グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬の飼育環境は犬の精神をつくる環境である:犬が安心して過ごせる床材

犬のトレーニングの中でまず最初に取り組むべきことは、生活環境の整備です。
整備の中には、様々な見方による整え方があります。
その見方の中には、犬にとって快適で安全な環境とはどのような環境かという視点です。

快適で安全な環境と聞いて思い浮かぶのはどんなことでしょうか。
たとえば、水がいつでも飲める、室内の温度が適切に管理されている、部屋が清潔に清掃されているということも、それらのひとつにはいるでしょう。
その中でも、室内飼育の場合には、室内の床面の素材については慎重に選択してほしいものです。

室内の床面は人にとって快適であるように作られています。
特別な環境ではない限り、床面は畳、フローリングのどちらかです。
人が歩きやすく、心地よく、掃除がしやすいように作られている傾向が強いようです。

その、人にとっては快適な床の環境が、犬にとっては苛酷なものになっていることがあります。なぜ、そのようなことが起きるのかというと、人と犬では足裏の地面を支えるつくりが異なるからです。
犬の足跡のマークであるパウ型を見ると、地面についている指の部分がわかります。
実は、このパウ型にない別の部位が地面に着地してバランスをとっています。それは、犬の脚の爪です。
なぜ犬のパウ型から爪の部分がなくなってしまったのか、デザイン上なのかそれとも犬の爪を人が切るようになったことで床部につかなくなってしまったからなのか、よく理由はわかりません。
お手本になる犬のパウ型はドイツのアウトドアメーカーのジャック&ウルフスキンのパウマークです。これは、オオカミの仮面をかぶったジャックという犬という意味のマークなのでこのマークは犬の足跡をデザインしたものです。指の上についた部分が爪の先が地面に着地した部分です。こんな感じです。

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これが、人と犬の足裏の使い方の大きな違いです。この違いが人が選択した快適な床面が、犬にとっては快適ではない素材となってしまう理由です。犬の爪は鉤爪という形のもので、その爪の先は地面に食い込んで体を支えるようにできているのです。

最近では家の洋風化が進み床の素材はほとんどがフローリングになっています。一部はテラコッタのようなタイルになっていたりします。どちらの素材も硬くすべりやすいものです。犬の爪が伸びていると爪が床にあたって曲がってしまうことがあります。そのため室内飼育の犬の爪を人が短くカットしてしまいます。こうすることでフローリングにあたらないようにするのですが、このことは爪で地面をささえられないという問題を生じます。

もうひとつの足裏の違いは皮膚の違いです。人の足裏の皮膚は他の皮膚とたいした違いはありません。これと比較すると犬の足裏の表面は他の皮膚の部分と明らかに違っています。これらも、人と犬の地面の感覚を異なるものとする違いなのです。犬の足裏ではフローリングやタイルではすべりが生じてしまい、いつもつるつるとすべりながら歩いています。人が氷の上にのったような感覚になり、すべるのを四つ脚に力をいれて踏ん張ろうとするため脚に負担がかり、結果背骨がとても堅くなったり丸くなったりしてしまいます。人にとって快適で安全な床が、犬にとっては不快で怪我をしかねない危険な環境になっているということです。フローリングと共に畳も意外と滑りやすい素材です。

では、犬にとって快適で安全な床とはどのような床でしょうか。
最適であるのは犬が本来歩いていた土のある地面なので、その地面の質にできるだけ近いものということになります。やわらかく湿度が適切にあって…。地面と同じ質のものは室内には実現できませんが、まず選択するならじゅうたんです。それも、軽くて動いてしまうようなじゅうたんではなく、重みがあってしっかりとした素材のものです。
ホームセンターで販売している裏面がゴムで表面がウールやコットンなどの天然素材になっている張り合わせるようなじゅうたんでも、ある程度の快適さが実現します。
コルク素材を使われる方もいます。犬用にすべりにくいコルクというものもあるようです。床面そのものが犬にとってすべりにくいタイルとして提案されているものがありますが、実際には触ってみないとわかりませんので、実物をよくみてある程度の弾力のあるものをお勧めします。犬が本来移動する土は、大変やわらかく犬の体重の衝撃を吸収してくれます。

室内の床は室内犬が生きる時間の多くの時間を費やす場所です。すべりやすい床は身体的に故障をきたすだけではありません。不安定な床面によって不安を抱きやすく、落ち着きのない性質をつくることにもなります。

大切な犬のために、床の素材には余分に予算をさく価値があります。
まずホームセンターのじゅうたんから始めてみてください。

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明日「山崎恵子先生セミナー」です。

明日23日(日)は山崎恵子先生のセミナーが福岡で開催されます。
詳細はこちらでご確認ください。

昨日は山口先生による動物福祉セミナーのお知らせをしました。今年は自然療法セミナーの企画開催、チャリティ犬語セミナーなどセミナー続きですが、価値のあるセミナーが開催されることはワクワクします。

仕事でなくても日常のことでも、何かを学びたいなと思ったらマンツーマンか少人数で習得するのが一番良いと思います。講師の先生と対面になる機会があってこそ実践の学びは進むからです。
その学びの中でも、具体性や、実践の学びを深めていくなかで必要な選択の力を自分の中につくりあげていくためには、日々の生活に必要だと感じられないようなことかもしれない大きなテーマや客観的な視点で考える時間として、こうしたセミナーは多いに学びの機会になるのです。

自分もセミナー講師をすることが仕事のひとつであるため、セミナーの内容の企画や構成についてはいつも考えます。個人差は承知の上で、一般的には、ハウツー版セミナーが多くの方を対象にして人気があります。インターホンに吠えたときにはこうしたらいい、散歩中はこんなテクニックを使う、こうしたことは、考えなくてもすぐに実践できるので、ハウツー版セミナーは人気があるのだろうと思います。

これと比較すると、自分で考えることを要求するようなセミナーは、終了後も考えが継続するため消化不良になるような感覚を得てしまいます。実はここはとても重要なことです。この具体性の提示のないセミナーでは、自分で考える必要性が生じるため学びが継続してきます。どんな問題も、自分で考える力をつけ実践をくり返してこそ、またその先の楽しみもあるというものです。

チャリティ犬語セミナーも「犬のしつけの方法かと思ってたのに違っていた」という感じを持たれた方もいたことでしょう。犬と人の関係性は「しつけ方」だけでは築いていけないのです。それは関係性のテクニックでしかなく、犬の行動が改善して「おりこうさん」になったときに、関係性は逆に悪化していることがあるのです。真に犬との関係を築いていきたい飼い主さんは、この「お互いの関係が良くない」ということに気づきます。

山崎恵子先生のセミナーは、終わったあとものすごく考えてゆっくりと消化してそして実践して自分のものにしていくのに時間のかかるセミナーだと思います。そしてそんなセミナーは大変貴重なのです。
「人と動物の関係を考える」ことから、人と犬の関係もはじまるのです。

明日のセミナーどうしようかなと思っている方いたら、まだ少しですがお席が空いているようです。グッドボーイハートの電話番号でも構いませんのでぜひ連絡してください。

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セミナー開催「動物福祉の視点から犬猫の殺処分ゼロを考える」

動物福祉のスペシャリスト「山口千津子先生」講演の勉強会がこの福岡で開催されます。動物福祉という考え方がやっと国内でも少しずつ浸透しつつあります。以下がセミナー開催の案内です。

***************

動物福祉の視点から犬猫の殺処分「0(ゼロ)」を考える

「動物福祉」という言葉を知っていますか?
「動物愛護」と「動物福祉」の違いについて考えたことがありますか?
このセミナーは、日本動物福祉協会の山口千津子先生を講師にお迎えして、
動物福祉の基本概念とその実践の方法について学ぶことで、犬と猫の生活の質(QOL)を高めるための基本姿勢を身に付けることを目的としています。
また、平成28年4月に起きた熊本地震によって混乱を生じた動物保護施設の実例をもとに、動物福祉の視点から犬猫の殺処分の問題についても考える機会としたいと思います。犬猫の保護活動に携わるボランティア、行政、動物取扱業者の皆様には、実際の保護活動の場で活かせるヒントを得ることができます。
一般の飼い主の方、動物と暮らしていない方にも、ぜひ聴いていただきたいセミナーです。
たくさんのご参加をお待ちしています!

・講師 山口千津子先生 プロフィール
社団法人日本動物福祉協会 特別顧問 獣医師
大阪府立大学農学部獣医学科卒業後、英国やカナダで動物福祉に関する研修を受け、英国RSPCA(王立動物虐待防止協会)インスペクター(動物査察官)の資格を得る。
1981年帰国後、(社)日本動物福祉協会獣医師調査員として国内での動物福祉の推進のために活動。動物福祉についての講演多数。雲仙普賢岳噴火や東日本大震災をはじめとする緊急災害時においては、被災動物救護活動にも携わる。

・日時 2017年1月28日(土)14時~16時(受付13時30分~)
※終了後に質疑応答の時間をとります。

・場所 福岡市立博多市民センター視聴覚室
(福岡市博多区山王1-13-10)

参加無料

・申込み 事前申込が必要です。(定員あり)
お名前、連絡先を明記の上、メールか電話にて以下にお申込みください。
【連絡先】メール kumanimal.gp@gmail.com
電 話 092-409-0749(GoodBoyHeart内)

セミナーチラシのPDFデータはこちからダウンロードしてください。
動物福祉の視点から犬猫の殺処分ゼロを考えるセミナーチラシ

チラシにはセミナー用ブログやフェイスブック情報が掲載されています

セミナー告知用フェイスブックアドレスはこちらからどうぞ。

フェイスブックQRコード
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定員がありますので関心のありそうな方々にこの情報が伝わるように、情報の共有をしていただければと思います。

今この時期に、山口先生を講師に迎えたセミナーで動物福祉について考える機会をいただけることは本当にラッキーなことです。ぜひお早めにお申込ください。
グッドボーイハート生やブログをご覧のみなさまは、グッドボーイハートでも受付をしています。
ご氏名、ご連絡先を添えてこちらのメールにご連絡下さい。→goodboyheart7@gmail.com

たくさんのご参加をお待ちしています。

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子犬の社会化トレニング:子犬と外出

犬の子犬期間は乳歯の生えている生後5ヶ月から6ヶ月までをさしますが、一日で成犬になってしまうわけではありません。犬は人との暮らしにより成長が遅れがちであるため、生後8ヶ月くらいになっても子犬のような状態であることがあります。

発達が遅れがちだなと感じるのがテリトリーの構成です。テリトリーにはいろいろな領域のとらえ方がありますが、ここでいう不安定なテリトリーの構築とは生活圏=ホームレンジといわれる生活の場です。生活圏はいくつかのテリトリーの境界線によって作られており、一番外側の生活圏が散歩の場所ということになります。

子犬にとって散歩の場所が安定した生活圏になったと把握できる行動は、排泄行動によって表現されます。犬の排泄行動は、犬のテリトリーによってその場所がかわるため、視覚に頼る人にもわかりやすい情報源です。

子犬の発達が遅れ生活圏が不安定だなと感じられる理由は、散歩中に排泄行動がナチュラルにできないということです。散歩中に排泄をできないと、歩きながら排泄する、いきなり立ち止まり排泄する、アスファルトの上で排泄してしまう、などがそれにあたります。これらの行動は、子犬のテリトリーがまだ不安定ですよ、というお知らせとして捉えてください。

ところが、生活圏が不安定な子犬を、郊外の公園やドッグカフェ、ドッグランなどに車で連れていってしまう飼い主さんが多いのです。もちろん、飼い主さんの方は犬を喜ばせたいか、犬と楽しく過ごしたいという愛護の気持ちであることは理解できます。なかなか犬と過ごす時間がなく、子犬と休日を満喫したい、それには日常の散歩コースでは満足できないから遠出しようという人側の提案です。しかし、ほとんどの飼い主はこうした状態の子犬を連れ出すことが、子犬の社会化を後退させてしまうということに気づいていまん。

子犬を外に連れ出す理由は、実際に連れ出した子犬が吠えたり興奮したりしないために、子犬はその環境に順応していると思い込んでしまうためでしょう。もしくは、新しい場所、人、犬にあわせて経験させることが社会化だと勘違いされているからかもしれません。
犬が他の社会的対象(他の犬や人)に対して攻撃的に吠えるようになるのは、早くて1歳前後、遅ければ2才近くになってからです。子犬のころは緊張していても、動けずにじっとしていることがほとんどです。あまり多くのストレスがかかると子犬は寝てしまいます。人の子供が飛行機や乗り物に乗るとすぐに寝てしまうのも、身体的なストレスがかかるためです。連れ出した子犬や、帰宅後にすぐに寝てしまうのはストレス行動でもあるのです。いつもとは違う人や犬の多い公園やカフェ、ドッグランに出かけ、「帰ってきたら満足したようでよく寝てくれるんです。」という飼い主さんもいます。本当に満足して寝ているのでしょうか。多大なストレスがかかって寝ている場合もあるということもあります。

これらの行動が社会化を後退させる経験だったということは、犬が1歳を過ぎてから他の社会的対象に対して出てきます。子犬の経験が実際の社会行動に表現されるのが数ヵ月後ということですから、一瞬一瞬の犬の行動を理解する力がなければ、気づいたときには子犬の社会性はかなり落ちているということです。

子犬期の社会性の発達は、犬の生涯のストレスに影響します。まず、わかりやすいお知らせ行動に注目してください。散歩コースの中での排泄行動がナチュラルな状態で行われているかどうかをチェックしましょう。この行動が安定するまでは、お出かけは控えることです。不特定多数の人や犬が出入りするドッグラン、ドッグカフェ、大きな公園はおすすめできません。子犬といっしょに出かける場所を作りたいなら、知人の家などを借りましょう。同じ場所に何ども訪問して、テリトリーの所有者と関係を深めることで、その場所で子犬が居場所を作ることができて排泄を自宅と同じように正常にできるようになるという場所を探してください。

子犬は発達の段階でたくさんの可能性を秘めています。そしてそれはすべて飼い主さんにかかっているのだということは言うまでもありません。
大切な社会性の発達=社会化は、あちこちへ連れ出すことではありません。
飼い主との関係、安定したテリトリーが子犬の基盤になるのです。

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週末の月下虫音を聴いてください。

ラジオ放送LOVE FMの番組「月下虫音」は、大田こぞうさんがパーソナリティをつとめる番組です。平日の月曜日~木曜日までの22時~23時30分と、日曜日の22時~23時という、みなさんがまったりとしている、もしくは布団の中に入ってうつらうつらとしている時間に聴けるとても素敵な番組です。

何か素敵かというと、いろいろとありますが、やはり他の番組にはない「生きもの」をテーマにしていること。「生きもの」から自分を学ぼうという姿勢に溢れた内容で、大田こぞうさんの純粋な視点にワクワクさせられる番組です。

その日曜日版で、ときどきグッドボーイハートのブログを朗読してくれているのです。朗読として大田さんが取り上げてくれるのは、大田さん自身も納得、伝えたいと思って共感しれくれた内容です。
今週の日曜日、11月20日の22時から、またブログを読んでくれるとのこと。
すでに録音されているらしく、どのブログが読まれるのかとても楽しみです。

ブログはとにかく感じたことをどんどんと更新していこうという、走り書きのような状態なので、誤字脱字、言い間違え、うち間違え、文章飛んでるし、とかいろいろと不具合はあるのですが、その辺は大田さんの力量でなんとかしてね、とお願いしています。

感じたことを時間をかけて自分の中で膨らませたことも書いていますが、ついつい長くなってしまいます。言葉という2次元の道具ではとても伝えきれない、やはり3次元の世界でないと伝えられないなと思うことばかりです。

それでも、まず2次元で整理して、3次元で体感してもいいではないかとも思うのです。言葉や文章の難しさというのはありますが、言葉によって整理されることも多少はあると感じます。

大田さんがブログを朗読してくれると、分かりやすいなとか、分かりにくかったなという部分が自分でも再認識されて、とても助かります。できなかったことはできなかったこととして認めていかなければ、進んでいくこともできません。

月下虫音にはいろんな部活動があるらしいのですが、その中に「犬部(いぬぶ)」というものがあります。大田こぞうさんが部長のクラブらしいです。
私もなんだか役職をいただいたような気がするのですが忘れてしまいました。
ぜひ、ラジオ番組の犬部あてに、犬についてのいろいろを送ってみてください。月下虫音を聴きながら、みなさんはそんな風に感じたり思ったりするのだなと、自分の勉強にもなっています。

ということで、11月20日の月下虫音をぜひ聴いてください。
聴き逃した方は番組放送から1週間は、ラジコのタイムフリー機能という
すごい機能で聴くことができます。うっかり「寝落ち」するわたしも活用しています。

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消えた草履をひとつ発見

この秋、七山校のテラスの草履が次々をなくなっていく事件が続いています。
経過については以下のブログ記事をご覧ください。
ブログ記事 ぞうりを探していること
ブログ記事 消えた草履事件:容疑動物浮上

その4足、計8個の草履のうちのひとつが、今朝発見されました。
見つかった草履は3足目になくなったピンクの草履の片方です。
見つかった場所は、裏の倉庫の外側の端っこ部分、木と家に挟まった状態でした。
少し力をいれて引き抜くとやっと取り出せました。
このピンクの草履がなくなった日も、倉庫からのものの出し入れをしました。
そのときは気がつかなかったのか、もしくはそのときはここになかったのかは不明です。
草履には、動物の歯型がついていました。鋭利ですがそれほど大きな歯ではないようです。
体重は10キロ未満といったところでしょうか。

この倉庫の下ですが、過去にいろんな動物が居場所として使っていたことがあります。
最初に気づいたのは、アナグマが巣穴として使っていたときでした。
ため糞をする場所が作業室の隣で悪臭対策が必要となったことが、巣穴を見つけるきっかけになりました。夜ごそごそと巣穴に出入りする音も聞こえています。その数ヶ月後に、子アナグマが倉庫のすぐ横で昼寝をしながら日にあたっているのを見かけるようになりました。そして、部屋越しに顔を見たり声をかけたりしても、臭いや気配に鈍感なのかジーっとこちらを見ている有様で、非常に鈍感な動物なのではないかという印象を受けました。

次に倉庫下の穴を活用していたのは野猫でした。家を持たない猫だったようで、後ろのオポの水のみ場で水を飲んでいたり、ねずみをとったりしてしばらく暮らしていましたが、近くのメスの発情期になわばり争いを始めるようになり、結果この場所から去っていきました。

その後、巣穴を使っている動物はいないと思っていたのですが、また新たな動物が巣作りを始めているのかもしれません。アナグマなのか、タヌキなのか、キツネなのか…。
アナグマが使っていた場所ですし、アナグマは家の周辺でよく昆虫を食べています。すぐ近くで見ていてもあまり気づいていません。場所から考えるとアナグマ説が有力になりますが、アナグマはイタチ科です。それよりもタヌキかキツネのイヌ科動物の方が行動としては妥当性が高いと思うのです。実はタヌキはあまり見かけることがありませんでした。オポのアナグマに対する反応と、タヌキに対する反応は明らかに異なるものであり、タヌキの方も犬の気配にはアナグマよりは敏感なのでしょう。
動物の攻撃性は同種に向けられるものの方が厳しいものです。同種の動物はテリトリーが重なったり近づくことを避けようとします。同じ環境の中で得られる資源を奪い合うことになるため、テリトリーは明確にしておくことがその争いを避ける方法だからです。
犬同志であれば、テリトリーが重なっていたとしても、順位付けるという方法がありますので「ここはオレの島だ。」といわれてしまえば、劣位のものは「すみません。」といって引き下がるしかありません。

犬とタヌキは似て異なるもの。互いに近づかない方法がお互いのためといえます。

草履の片方が見つかったことで、草履事件の容疑動物が増えてしまいました。
またこれから観察を続けて絞り込んでいきます。
どんな動物もその自然な行動を観察することで学ぶべきことはたくさんあります。

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<犬のしつけ方>犬の社会性に大きな影響を与える犬用のケイジとサークル使いの注意点

犬に居場所としてケイジやサークルをお勧めしていませんが、発達の過程で取り入れなくてはいけないこともあります。あくまで過程と捉えています。
ケイジやサークルが一時的な場所でしかない理由は、室内犬の人との関係性、犬の行動、犬の身体や精神の発達などから説明することができます。
ですがその説明は大変長いものになるため、今日は犬猫のケイジ飼いが増える傾向にある、ある危険性についてお伝えします。

先日生徒さんから質問された中に「サークルの中にいれたまま犬を飼うという方法もあるのですね。」というものでした。生徒さんの話によるとテレビ番組で保護犬を預かるという風景として紹介されたというのです。保護犬を預かった芸能人のその方は、室内にサークルをおいてその中に犬を入れていたとのことです。おそらくサークルの中にトイレをクレートなども設置されていたことだと思います。

帰宅後、人が犬とコミュニケーションをとるときには、サークル越しにさわる、散歩に連れ出す、ダッコするの3つだけ、室内を自由にさせることがないため排泄の失敗をさせることも、イタズラを叱る必要もありません。実際、犬のケイジやサークルからできるだけ出さないようにという方法で、ケイジやサークルに戻って排泄をさせるトレーニングも存在していますが、そのように育てられた犬の行動はとてもいびつなものになっていきます。

サークルやケイジに犬をいれたまま飼うことは、現在暮らしている人の室内スペースに対して犬が影響を与えることは嫌だけど、犬に触れたりダッコしたり散歩に行ったりして、犬を飼うことを楽しみたいという新しいスタイルなのではないかと思います。実際それが可能なほど犬は小型化されている犬の数が増えています。

サークルの中で犬がおもちゃを噛んでいたり、寝ていたり、食べ物を食べているのを「観賞して」かわいいねといって写真を撮る。ダッコ中や散歩中にも写真をとり、それをまたかわいいでしょうと人に見せる。こうした写真をSNSにあげられていることが多いのでたまに目にしますが、一方通行のコミュニケーションは犬の感情の豊かさの発達を阻害するため、その表情はお人形さんのように無表情ともいえるものになっています。

動物を飼うというスタイルはその人の価値観によって様々なものだと思います。
魚を水槽で飼う、鳥を鳥かごで飼う、猫を室内やケイジの中で飼う、犬をケイジやサークルで飼う。動物とスペースを分けることで問題は生じにくく、ただ観賞を楽しむことができるようになります。

犬の場合には、サークルやケイジで飼おうとしてもまだその犬に意思を伝えようとする行動がある場合には、ケイジやサークルにかみつく、吠える、飛び上がる、ペットシーツをびりびりに破る、自分の体をかき続けたりなめたりする、などのストレス行動を表現してくれます。自分に必要な欲求が満たされていないというシグナルです。

50年くらいまえまで行われてた犬が屋外でふらふらとしながら、お腹が空いたり眠たいときに人のスペースを借りるという生き方は、もう存在しません。
わたし達は犬と関わりを持ちたいなら犬を飼わなければいけないのです。それが法律で決められたことです。

前述した、サークルやケイジの中にトイレとクレートを設置して犬をその中にいれておくという方法は、子犬のトイレトレーニングのときに取り入れられます。これも犬を飼う人の生活環境によりやむを得ずこうなったという形であり、ベストではありません。その埋め合わせをどうやって行うのかを考え工夫していくことが、犬との暮らしをより良く変えていくことだと思うのです。

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笹薮を刈り込んで日当たりをよくした結果、復活したゆず。
生きているものすべてが環境の影響を受けて育っています。

 

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犬と野生動物の関係:オポとキツネの不思議な風景

夜中から降り出した雨のため、草履消失事件の容疑動物の再現を見る張り込みは空振りに終わりました。
容疑動物としてキツネが浮上した経過については、昨日のブログをご覧ください。

キツネの話をすると「え?九州にキツネっているんですか?」という反応をよく受けます。
キツネといえば想像するのは北海道の大地。暖かな九州にキツネが生息しているということを知る方はいても、実際にキツネを目にしたことがある方は少ないのではないでしょうか?ここ七山でも唐津地区に近い地域の方にお尋ねしたところ、同じように「七山にキツネっておるとかいな」という答えでした。

わたしがはじめてキツネを見かけたのは、七山の樫原湿原(かしばるしつげん)を夜遅くに七山へ向かって車を運転していたときです。雪が地面に残るような季節でした。車をゆっくりと走らせると追いつかないのがわかっているのか、明らかにゆるやかなスキップという足取りで前進を続けたかと思うと、突然止まって振り返り、そして見事に山中へ消え去っていくという風景でした。その歩行する背骨のまっすぐで揺れのない美しい動作にうっとりとしてしまいました。同じ場所で4回ほど遭遇したのです。

七山校のテリトリー内でキツネを見かけたのは1回だけです。わたしが気づいたのがその1回であったとしても、先方はなんども訪れていることは間違いありません。その1回は、オポがキツネを見送る風景となりました。

場所は戸口を出た先にある動物たちとの境界線の内側、オポのテリトリーの中です。季節は春から秋にかけてです。冬は戸口を閉めてしまうため、戸口のあく「ガチャ」という音に反応して動物たちが去っていきます。戸口をあけている季節は、音もなく庭に出るので動物たちが逃げ去る影を目撃ことができます。そして、このときある事情でいつもは持たない懐中電灯を手に持ってオポについで庭に出ました。

そのとき、車のある位置よりひとつ高めの段から山の境界線にかける坂を、音もなく動く動物の気配に気づきました。オポは少し鼻先をそちらに向けており、私は懐中電灯を当てました。そこにいたのがキツネだったのです。

オポは他の野生動物に対しても大体同じように接していましたが、キツネに対してもやはり同じように接していました。相手がテリトリー内から後退し茂みに入っていくのを見ているというのがオポの行動でした。その野生動物を見ている行動が見届けているというふうに感じられるのです。もちろん視覚だけではなく全身の感覚でそれを得ているということです。後退を確認すると藪の中でガサガサと逃げていく動物を追い立てたり吠えたりすることはありませんでした。さすがにキツネはガサガサと音を立てることもなく、影のように藪の中に消えていきました。

野生動物に対するこのオポの反応は、引越しした当初からではなかったと思いますが、わたしがオポと共に動物達に会うようになった山暮らし1年後には、ほぼこのような行動で安定を見せていました。オポ8歳のときです。
そういえば、オポの隣犬だった里山犬が動物を追いかけているのを見たことがありません。安全確認の必要な情報だったら臭いを追いにいくはずなのですが、山中でたくさん嗅いでいる臭いのうちのひとつだったのでしょう。わたしが得ていない山の情報を、オポという犬がたくさん持っていることに勇気づけられたものです。

樫原湿原にしかいないと思っていたキツネを庭で見かけたのはこの1回限りでした。そのキツネ(まだ容疑中)が七山校を再来。しかも草履を4足も持っていったという事件は犬という動物の結界の強さを思い知らさせる事件です。草履をくわえていく姿を目撃できれば、その行動の意図へのヒントが得られると思うのですが、今日も雨なのでまた待ちぼうけになりそうです。

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消えた草履事件:容疑動物浮上

数日前に「ぞうりがなくなったこと」についてブログで紹介しました。
草履紛失事件が始まった1回目の出来事です。
1回目と書いたのは、そのあと3足の草履がなくなったからです。消えた草履は合計4足になりました。

続いてなくなった3足ですが、3日連続して毎日1足ずつなくなったのです。
1足ずつというのは、テラスにおいてあったのが1足しかなかったからでしょう。

最初にブログで紹介したときに一番有力だった紛失の理由は、私がボケたのではないかということでした。
どこかに置き忘れたのではないか?どこかに持っていかなかったか?捨てたのではないか?部屋の中においていないか?車の中に置いていないか?
ちょうどクラスのある朝に1つ目の草履セットがなくなったことに気づいたので、相談した生徒さんたちから、可能性のあるあらゆる質問を受けました。まったく思い当るところがないのですが、覚えてますか?とくり返し聞かれると、自分の記憶にも自信がなくなってしまうという曖昧さを体験しました。
ところが、今回3足が連続してなくなったことが、明らかに私の置き忘れではないことを証明してくれました。

2番目になくなったブルーの草履は、前回同様になくなったことに気づいたのが朝です。ちょうど来られた生徒さんに「草履がまたなくなった。」旨を訴えました。
そして、この日に買ってきたばかりの鮮やかなピンクの草履をおいたままにしておいたのです。それが一晩あけて戻ってきたらなくなっていました。
それで、昨日また新しい黄色の草履をおいておきました。持って行く方向が知りたくて、すぐに切れる糸を巻きつけておきました。月明かりが明るくて庭がよく見えたので夜遅くまでがんばって見張ったのですが、張り込み中に眠たくねり3時間ほど寝てしまった間に黄色の草履もなくなっていました。糸は切れていましたが、糸の方向から考えて持ち去った方角がわかりました。これで動物が来る方向もわかったということです。同時に昨晩はテラスの机の下に熟した柿をおいておきましたが、それは手つかずでした。どうやら草履にしか関心がないようです。

ブログを見て「キツネだと思う!」という連絡をいただいたので、ネットでキツネ、草履と検索してみると、キツネがビニール製の草履を山積みにしている写真やビデオに写っていたといういくつかの情報を得ました。

今までの情報を整理すると「犯人はキツネではないか」という線が最も強いものになっています。相手がイヌ科動物となると、こちらの関心も高まってしまいます。
それで、現時点でいくつかの疑問を残していますので以下に整理しておきます。

・草履は1足だとふたつ。一度に1個しか持てないから往復する必要があるのに、なぜ1晩で2個を持っていくのか。(毎回チェックはできていないが、少なくともこの3日間は、1日で2個を持っていかれている)

・すぐ下の家の犬が夜8時とか9時くらいまで吠えていたが、草履のなくなった時間は吠えていないと思う。(情報不確定)

・一度は短いブーツも同じ場所に置いたままにしていたのに、草履しか持って行かなかったのは何故か。

・ピンクの草履がなくなった日には、犬2頭が来ておりキツネの来るルートの方や、テラスのすぐ前になんども排尿をしていた。犬が排尿をしたばかりの日なのに、警戒せずに草履を持っていったのは何故か。

・容疑動物を「キツネ」だとして、一体何のために使うのか。
(ネットでは子狐の遊び道具のためという説明があったが、イヌ科動物の行動として納得できない部分があるから)

以上が現在の疑問点です。

疑問のある中でも、実際起きていることをこのように仮定しています。
・容疑動物「キツネ」イヌ科、イヌ亜科、キツネ属 和名:キツネ
・単独
・持ち帰り場所 巣穴
・行動の理由 執着行動?

今日は作戦を変えてみます。作戦は、草履をとられないようにするためのものではありません。容疑動物を特定したいという気持ちから行っています。
なぜかというと、環境の中にどのような動物がいて、どのような行動をしているのか、そしてその行動の目的が何であるのかを知りたいというのが作戦の動機です。
動物の行動は日常のひとつであり「害」があると感じるものに対しては対応はしますが、その前に動物を特定しその理由も知りたいと思うのです。

昨晩はひっぱれば切れる絹糸にし、1足しか結んでいませんでした。
多少の衝撃であれば相手を警戒させず、室内にいる私にも情報が伝わりやすいと思ったからです。しかし、昨晩は、眠いのと寒いのに負けてしまい3時間で張り込みを断念、星野道夫さんの影にも近づけない有様となり、自分でも情けない限りです。

本日の作戦は長いビニール紐です。簡単には切れないので時間かせぎになるのと、噛み切るのか、持ち去るのを諦めるのか、警戒してくわえようとしないのかという情報を得たいと思います。
まずは動物の特定、できることなら直接見て確認したいです。
天気が快復してますので月明かりは期待できます。

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犬を「触ってもいいですか?」に対応する方法:犬の環境を守るために

犬と散歩中に「さわってもいいですか?」と聞かれることがあります。

丁寧な声かけではありますが、申し訳ないけど自分だったら断ります。
一番の理由は、犬の側にたったときに、触られたくないだろうと察するからです。
散歩中にリードがついていて犬の方は自由に行動することはできません。
相手が近づいて来る事を許可してしまえば、犬には逃げ場はありません。
触りたい人に犬を提供することは、犬が社会に受け入れられるために必要なことのように思われています。
私もそのように思って、犬に受け入れさせていたり、トレーニングの練習としてガマンさせていたこともあります。
それも、あくまで人の立場にたった場合のことで、少しいやなことだけど上手に受け入れさせた方が上手くいくのではないかと思っていたからです。
ですが、今では考え方を改めました。犬の習性に反するようなコミュニケーションを飼い主が許可することは、犬との関係性において不信感になるだけです。犬は動物として理解されるべきだと感じるようになったからです。

犬を触らせたくない理由の二つ目は、犬が絶対に吠えたり噛みついたりしないという補償はないからです。吠える、噛みつくの二つは、犬がテリトリーやスペースを侵されたと感じたときに出る社会的コミュニケーションです。
「犬の体に触れる=犬のスペースに入る」という行動は、犬に多少のストレスを与えます。それが、相手のちょっとした行動や、周囲の他の刺激の追加によって、吠える、噛みつく行動へ発展しないという保障はどこにもありません。

自分が子供のときには、親からこのように教育されていました。
「知らない犬、人の家の犬には、絶対にさわってはいけません。」
「犬が近くにいるときに急に走ってはいけません。」
「犬が食べ物を食べているときに、近づいたり手を出してはいけません。」
犬を見ると「あ!犬だ」と駆け寄ろうとした犬好きの子供だったからこそ、母親も厳しく言ってきかせたのかもしれません。
犬とふれたい、犬と遊びたい子供の私は、母親が犬とどのように接しているのかを見ることが日課となりました。信頼を得ると犬の方から自分に近づいてくれるようになり、少しずつ距離感が縮まっていった記憶があります。

今では、犬を見かけると「触ってもいいですか?」と尋ねてから触るというのが礼儀になっているようです。子供達もそのような教育を学校の授業で受けているようです。実際、小さな子供さんの方が「触ってもいいですか?」と尋ねて近づいてきます。
犬は人が触っても噛みついたりしないやさしい動物であることを子供に教えるための教育なのかもしれませんが、違和感を覚えます。

人と人に置き換えれば、「触る」という行動は特別であることがわかります。
かわいい赤ちゃんを見たとしても「触ってもいいですか?」と尋ねるのは、とても礼儀のない態度です。「かわいい赤ちゃんですね。」といって、微笑みかけるくらいでしょう。
犬の場合には初対面で目を合わせることはしません。対象が他人であれば、まず臭いをとるというだけ、それであいさつは終わりです。

心がふれあう経験や体験、共に生活という長い時間をかけて関係を築いてきたからこそ、そこに「ふれる」という接触を通して得られるつながりがあるのだと思います。

特に、幼少期、もしくは興奮しやすい犬の場合には「触ってもいいですか?」を遠ざけることをお勧めします。
対応としてはこんな返事でどうでしょうか?

「すみません。今トレーニング中なので失礼します。」
「すみません。うちの犬は噛みつくかもしれませんので遠慮してください。」
「すみません。うちの犬は触られるのが苦手です。」

触ってもいいですか?ときちんと尋ねられているのですから、こちらもきちんと断る姿勢は準備したいものです。
そして、少しずつでも「実は犬は触られたがっていない」ということと、ふれあいの本当の意味をみなさんに理解していただけるように、これからも、このことについて話す機会を増やしていきます。

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