野生のサルと柴犬の小鉄くん
オポ広場の草刈をしようと準備をしていたときのこと、広場で小鉄くん(柴犬、一歳半オス)がワンワンと吠え始めた。
正確にはウォン、ウォン、ウォン、ウォン。
澄んだ中音程の繰り返す吠え声。
吠えている方向は広場から山に向かう方、少し高めに顔を上げているような吠え声。
イノシシが栗を拾いに来ているのだろうなと、草刈機を背負って広場に降りて行ってびっくり、上を向いて吠えている小鉄くんの上にサルがいたのです。
サルは広場の栗の木に移動した後に小鉄くんに吠えられたあとに電線に飛び移り、電線を渡って移動しているときでした。
細い電線の上を走っているサルの姿に感動しながら小鉄くんの近くに近づくと、サルは小屋の屋根を伝って柵の向こうへと消えていきました。
小鉄くんの吠える声はテリトリーに来客があったときの防衛的な吠えとは違っていて、何かを発見したことを伝える吠えでした。
その後広場の草刈を始めたのですが、小鉄くんは山の方に顔を向けたまま伏せていたり立っていたりと警戒を続けていました。
草刈を終えてから山の方を見ると樹木の枝が大きく揺れており、サルがまだいることを確認しました。
サルが人や犬を恐れずに行動するということと、小鉄くんの衝動性を抑えた執着しない野生動物に対する吠えに、動物たちのもつそれぞれの距離感を知りました。
サル群れがオポハウスに来たことを移動マップで確認
その2日後に表庭で預かり中の子犬ちゃんとバロンくん(1歳2ケ月オス)が遊んでいてペンキ屋さんと私が話をしているすぐ近くの木にサルがいてこちらを見ていました。
なんどか庭まで降りてきたことがあるのですが、ペンキ屋さんは初めて見たとのことでびっくりしていました。
その若いオスザルは木の上で体を掻いたりとなんの用事があるのだろうかという雰囲気でした。
写真を撮影しましたが、わたしたちを見張っているようにも思えました。
サルと私たちの距離は20メートルくらいでしょうか、子犬やバロンくんはサルの存在になかなか気が付きません。
私やペンキ屋さんが撮影したりサルに注目を始めるとバロンくんがサルに気づきワンワンワン。
サルは全く移動する感じもありませんでした。
この日はその後も栗の畑で2匹を見たため、群れで移動してきたのではないかと思ったら案の定、唐津周辺をテリトリーにするサルのA群がここまでやってきたという情報を入手しました。
サルの移動情報をアップしているサイトを生徒さんが連絡してくださったので確認できました。SNSすごいですね。
群れのサルにGPSが装着されているため群れの移動を確認できるマップがあるのです。
サルによる農業被害が深刻だということでこうした活動が行われているそうで、はじめてそのようなシステムを知ることができました。
人とサルの戦いは私のすぐ身近なところで起きていたのです。
毎年、柿の実が赤くなり始めたなと思ったら、ある日忽然と全部の実がなくなっていたのはやはりサルの仕業でした。
大好きな栗の実を拾うことを楽しみにしていたのに、栗畑に落ちているのは栗の皮ばかりです。
日本サルは希少動物のため捕ることを許されていません。農家の方々にとって最強の敵であろうと思います。
爆竹のようなパーンという音はサル除けにも使われるのでしょうが、サルにそんな脅しが効果があるとも思えません。
最後にサルと境界線を戦えるのはやはり犬ですね。
境界線を守る犬たちの復活を期待しています。
最後に、お尻がサルのようになった最近の自分。
そしてこの間に家と山間部の間の草刈最中に、キイロスズメバチに刺されました。
人生で2回目ですがショック症状はなく、今回は草刈用のガードがあったので刺された場所はなんと尻部です。
刺された場所が幸いしたようで1回目の手のときのように死にたいと思うほどの痛みはありませんでした。
注射+くらいの痛みがあって結構長ーく痛みが続き、夜になると腫れてきて痒いのと痛いので一晩は睡眠が浅くなりました。
いつもうろうろとする場所なので大体このあたりに巣があるということはわかっていたのですが、草刈機を持って上がること自体が滅多にできないことなのでもう少し刈りたいという欲求に負けて踏み込み過ぎました。
時間に余裕があればもっとゆっくりと草刈もできるのでしょうが、犬のお世話の合間なので早く済ませたいと思ってしまうのです。
スズメバチに刺されたらお世話もできなくなってしまうことを考えなければいけませんでした。今回はすぐに動けるような状態でしたので仕事には支障ありませんでした。
スズメバチに刺されることなどは普通の山歩きではありませんので、どうぞ山を怖がらないでください。
山で暮らすとなると、戦わなければいけない、警戒しなければいけない野生動物が出てくるのは当たり前のことなのです。
そのことが嫌だったら山に暮らさなければいいのです。
「怖いからしない」という考え方や行動のパターンもありますが、自分の場合にはいつか死ぬのだからある程度やりたいことはやるという気持ちが強いのです。
犬に対しても、ケガをしたら怖いから…と思ってしまうのであれば、犬をどこにも連れていくことはできません。
犬を室内に閉じ込めておくか、柵のあるドッグランで走らせるのか、そんなことしかできません。
動物にとって危険と好奇心はセットになっていると思います。
リスクのない冒険はありません。
何もしなくて安全だけど退屈な時間よりも、少し危険が伴うけれどその危険すら自分の判断や能力に委ねられていると、自分を試す時間がある方が人生はワクワクします。
犬も同じではないかと思うのです。
ちなみに、スズメバチに刺されたあとも病院には行ってません。この程度なら行かなくても大丈夫という感覚が自分の中にあるからです。
その後も、日本ミツバチを襲撃するキイロスズメバチを駆除したりと、怖いと思うことはありません。
怖いのは動物ではない、動物に対しての自分の行動です。
犬にはなかなか咬まれることない私ですが、思いっきり警戒しているからですね。
今後は野生動物のことをもっと知ってもっと警戒して、そして程より距離を保っていきます。