グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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天候と犬<夕立>

ちびっコワンコの初トレッキングクラスを終了した後、涼しい七山校で過ごしました。

いわゆる「下界」(※都心部から七山に上がって来られる生徒さんたちが、なぜか都心部のことを「下界」といわれるので)に比べると気温は10度近く低く、午前中は「エアコン入ってますか?」といわれるほどの涼しさです。
午後になると夏日でじっくりと焼かれた家の中の気温は少しずつ暑くなり、15時くらいには扇風機回そうかなと思うほどになります。

こんな時「今、夕立が降ったら涼しくなるのにね。」と思う日々が増えています。
七山で過ごすようになってから10年ほどの間に、夕立が年々減っていると思います。

そういえば、小学生のころに福岡の博多地区に住んでいたことがあったのですが、夕立の思い出があります。
母といっしょに、慌てて洗濯物を取り込むという光景は昭和の日常でした。
天候の問題だけではなく、土が少なくなることで地表の温度が上がっているお知らせではないでしょうか。
日中庭で過ごす犬たちが気がかりです。

雨が降るときは気圧が低気圧になります。これは犬の行動に変化を与えます。
気圧の高低が動物の自律神経に影響するからです。
高気圧のときは交感神経が優位になり、低気圧のときは副交感神経が優位になります。
副交感神経は休息の神経で体を休憩させるため、よく寝るようになったりしますね。

自律神経は体の状態を外環境に適応させるために調整を働くのです。

ところが夏の夕立は急激に気圧が下がります。
急激な気圧の低下は、自律神経が副交感神経を優位にしすぎたり、落ち着けなかったりして調整がうまくいかなくなり不調を感じます。また、自律神経は血液の循環に影響しますので、自律神経の混乱により血液の循環にも影響を生じ、全身症状へと向かう事もあるため、病気がちな犬や老犬では心配されるような症状が出ることもあるでしょう。

犬の自律神経は行動に影響をしているため、トレーニングでも重要視する犬の仕組みです。

「自律神経を整える」ということを聞かれたことがあると思います。
でも、犬が「自律神経を整えようかな」と運動を始めることはありません。不自然な体操や食べ物を使って体を動かしてあげる体操や運動などは犬の自律性をさらに損います。

自律神経を助ける方法は、自律神経に負担をかけないということです。

続きは次回。

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犬の習性<分配する力>

犬と猫が人のそば暮らすようになったのは、「食べ物」を人の近くで得られたことでした。
ですが、犬と猫ではその過程が違います。

猫は人の環境の中に増えたネズミを食用するため、人の住処の近くにテリトリーをかまえるようになりました。
ネズミは害虫のため、人にとってこれは助かることです。積極的に猫を人の近くにおくようになり、ペット化されていきます。

犬の場合には少し違います。
犬は人の食べ物の残りものを狙って、人のテリトリーの近くをうろついていました。
人に見つからないように身を潜めて好機が来るのを待ちます。
そのとき、暗闇で他の動物が近づく気配があると、犬は「ウー」と唸り声を出します。
これが、人にとっては貴重な合図となり、自分自身の身を守る方法として人は犬を必要としました。
そのため犬に食べ物を積極的に与えることで犬が人の近くにいるようになり、人は使役、食用、ペットとして犬を利用する機会を得たのです。

「ペットとして利用」という言葉に抵抗を示されることがあるかもしれません。ペット化は否定されることではありませんが、人につく「家畜化」では崩れなかった犬の本来の性質が、ペット化によって変化してきたという事実はあります。
人が犬を飼うこと=ペットというわけではありませんが、人の愛玩の存在として利用されるようになることがあるという事実からは目をそらすべきではないと思います。この話しは少々時間がかかります。文字では限界を感じますのでまたいつか。

話しを元に戻します。

犬は人から食べ物をもらうようになりました。これは犬の動物としての本来の習性に適応していました。

イヌ科の動物は、群れのメンバーのうち狩りに出て獲物をとる動物と、食べ物を待つ動物にわけられます。
子犬は成犬が食べ物をもちかえるのを待ちます。
獲物をとった犬は成長した他の犬にも、子犬と同じように食べ物を持ち帰ります。

運搬できるものであれば口にくわえて持ち運びます。
そうでないものは一旦、胃袋に収めた上で「吐き戻し」という行為によって、他のものに与えられます。
子犬が親犬の口をペロペロとなめるのは、この「吐き戻し」行動を誘引する行動なのです。
結果、犬は食べ物を分配しているということです。犬が「群れ」という社会集団を構成する上で重要な習性です。

食べ物を分配する行為は、多くの動物で見られるように感じれるかもしれません。
自分の子にあたる動物に分配することは、ネコ科の動物でも同じことです。

これに対し、イヌ科動物は自分の子でなくても、群れのメンバーに対して分配を与えるということです。

人と暮らすようになった犬は、人から食べ物を分配してもらうことになります。
このことは結果として、人に対する群れのメンバーとしての関係を高めることにつながります。

イヌ科動物の分配には、別の情報も入ります。
群れを構成する犬は、その群れの中に順位制をつくります。
誰が何をするという役割分担で、その中には誰が優先的に食べものを得るのかということも含まれます。

優先的に食べものを得るものが、好きなだけ食べていいということではありません。個々が群れの一員として、群れが存続するために必要なものを得てバランスをとる必要があるからです。群れが健康に存続することが、犬の個体の強さにもつながっていきます。

分配の過程で順位付けがあいまいになっていると、争い事がおきることがあります。
人から食べ物をもらう行為に、犬が興奮行動などのストレス行動を伴うのはこのことが理由のこともあります。
ブログ記事「ゴハンのときに興奮しますか?」を参考にしてください。)
分配がうまくいかないのは、人と犬で構成された群れ内の順位付けがあいまいなためです。
もしくは多頭飼育の場合にも、分配がうまくいかずトラブルになる例があります。

人と犬で構成された群れの分配力は、その順位付けが影響し、それは群れの健康の度合いを示しています。
家族のメンバーが代わったり、犬が老齢化してくることで、順位が一時的に不安定になることがあります。
でも、それもしっかりとした健康な群れであれば、すぐに安定を取り戻すことでしょう。

この分配力ですが、実は人社会でもこの分配力を高めた結果、今の住居を固定する生活を安定させてきました。
食べ物をつくり、家畜を育て、そしてそれを分配する家族という構成です。
動物としては違う人と犬が、分配力については同じ習性を発揮しているのです。

犬の分配力は、人と群れを構成するようになった過程を示す重要な犬の習性(本来の性質)です。
犬の習性が十分に生かされるような環境と関係で、犬の分配力を育ててください。

チロル6


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グッドボーイハート畑部☆部員募集☆

犬と共に自然を肌で感じながら生活するという時間をいただいたとき、最初に思いついたのが「畑をつくる」ということでした。

ところが、最初につくったこの畑はすぐに終了してしまいました。
理由はいくつかあります。
他にもすることがたくさんあったため後回しになった。
おいしくて安い野菜が近くの産直店で手に入った。
失敗が続いた。
根気がなかった。
など、結局は努力不足ということです。

初期の小さな畑はオポを釘付けにしていました。
簡単にできるのだと思ったトマト、キュウリ、カボチャ、オクラ、ナスの苗を植えていたのですが、そのうちトマトとキュウリはオポの大好物だったからです。

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柵をつくったけど届いてしまうミラクル


普段は食器の中に入っているトマトや人の手をつかってしか食べられないキュウリが、目の前にぶら下がっているのです。
「え、それまだ早いでしょ。」という出来具合のものを片っ端から食べてしまうため、結局、畑に柵を作ることになりました。

このことで、わたしは入れてもオポの入れない空間ができてしまい、そのことがわたしを畑から遠ざけてしまう理由にもなってしまったと思います。

その後、畑部は一度復活しました。
若い生徒さんたちが「先生!畑を作りましょうよ。」といって開墾を始めたのです。
七山校のクラスに参加するたびに手入れをしてくれたのですが、日々の手入れは必要です。
畑の面倒をよくみず、雑草の中に野菜たちが埋もれていくようになりました。
これで畑部は解散となりました。

そのグッドボーイハート畑部が、このたびついに復活します。
今回は新しい畑部長Kさんが畑の開墾をはじめてくれました。
灰を混ぜ込む2回目の耕し作業を終えられたところです。

畑20160804開墾
部員のわたしも積極的に参加せねばと奮い立ち、畑横の竹やぶ払いを行いました。
助っ人にお手伝いいただき、畑に風がとおるようになりました。

食べるものを育てるという基本的なこと。
頭ではわかっていてもなかなかできません。
自然の生活に近づくことも、大切なこととわかっていても同じことです。
そういうときは、誰かがやるのを最初は見守ったり手伝ったりすることでもいいでしょう。

グッドボーイハート畑部の畑でとれた野菜を、人と犬がいっしょに食べられるようになるまで
がんばります!


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アメリカ版猫のヘルパーに学ぶ

生徒さんにジャクソン・ギャラクシーという猫の行動カウンセラーの本を借りて読んだことがあります。

そのカウンセリングがテレビで放送されていたとも聞いたのですが、そのときは見る機会を得られませんでした。それが最近ネット配信で一部を公開されていて(気づいたのが最近なのかも)、念願のジャクソン・ギャラクシーの番組を見ました。

猫を飼ったこともないし飼いたいとも思っていないのですが、自分の身近でウロウロとしている動物なので、動物として関心があることと、ペット化によって起きる問題をどのようにアプローチするのかということにも関心があります。

過去にテレビの取材をなんども経験したことがあるので、実際の現場とは異なる形で放送されている可能性が非高いことを承知の上で、じっくり拝見しました。

興味深いことがたくさんありました。
問題解決の基本は「犬と同じ」だということです。

番組内でジャクソン・ギャラクシーはまず、飼い主の自宅を訪問します。そして、飼い主から猫の現在の行動を聞き出し、現在の環境についてチェックをします。
改善の基本は「環境改善」です。

犬のトレーニングについて、家庭訪問が大切なことも同じ理由です。
犬の環境改善についてはこのブログでもお伝えしていますので復習してください。

アドバイスの中には、猫に隠れる場所を与える、猫が避難できるスペースを準備するなどがありました。
猫と犬で行動のパターンの違いはありますが、これらは犬にも必要なことです。

猫という動物として必要な環境と、猫の性質に応じて必要な環境の二つの点からみていきます。
これも、犬に共通しています。

犬の環境改善は、犬にとって最も大切なことです。
犬という動物として必要な環境と、犬の性質に応じて必要な環境です。

そして環境の中には、飼い主の接し方が入っています。
たとえば番組内では、猫の抱きかかえ方とおろすべきシグナルについて説明していました。
猫が決して抱きかかえられたいわけではなく、猫の許容する範囲にとどめるということでしょう。

犬も、飼い主の犬への接し方は猫以上に重要です。

「エネルギー」というコトバも使っていました。
番組内では「飼い主のエネルギーが猫の伝わる、だから撫ですぎないで。」と伝えました。

見えない部分なのでわかりにくいかもしれませんが、人が抱えているテンション、気分、思考、姿勢、などそのようなものが猫にも犬にも伝わってしまうのです。

犬と猫。
異なる種ですが、人の生活に組み込まれた家畜化の歴史をとった動物としては共通点もあります。
コンラート・ローレンツの本「人イヌに会う」でも、そのように紹介されています。

犬の場合、環境のうち「飼い主の影響」が非常に強いということです。
昔の人がいった「犬は人につき、猫は家につく」は深いコトバです。

また、日本とアメリカでは動物を飼うスペースがあまりにも違いすぎます。
犬の場合には、与えられている庭の広さにも驚くほどですが、庭を囲う習慣はないことに伴うトラブルも多いようです。

欧米でも猫は室内飼育傾向が高いことをうかがわせます。
それが猫の問題行動の急増にもつながっているのでしょう。

番組では猫の飼い主さんたちが口にしていた言葉が印象的でした。
「どんなことをしてもこの問題を解決したい。
この猫といっしょに暮らしたいんです。できることはなんでもします。」

これは、犬猫などの動物と暮らすトレーニングの必須項目だからです。
このエネルギーは何にも変えられないものです。

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熊本に行ってきました。

昨日、熊本県動物管理センターへ行ってきました。
作業のお手伝いと、現地のボランティアさんと直接お話して、自分にできることを見つけることが目的です。

先日このブログでもお伝えしたとおり、近郊の行政機関である福岡県、福岡市、鹿児島県などにそれぞれ数頭の犬が移動になったため、少しは頭数が減り管理が楽になったらいいなと思っていたのですが、すぐに頭数は増えてしまうそうです。各保健所にも多数の犬猫が収容されており、センターの数が少し減るとまたそちらからも入ってくるからです。

犬が約40頭、猫が約60頭で、数名の職員とボランティアで行う世話や管理は大変なものです。
本来、収容できるスペースが十分にある施設ではなく、動物の数を管理するために作られた古い施設なので、スペースも温度管理も、それから職員の人数も、必要な備品も、全てがない中での業務が続いています。

昨日は犬たちの散歩の手伝いを行いました。
熊本もすでに猛暑で、犬たちもグッタリとしているのですが、リードをみせると散歩に出たがり、少しでも歩くと表情や行動が落ち着いてくるので、ほんの少しでも施設の周囲を歩かせてあげたいです。
人数が少ないと時間がかかり、どんどん陽が高くなってくるので、犬も人間も体力を消耗します。
また、収容施設がなく屋外犬舎を設置しての管理状態になっていますので、犬舎をひとつずつきれいに水洗いするボランティアさんの作業量は大変なものです。

熊本被災ペットネットワークの会としては、今後もできる限りの支援をお約束して帰りました。
まずは、9月4日(日)の「自然療法チャリティセミナー」の開催に向けての広報活動に尽力します。

このセミナーの一般参加の定員は50名ですが、それに対し現在30数名の参加者があり、今後も参加者は増えることが予想されます。情報が皆さんにいきわたるように、チラシの設置場所を増やしています。チラシの設置についてご協力くださる店舗や事務所などがあれば、ぜひ下記のアドレスにご連絡ください。
連絡先 GoodBoyHeartメールアドレス info@goodboyheart.com

チャリティという意味だけでなく、セミナーの内容も初心者にもわかりやすく、自然療法が身近でない方にも楽しんでいただけるセミナーになると思います。大切な学びの機会をご利用ください。


シオヤアブのオスだって
(大田こぞうさんに教えてもらいました)
肉食昆虫らしいけどヒトには害はないそうです。でもお近づきにはなりたくないですね。

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犬のパーソナルスペース<つづき>

犬のパーソナルスペースについて昨日のブログでご紹介しました。
実際、犬とくらしているみなさんの中には、犬にもパーソナルスペースがあるなと感じられることを思いつかれたのではないでしょうか。

人の行動を観察すると行動の基本になっているパーソナルスペースですが、最近はこの犬のパーソナルスペースが十分にできあがっていないと感じられる行動が増えています。

動物は生まれたときは親動物に完全依存した状態で生まれます。動物によって立ち上がりのいわゆる「自立」の時期は違います。犬の場合には自ら排泄に出るようになるのが生後約21日です。この期間は完全依存の状態といえるでしょう。兄弟犬たちとひっつきあって寝ていたり、親犬の上に寝ていたりという時期です。

犬は排泄行動によってテリトリーを構成しますが、テリトリーを意識して警戒吠えをするようになるのが8ヶ月~1歳くらい、しっかりと守るようになるのは2歳を過ぎてからです。もちろん固体差があります。
テリトリーを守るまえに、パーソナルスペースを意識します。時期は幼犬期から青年期のころまでに行われます。環境や犬の発達の度合いにより異なりますが生後1歳前後にもなるとほぼパーソナルスペース広がっているように感じられる行動を示します。相手との距離感をとるなどの行動によって示されています。ちょうど警戒吠えを始めるようになるときですね。

同年齢時期には、休みたいときに自分の居場所であるクレートに戻って寝るようにもなります。人が見えていないところでもテリトリー内では不安行動を示さなくもなります。

このパーソナルスペースができていないということは、自分の個体空間を守るという意識がないということです。これは幼犬期に飼い主との関係によって、依存から自立への発達が得られず飼い主に依存した状態が継続しているということです。

たとえば次のような行動をするようになります。

飼い主のひざの上にのってくる
飼い主の布団の中で寝る
飼い主に接触して寝る
ほんの一例です。

パーソナルスペースは他者とかかわりを持ちコミュニケーションを発達させていく上で重要な空間です。このスペースを守ることができるからこそ、社会的なコミュニケーションを作ることもできるのです。

そのため、パーソナルスペースを獲得できていない犬は、社会的な、特に他の犬とのコミュニケーションがうまくいきません。距離があっても犬に興奮したり不安行動を示すようになります。

パーソナルスペースをつくるためにも、まずパーソナルスペースを尊重する必要があります。その方法については、また次回紹介します。

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犬のパーソナルスペース

パーソナルスペースという言葉を聞いたことはありますか。

パーソナルスペースとは個人空間のことで、他者が自分に接近することを許可できる空間です。パーソナルスペースは状況や接近する対象によっても異なります。これな心理的空間でもあるため、個体の精神的な状態によってもその広さには違いが生じます。

一般的な状況では、屋外で他者が自分にコミュニケーションをとろうとして近づいてきたときに、違和感や不快感を覚えずにいられるスペースはどのくらいでしょうか。対象が一者にしぼられる場合は「距離感」といった方が分かりやすいかもしれません。

もちろん近づいてくる相手によっても異なるということでしょう。わかりやすい範囲というと、両手を前後左右に伸ばしたくらいの円形が基本的なパーソナルスペースになります。相手にも同様のスペースがあるため、遠慮がちな場合には互いのパーソナルスペースが重なるかどうかという位置に立つことになります。この位置だと、互いに片手を伸ばして握手をするときに少しお互いのスペースが重なったようになり、親近感を覚える距離になります。相手によっては、不快感を感じてしまう距離でもあります。

他にも、電車の座席や、カフェレストランのイス、バス停での立ち位置などを観察していると、パーソナルスペースを確保しながら安心感を獲得しようとする人の行動がみられます。

実は犬にもパーソナルスペースがあります。驚くようなことではありません。野生動物にもパーソナルスペースはあります。動物に心理的要素が働かないと決めつけてしまうとこれらのスペースを理解することはできません。
しかし、動物は人と同じかそれ以上に自分の周囲の空間には敏感です。パーソナルスペースは危険から身を守るというだけではなく、日常的にコミュニケーションをとる危険性のない仲間や家族に対しても必要なスペースなのです。

パーソナルスペースをきちんと持っている犬は、それを自分の意志とは反する形で侵害されることに嫌悪感を抱きます。たとえば、人が手を出して体を触ろうとするとよけるとか、犬の横に寝そべると立ち上がって違う場所へ移動するなどです。
これは決してその人のことを警戒したり遠ざけたいわけではありません。あくまでもパーソナルスペースを維持するためだけに行われます。こうした行動をとる犬も、結束を高める必要があるときはや必要なときには、人に対して距離を縮めることもあります。

問題はパーソナルスペースを獲得できていない犬たちです。
これについては続きでご紹介します。

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動物保護施設

昨日ブログに書いたように、動物保護施設、正式な名前は、動物愛護管理センター、動物愛護センター、動物管理センターという名称の施設が、各県や地域によっては市でも運営されています。

熊本では熊本県と熊本市、福岡では福岡県と福岡市、佐賀県では佐賀県のみですが、佐賀県は三瀬と武雄の2ケ所に施設があります。施設の運営は所轄の県行政や市行政によって行われますが、施設は企業への委託業務になることもあります。いずれにしても、施設の予算や運営方針が各行政による指導のもとに行われているということではどこも同じです。

これらの施設には迷子猫や犬と他のペットたちや飼い主が放棄したり、飼い主不明のペットたちが収容されています。迷子犬猫も一定期間が過ぎると飼い主はいないという扱いになります。

飼い主が不明もしくは不在となった犬猫には、新しい飼い主を見つけるための様々なチャンスが与えられます。施設の主催による「犬猫の譲渡会」や一般への直接譲渡、保護ボランティアへ引き取り一時預かりを経て譲渡されるなどがその主な方法になります。行政の積極的な公報活動やボランティアのみなさんの活動によりここ10年で譲渡活動は活発化しており、その結果犬猫の安楽死(行政のよっては殺処分)の数は年々減少しています。自分達の意識の持ち方や協力体制によりこれだけ変化を促せるものなのかと、その変化には驚きを感じています。

これらの譲渡はという各行政ごとに定められた「適正譲渡」に沿うように行われています。たとえば、新しく飼い主となった人が再び犬猫を放棄することがないように、適切な飼い主に渡すということです。犬猫には種としての特性のほかに個体による行動の特徴がありますので、性質に適した環境に引き取られるようにする適性譲渡する必要があります。

これらの適正譲渡をすすめるためには、譲渡するだけでなく施設に収容される動物の数そのものを減らしていく必要があり、そのためには飼い主の教育も大切です。

収容数を減らす必要があるのは、処分される動物を直接的に減らすことはもとより、収容されている動物の福祉に関わる問題なのです。

これらの収容動物が収容されている状態を直接ご覧になったことがあるでしょうか。地域によっては見学が可能なこともありますので、そのような機会はぜひ大切にしていただきたいと思います。

これらの収容施設は建設時は行政が「動物を管理するための施設」として作ったものです。動物を一時管理し数日後に殺処分することを目的に建てられた施設で、動物を一時預かりして譲渡することを目的として作られたわけではありません。そのため、動物愛護施設へと変化するなか、もともとある建物を決められた予算の範囲内で工夫して使うとか、少しずつ改築していくという形でそれに応じたものに変化させていく必要がありますが譲渡活動事体が軌道に乗りはじめたばかりのため、施設の改築までにいたっていないのが現状です。

犬を収容する施設は個別の犬舎が必要です。一頭一頭が異なる部屋を与えられているとイメージしてください。室内犬舎と屋外犬舎がつながっていて、それが運動場へとつながっていくというのが、動物を収容するために作られている施設です。盲導犬育成施設の多くはこのような構造になっています。犬1頭に対する広さは畳2畳分くらいでしょうか。コミュニケーションの時間のために、相性の良い犬が2頭いっしょにいれられることもまれにはあります。

動物愛護施設では、個別犬舎を備えている施設は少なく、個別犬舎があっても屋外用がないため、日中は外につないでおくという対応になります。日に当てるためだけでなく、犬舎は毎日清掃して乾燥させる必要があるからです。
収容頭数が増えるとケイジに収容したり、大きな犬舎の中につないでおくという措置をとられることもあります。もしくは数頭を同じ犬舎の中にいれるということにもなるでしょう。

猫も同様です。猫の場合には高さのあるケイジが必要になりますが、場所がなければ小さなケイジにいれられることにもなるでしょう。

これらの問題は、動物の収容数を減らすということだけでは解決しません。飼い主を待つ犬猫を含め動物を一定期間を収容するのであれば、収容時に動物に負担をかけず動物が安心して滞在できる施設を準備する必要があります。

施設の準備ができない間は、保護ボランティアのみなさんが一時預かりという形で家庭で預かってくださる環境が必要です。一時預かりはすでに動物と暮らしている場合には難しいこともあります。一時預かり先ボランティアへの行政の支援が継続されるようなつながりを持てるようになることを望んでいます。

犬や猫と暮らしその動物を理解しようとつとめ、かわいいという存在をこえて動物を尊重することができる方が増えることが、今起きている問題を解決していくエネルギーになることを信じています。


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熊本県動物管理センターのこと

熊本地震以後「熊本被災ペットネットワーク」のブログをご覧になってくださったり、活動を応援してくださる皆さんに改めてお礼申し上げます。

支援先は限定していませんが、会の活動者とコンタクトがとれ直接的な支援ができるということから、熊本県動物管理センターへの支援活動を中心に続けています。

熊本県動物管理センターは熊本県によって運営されている動物管理施設です。熊本地震後に通常業務が停止し、現在でも混乱を極める中で職員やボランティアのスタッフのみなさんが毎日懸命に業務に努めています。

数日前に、このセンターに収容されている犬のうちの数頭が、福岡県動物愛護センターと福岡市動物愛護管理センターへ移動になりました。これは九州各県や福岡市が、熊本県動物管理センターを支援するために行われたもので、他県からも犬猫の他の施設の移動について協力の意志を表明されていることとのことです。

先日、ブログ記事「動物取扱業者として」に書いたとおり、ここ10年の間に、国の定める法律の内容の変更に伴い、動物行政は「動物管理から動物愛護」へと変化してきました。人が飼育していた犬や猫が飼う人がいなくなったときに殺処分しなければならない状況だったものが、地域行政が主体となって、適正飼育、そして新しい飼い主を見つける適正譲渡という業務を執り行われるようになったものです。

お気づきのとおり、熊本県は「動物管理センター」となっています。熊本県は県の管轄である保健所ごとに新しい飼い主へ犬猫を譲渡する活動が中心となっていて、熊本県動物管理センターは、処分施設から譲渡施設へと移行をしているまさにその最中に今回の地震となり、混乱を極めることになったと感じています。

熊本市動物愛護センターと間違えられることがありますが、こちらはメディアなどでよくとりあげられる施設で、積極的に譲渡活動を行っています。動物愛護協議会を通して寄付金を受け付けるシステムもあったり活動ボランティアもたくさんいて、知人がこちらのボランティアとして活動していますが、地震に伴う支援は熊本市よりも熊本県の方にお願いしたいというはなしをうけて、現在の支援体制に移ったものです。

4月の震災より3ヶ月半を過ぎる中、「自分にできること」を被災者の立場でという気持ちを持ちながら現在まで小さな支援を続けてきました。その中で考えたり学んだりする機会をたくさんいただいことに感謝しています。ボランティア活動は仕事では学べないことを学ぶ機会だと思います。それは情報や知識だけではなく、人とのつながり、自分についてを多く含みます。

今回、地元である福岡県、福岡市、佐賀県の各動物愛護施設も、熊本県からの犬猫の移動という形での具体的な支援がはじまったことに安堵する一方で、各施設でも決して動物の収容数やその状態が安定したものではないことをくり返し考えることになります。
収容施設の動物福祉については、明日つづります。

きみ誰?
ところで君だれ?


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ゴハンのときに興奮しますか?

「犬の楽しみといえば「散歩」と「ゴハン」。
犬に限らず「食べる」ことは楽しいことです。生きるために大切なことでもあり、その欲求が満たされる瞬間がうれしいのは、当たり前でもあり健康的なことでもあるでしょう。

ところが犬にゴハンを与えるときに、困った行動がおきることがあります。
ゴハンを与えるときや、与える前に、犬が興奮することがあるからです。
ゴハン時の犬の興奮は「うちのコはゴハンが大好きなの。」と思われがちですが、興奮の度合いによってはゴハンをもらうときの行動の中にもストレス行動がみられます。

たとえば、ゴハンの前の以下のような犬の行動は要注意です。
・ワンワンと連続して吠える
・ピョンピョンと飛び跳ねる
・部屋の中をいったりきたりして歩き回ったり走り回る
・家具や壁をかじろうとしたり手でかくような行動をする
・壁や床を手でかくようなくり返し行動をする(猫のつめとぎのような格好)
・飼い主やぬいぐるみやベッドなどのマウンティング行動をする
・声を出す(キーとかギャーといった奇声やキュンキュンといった鼻ならし)
・ぬいぐるみをくわえてウロウロとする
・クルクル回る

犬は動きやすく興奮しやすい動物と勘違いされがちです。
犬は人よりも俊敏に活動することができるため反応が高く感じられたり、四つ足で動くためにたくさんステップを踏んでいるように見えるのかもしれません。

イヌとヒト。あくまで動物と人間であるため行動を比較することには限界がありますが、興奮行動には似たようなパターンがあります。
ウロウロ動く、とびはねる、かじる、走る、声を出す。これらの行動は人が興奮したときにも見ることができます。

犬だからゴハンのときに興奮するわけではありません。ゴハンのときに確かにテンションは上がるけど、興奮しない犬もたくさんいます。
・ゴハンをもらえる場所にいって待つ
・ゴハンを持っているひとが近づくと尾をゆっくりと振る
・ゴハンを予測してオスワリをしている
・伏せて待つ
など、ですね。

「食べる」という喜びの時間なのに、興奮状態になってしまう犬がいるのはなぜでしょうか。
いくつかの理由や原因が考えられます。

なんらかの事情で十分に食べることができなかった経験をもつとか、たくさんの犬に対してドッグボウルひとつを与えられていることで競争で食べることになった経験をもつ、などもその例に入ります。後者の例は子犬期に繁殖者の管理方法によっては起こり得る状況です。

食の内容に影響を受けることがあります。加工されたドッグフードの中でも糖質や油分の高く、ミネラルやタンパク質の低いフード、犬版ジャンクフードは脳内活動の依存値を高めてしまいます。フードの臭いだけで興奮するような行動をみせるときには、この傾向があるかもしれません。

生活の中で十分に欲求が満たされていない場合にも「ゴハン時興奮」が起こります。欲求の偏りによって食べる欲求が異常に強くなってしますからです。留守番が多い、社会的な経験が少なく行動が制限されやすい、などは欲求不満を高めます。

そして、比較的多いのが「飼い主との関係性」です。犬にとって食べることは飼い主に依存した行為です。その依存が大変強い状態になると、その行為に対して興奮値が高まります。
こうした依存による興奮行動の場合には、犬の世話をする人が一定期間変わることで犬の行動に変化が見られることもあります。

ゴハンのまえの興奮は、興奮行動をとめる対応が対処法です。
あとは根本原因をつきとめて、その事に対して対応することが、犬と暮らしと犬と人のより良い関係を助けます。


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