預かり犬さんたちのお世話に七山の学校周辺の草刈りに挑みました。
毎年のことながらため息しかでないこの戦いですが、見て見ぬふりができないのが自然の猛威です。
やる気を絞り出して取り掛かった草刈り中に素敵なものを見つけました。
小鳥の巣です。
低木のつつじに絡まった葛を処理しているときに見つけました。
巣立ちの後なので巣はもぬけの殻です。
それで失敬して取り出してまじまじと見ることができました。
作りがすごいのです。
巣の中面、外面の上側、底部分と部位によって使われているパーツが異なります。
シュロの繊維だったり草の根っこだったりカヤだったりします。
こんなものを見事に作り上げる技術は親からならったのではなく、その小鳥の中から引き出されているのです。
これを本能といいます。
動物が本来持っている能力で本能が動物が適切な環境で生きる中で、生きていくために必要なため自然に引き出され使われる能力です。
小鳥は巣をつくって「さすがに自分は特別にすごい」と思ったりはしないでしょう。
巣をつくって繁殖をする小鳥であればどの小鳥でも持っている能力なので、努力しなくても身についていますし練習も必要ありません。
本能というのを人は少し恐れていないでしょうか。
たとえば犬が本能的な行動をしたときに犬をバカにしたり笑いものにしたり嫌悪感を示したことはないでしょうか。
人に比べて犬は下等な動物として扱われがちが、その理由は第一が理解不足、第二が本能的な機能を発揮する動物だからです。
犬は家畜化された動物で、国内では法律上も人の管理下にありますので、扱いが人によって制限されてしまうは当たり前のことです。
世話を放棄するネグレクト的な扱いはもとより、犬をかわいがる行為や犬の行動を面白がる人側に犬の本能的な部分を阻止してしまっていることもあります。
犬は本来の犬から近親繁殖を重ねた純血種犬に向かうにつれて、その大切な犬としての本能を欠落させてきました。
本能を発揮して輝くことが動物の本領なのに、引き出しの奥にしまわれた本能は生涯使われることがないこともあります。
うちの犬はどうなんだろうと思われたら、次のことを観察してみてください。
自虐行動、常同行動が日常的に多発している犬は、欲求が抑えられ本能的な行動が封印されている可能性があります。
激しい咬みつきなどの過剰な攻撃性や走り出す逃走行動についても同じです。
本能的な行動は欲望とは違います。
人の恐ろしい欲望と比較すると犬の欲求は大変シンプルですが、ストレスがかかると犬というシンプルな動物も特定のものに執着します。
犬の素敵な本能を感動していただくために、今一度生活環境を見直してみるのも良いでしょう。