なぜ犬につなぐ引き紐のことをリードというのか?
犬と散歩するときに使う紐(ひも)のことを「リード」と呼ぶのをご存知でしょうか?
犬のレッスンのときに「リードをお持ちですか?」と尋ねると、わかる飼い主と分からない飼い主がいます。
「リード???」となったときには
「散歩のときに使う紐ですがお持ちですか?」と言い換えます。
そうすると「あー、あの紐のことですね。」といって本当に紐のようなリードを持ってこられます。
世代によっても分かれるようで、年配の方になるとほとんどの方が引き紐という方が通じます。
なぜ日本では引き紐といわれている犬につける“ひも”が“リード”と言われているのかをご存知でしょうか?
和製英語のリードですが、そもそもはリーシュという英語からきています。
リーシュは紐という意味でリーシュコードというのが正式につなぐ紐という意味です。
リーシュコードがリードと聞き取られてそうなったのかもしれません。
犬のリードは紐以上の意味を持つ
犬の散歩用の紐はリーシュからきていて、海外のペットコーナーでもリードではなくリーシュといわないと通じません。
でもリードという言い方はとても都合が良いものです。
リードといえばリーシュよりもリーダーするのリードを想像させてくれます。
犬にリードをつけて歩くというと、紐をつけて歩くという表現よりも、犬をリードしながら歩くのだと意識づけてくれることもできます。
犬に紐をつけて歩くというと、犬の紐をもったまま犬の後ろをついて歩く人の姿を想像してしまいます。
犬にリードをつけて歩くというと、犬の前を人が歩く姿を想像しませんか
この後者の歩き方が犬を落ち着かせることのできる犬の散歩の姿なので、積極的に犬のリードという言葉を使っていただきたいと思います。
散歩のときに犬にリードをつける意味
散歩のときに犬にリードをつけて歩くのは犬が逃げてしまうのを防止するためではありません。
犬と安全に散歩という社会的な活動を行うために、犬をリードしながら散歩をするための道具が犬のリードです。
犬が安心して安全に飼い主といっしょに散歩に行くというのは犬にとって大切な活動です。
犬を安心させるためにリードが必要であり、そのことで結果として犬と人は安全に散歩をすることができます。
特に都会の散歩となると刺激の多い空間を縫うように歩いていかなければいけないこともあります。
危険な横断歩道を渡ったり、自転車がわきを通行したり、車も人の横を通ることもあります。
急に猫が飛び出してきたり、子どもが走ってきたり、他の犬とすれ違ったりと、犬にとっては興奮する出来事がたくさんおきます。
犬がリードを通して人の動きを知り、人に沿うように歩くようになれば犬にリードの意味を伝えることに成功しています。
でも犬がリードに反発したり、リードをひっぱったり、リードを噛んだり、地面に寝転がったり、後ずさったりするような行動をするときには、犬はリードを持っている人に従うことに抵抗を示しています。
人はこの姿を見て「リードという紐」が嫌なのだと誤解します。
真実は違います。
犬が嫌がっているのは「リードを持っている人に従う」ことなのです。
犬はなぜリードを持っている人に従わないのか
なぜ犬はリードを持っている自分に対して従ってくれないのだろうか。
犬が悪いのでしょうか?
いえ犬は決して悪くありません。
犬は正直に目の前に起きていることに正しく反応しているだけです。
だから犬に対してカッとなったり怒ったりするのは止めましょう。
飼い主としてもうひとつランクアップすれば、犬は人と共に軽やかにリードをつけて歩いてくれます。
その日が来るのは明後日かもしれないし、一年後かもしれません。
どちらにしても楽しみです。
小手先のごほうびはもう使わずに、飼い主として真剣勝負で挑みましょう。
犬もきっと真剣に向き合ってくれるはずです!
犬のリード歩行は大切なトレーニング