犬の散歩をしている人を見ていると似たような行動が多くあります。
犬がリードを引っ張っているときは手を前に出した状態で歩いていること。
イメージとしては掃除機の枝が前に出ているような形です。
そして、多いのは手を振って歩いている人。
歩くときに両手を振って歩くのは一般的な歩き方なのですが、
実はこれが犬にとっては不都合なのです。
小型犬の場合は、手に持っているリードが頭の上でブランブランと揺れています。
ゆれるリードが気になり、怖がったりすることから、リードを引っ張ることもあります。
飼い主の横にいる犬の場合だけなので、気づかない方もいるようです。
中型犬や大型犬の場合も、せっかく犬が飼い主の近くを歩いているのに
リードがブラブラとゆれていることがあります。
リードを安定させるために、リードを持っているときの正しい手の動かし方は、
つまり、手を動かさないという姿勢と歩き方です。
歩くときに手を動かさないというとバランスが悪いと思うでしょうか。
実はこちらの方がバランスがとれます。
従来の手を動かすと腰をひねる歩き方となり、腰に負担がかかってしまいます。
手を動かさない歩き方はよく時代劇に出てきます。
武士が急いで歩くときに両手をそけい部に乗せた姿勢で歩いています。
江戸時代の絵図にはたくさん見られる「なんば歩き」という歩き方だそうです。
なんば歩きの基本姿勢は、捻らない、ためない、踏ん張らない形です。
右足を出すときは手を出さずに、右肩と右腰を出すので体の中心がずれません。
体の中心がずれないと力が抜けてバランスが取れるので、
犬が不安定でリードを引っ張るときにも、すぐに自分のバランスを取り戻すことができます。
簡単そうなのですがやってみるとなかなか難しいものです。
歩行は長い間の習慣なので、変えていくのは難しいのですね。
そこで、両手を腰部に沿わせるように固定させて歩くように練習します。
リードを安定して持っている方は、両手を振っていません。
犬にリードをつけて歩くことは、犬と人がバランスをいっしょにとることで実現します。
バランスをとって歩くことが犬との歩行の基本です。
なんば歩き、挑戦してみてください。
クロモジの花が咲きました。