答えを出してしまって解決済みになっているとか、疑問を抱くと不安になるのでなんでも知ったふりをしてしまう大人癖がついているからかもしれません。

犬を前にした子供が、なぜ犬はとびついてくるの?と尋ねたら、みなさんはなんと応えるのでしょうか?

なぜ犬はとびつくの?と質問できないのはなぜなのでしょうか?


長く犬に関わる仕事をしている自分も常に言い聞かせていることがあります。

どんな犬の行動も、そうだと思うと同時に、本当にそうなのだろうかという疑問を常に忘れないようにすることです。

分からないことを長く抱えておくことは、人にとってのストレスになります。

ですが、長くこうした仕事をしていると時間がかからないと明確にならないこともあることが逆によくわかるようになります。

絶対だと思ったことがあとで覆されることも、よく経験することです。

だからいつでも子供たちの脳のように、新鮮な気持ちで犬という動物に向き合えるようにしていたいのです。

それにしても、まだボキャブラリーの少ない子供たちを相手に説明をする専門家の先生方の悪戦苦闘ぶりは楽しいものがあります。

眠気覚ましにはもってこいの楽しい番組です。

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