ダニ除けどうしたいいですか?
春になってこんなご相談が増えてきました。
「最近ダニがよくついてくる」と悩むもうひとつの理由は、この季節はフィラリア予防薬を投薬していない期間だからかもしれません。
フィラリア予防薬も進化して種類も増えているようで、現時点ではノミやダニなどの外部寄生虫の予防も兼ねるような薬になっています。
そのため、フィラリア予防薬を投薬する期間、福岡県や佐賀県ではおそらく4月から12月までの期間はノミやダニが犬につくことはありません。
ところがこの3月という時期はダニが出てきているのにフィラリア予防薬を投薬していないということで、犬の体にダニがついているのを発見されるようです。
ダニ対策として考えられる方法とは
実際のところできるのは二つの観点からとなります。
・西洋医学的防御
・東洋医学的防除
西洋医学的防御については、ダニ除けのための薬を投薬することです。
以前は体に塗ったりスプレーするものが主流でしたが、現在では飲み薬が多くなっています。
副作用の低い飲み薬が出てきたからでしょうが、また飲み薬の方が確実です。
人のマダニによる感染症による死亡例が報告されるようになってからは、犬につくマダニに対しても危険性を感じられるようになったこともダニ除け予防薬の常用の機会を拡大させたものと思います。
犬の免疫力でダニを防御できるのか?
一方で東洋医学的防御の方法については、やはりハーブやサプリメントなどで免疫力を上げて犬の防御機能を高めるという方法になります。
免疫力と一言にいっても、サプリメントだけで免疫力が高くなるわけではありません。
食事を手作りごはんにしたから大丈夫ということでもありません。
体全体と体を取り巻く環境をひとつとみる東洋医学的な考え方では、犬の個体の体質と共に犬の住む環境や犬が日々活動する内容、そして精神的な発達や強さにまで及んで考える必要があります。
犬は人よりも圧倒的にストレス下に置かれています。
いや人だってすごく強いストレスを抱えながら日々生活しています。
飼い主さんに犬のストレス行動について説明をすると「犬になんのストレスがあるのか」と問い返されることも珍しくはありません。
働きもしない、ごはんは食べられる、安全は保障されている、人になでてもらっているこの犬になんのストレスがあるのかと感じるのだとしたら、見方を少しだけ変えてあげてください。
完全管理されて人に毎日語り掛けられる水槽の魚は、野生の魚のように捕食されることものなく確かに長生きするかもしれません。
その水槽の魚が野生の魚よりも強い精神を持っているかどうかは不明ではないでしょうか。
そう考えると人に飼われる犬が抱える様々なストレスにより免疫力が十分でないということも考えられます。
犬の免疫力を高めるための手作りごはんやサプリメントだけでは限界もありますがしないよりはした方がマシであることは間違いありません。
自分は飼い主としてどうしていたのか?
よく「先生はダニ対策をどうしていたのですか?」と聞かれます。
私は愛犬のオポに対して何もしていませんでした。
フィラリア予防薬は飲ませていましたが当時はダニ除けは入っていなかったのでそれ以上はしていなかったのです。
オポの体にダニがよじ登ってきたのを目視したら手で取り去っていました。
翌日にオポが動いたときに血を吸ったダニが絨毯に落ちたら取り去っていました。
ところが山という環境になじんだオポにはダニが大量に寄生するということがなかったのです。
都会に住んでいたころだったらたくさんのダニを持ち帰ったこともありましたがそれも一度だけです。
山に行く回数が減ってそうなったのだと思っていました。
環境に対して珍しいものが入ってきたらダニという生物も反応してしまいます。
だから都会に住む犬たちはいきなり無理をせずに、西洋医学的なダニ対策をしながら日々の生活で免疫力を高めていってほしいと思います。
ただダニ除けの薬を外したすぐは、一度猛烈にやられることも覚悟してください。
ダニの洗礼のようなものですね、やっぱり受けたくありませんね。
日々の防御策としては木酢液を足元に噴霧するのも有効です。
自分の長靴には木酢液をスプレーしてから歩くようにしています。
私たち人間もダニにとっては捕食対象ですからしっかりぼ防御しましょう。
最近は木酢液のことを話してもみなさん知らないようで「なんですかそれ?」と言われます。
時代なんでしょうね。
木酢液は七山の鳴神の庄という産直物産を販売している店においてありますのでご利用下さい。
自然農園の方もよく利用されています。
最後になりますが大切なことをひとつ。
犬の免疫力を高めるために、食事やサプリメントだけでは有効ではないという話をしました。
免疫力とは体のことだけではないのです。
免疫力とは心のこともいうのです。
体を鍛えるだけではく、心(精神)も鍛えられていること。
これが免疫力を高めるということです。
我慢強い犬は強く生きてくれると思います。
我慢強いということは我慢を強いるということではありませんが、
犬は強い動物です。
犬の強さを引き出して尊重してあげましょう。
最後まで読んで下さりありがとうございました。