グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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“山羊のいるドッグスクール開校プロジェクト”がスタート

七山スクールに山羊を迎える準備をスタートさせることになりました。

七山スクールに来られたことのある方なら、山羊を迎えることになった理由についてお分かりいただけると思うのですが、このプロジェクトのそもそものきっかけは「草刈大変」という理由からです。

七山のスクール敷地は半分以上が山、つまり平らな地形がほぼありません。

トレッキングに使用している山の斜面の一部は山と里の境界線にあたる部分で常に緑に覆われており、坂面に立った状態での草刈には大変時間と労力を使います。

重たい草刈機を持って山の斜面にたって草刈機を左右に振る動作の繰り返しで、数年前に肋骨を疲労骨折しました。

骨折した箇所はほとんど糸のようにつながってはいますがずれたままで、これ以上骨折することは避けたい。

といって手仕事で草刈を進めようとしても、やってもやっても終わらぬ草刈の日々。

犬たちのお世話の合間なので、一日のうちの作業時間もほとんどありません。

それで、山羊たちが少しでも草を食べてくれたらな、とそんな想いで草刈隊員山羊部隊をお迎えしようかとほんわりと妄想しておりました。

ところがそんな妄想があっという間に現実になったのです。

これもご縁だと思うのですが、知り合いから知り合いへとつながってあっという間に山羊を譲って下さる方とつながったのです。

ところが、先日子山羊の出産についてお尋ねしたところ「今のところ出産予定はありません。」というお答えでした。

うちはまだ山羊を迎えるような時期ではないのだな、もう少し勉強しながら時期が来るのを待とうと腰を落ち着けていました。

すると、数日前に「突然ですが子山羊が産まれました。」と全く予期せぬお知らせをいただきました。

オスを去勢手術したので妊娠はないと思っていたところになんと去勢前にできた子種が大きくなり出産したとのことで飼い主さんもサプライズの出産だったそうです。

さらにすごいのが、超忙しく全く時間がとれないはずなのに、一日だけ開けていたその日程に子山羊の対面をすることができました。

私にとっては奇跡の一日なので、その日に子山羊と対面するなど…。

対面した子山羊たちはまだ生後5日で授乳中でした。

視覚も発達しておらずほぼ寝ている時間が多いような状態です。

まだバランスもとれずヨチヨチ歩きでした。

子山羊のご紹介から対面までがあまりにスムーズで、生まれた子山羊たちは自然の恵みの子たち。

「これはうちに来るべき子山羊たちに違いない」とご縁を信じるしかありません。

4月17日生まれの子山羊のうち2匹を7月末にグッドボーイハート七山にお迎えすることが決まったのです。

山羊に慣れていない犬たちのために、子山羊のスペースは犬のいる場所から少し離れた場所で考えています。

使っていない山のスペースはたくさんあるし、なにしろ山羊は山の羊、谷間の地形は最も得意とするところです。

山羊は犬と同じくらいの寿命です。家族として迎えるも同然の山羊です。

草刈隊員といっても、役割のある人の飼う家畜という意味でも犬と重なりますね。

すべての犬がとはいいませんが、子山羊たちにぜひ慣れて欲しいと思います。

子山羊たちにも犬に慣れてもらうために、これから山羊の習性についても勉強していきます。

犬と人の関わりを学ぶと犬のことが分かり、山羊と人の関わりを学ぶと山羊のことがわかり、山羊と犬の関わりを学ぶと、さらに犬のことも山羊のこともわかるようになると思います。

山羊と犬がどのように対話するのかを学ぶことも楽しみにしています。

グッドボーイハートは自然と調和することを目指すドッグスクールです。

グッドボーイハートらしい空間づくりとしてみなさんも楽しんで下さい。

Posted in 山羊, 自然のこと

小型犬の連休のお出かけに間に合うかな?移動用バッグはこんなものを選びましょう。

車の移動では、安全なハードクレートや骨組みのあるソフトクレートをおすすめしています。

また自転車などでの移動ではリュックが一番良いです。

道路を延々と歩くなら、犬用のカートも役立つかもしれません。

このようにいろんな移動用の道具がある中で、ちょっとの距離なら軽くて便利なのは移動用のバッグです。

バッグにはいろんな形がありますが、抑えていただきたいポイントは二つあります。

ポイント1 床面がしっかりとしているもの

ポイント2 上部の蓋が完全にしまるもので、網型と布型の二重になっているもの

 

先日、家庭訪問レッスンのときにミニチュアダックスちゃんが使っていた「お気に入り」だというバッグがなかなかしっかりとしたものだったのでこちらにご紹介します。


ブランド名はfree stitch

右がSサイズで左がMサイズ。

小さく見えますが、この手のバッグは肩にかけたりするので、あまり大きなものだとバランスを崩してしまうかもしれません。

こちらで販売しているバッグは2種類で、上記のバッグはカバーば網あけですが完全に閉まります。

別のバッグは網カバーの上に、完全に覆うカバーもついており、いずれか選択して使うことができます。

詳細は以下のブランドサイトでご確認下さい。

https://fs-store.jp/?pid=98147259

https://fs-store.jp/?pid=106738965

みなさんいろんなバッグを使っていらっしゃるため、本当に種類は多いのだと思うのですが、しっかりした形のバッグはなかなか見つからないのでこちらにご紹介します。

またこれを参考に生地や形がしっかりとした安心&安全の移動用バッグを使って下さい。

 

また、移動用バッグの日常的な使い方としては、マンションの部屋から玄関前までの移動で使うことをおすすめしています。

短距離でしたらダッコでの移動でもストレスは少ないでしょうが、エレベーター内で吠えるなどの状態になっている場合には、犬たちのストレスフリーのために面倒でも移動用バッグをご利用下さい。

お出かけを楽しみにしているダックスちゃんはレッスン中ずっと自主的にバッグインでした。

ゴールデンウィークは自然いっぱいのキャンプに連泊されるとのこと、楽しみですね。

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昭和のテレビドラマの犬の散歩風景を見て思ったこと。

ちょっとしたことがきっかけでとても古いテレビドラマの映像を見ました。

今から40年以上前の1979年に放送されたテレビドラマ「金八先生」です。

当時は中学生や高校生だったというみなさんならご覧になられたことがあると思います。

ですが、私はこのドラマを一度も見たことがなく、無料配信のアプリで見かけ興味本位で初めてみました。

ドラマの内容は一部しか見ていないのですが、進学校に通いつつ犬の訓練士になると宣言した中学校三年生だった自分の青春時代と重なることも多く、懐かしい想いがよみがえりました。

しかし、ドラマの内容よりも印象的だったのは、暮れなずむ町の~という武田鉄也の歌う「贈る言葉」ではじまるドラマのオープニング映像です。

土手を金八先生が歩いていくシーンで犬を連れた女性とすれ違うのです。

犬の種類はおそらくシェルティと思われます。

この昭和の時期にはアニメのラッシーが流行ったこともあり、ラッシーの役をしたコリーと似ていて少しサイズの小さなシェルティは日本で確かに流行った純犬種でした。

私が映像に注目した理由は、犬種がシェルティだったということではありません。

シェルティを散歩させているのは女性の飼い主でしたが、その飼い主がリードをまっすぐに上にあげて犬をやや自分に沿わせるように散歩をさせている姿です。

みなさんからしたら「まだまだ」の領域ではありますが、この時代には珍しくかつちゃんとした散歩の形です。

いつの時代も日本ではリードを持つ手を伸ばして掃除機のような形で犬を散歩させる人ばかりでしたので、このスタイルをスカートをはいてエプロンをはめた女性がしているというのは珍しい光景だといえます。

想像になりますが、シェルティを入手した際にこのような形で散歩にいくように指導を受けたのではないかと思うのです。

この時代にシェルティが流行っていたとはいえ、純犬種の犬を飼えるのは中流でも上向きの家庭もしくは上流家庭くらいです。

もしかしたらシェルティを散歩させていたのは、上流家庭のお手伝いさんという設定なのかもしれないと思いました。

時代を象徴する姿としてドラマのオープニングに登場したシェルティと歩く女性。

西洋の純血種が日本に入り始めた初期の頃は、散歩の形などは犬といっしょに輸入されたはずですが、そもそも犬につながずに飼う習慣だった日本人からしてみれば、西洋の純血種犬を飼うことなど分からないことばかりです。

この時代に私の家庭でも純血種の柴犬を迎えていたのですが、その飼い方は今思えば中途半端な形ではありました。

幸い動物好きの母親が厳しくしつけた柴犬は、飛びつくこともなく、無駄吠えも咬みつくこともなく、私の良い遊び相手となってくれました。

しかしそのことがきっかけでまさか娘が「犬の訓練士になる」と言い出すとは両親は思いもよらないことなので、娘に犬を飼ってあげたのは誤算であったと悔やんだことでしょう。

両親の誤算でしたが、私としては犬との出会い、犬について学べたこと、犬の飼い主さんたちとの学びが人生にとって最大にすばらしい時間となりました。

どんな時代にも人と生きた犬たちの時間、今現在人と生きている犬たちの時間、すべての時間が豊かなものでありますように。

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4月のアフターグループクラスは草刈大会&薪作り大会を開催します。

4月第4日曜日の午前中のグループトレッキングクラスのあとに、草刈大会と薪作り大会を開催します。

作業中は犬たちを飼い主さんの活動場所の近くに配置します。

人も自然と戦うのだという真剣な姿勢を犬と共に共感したいと思います。

作業時間は2時間程度です。

もちろん、希望の方だけご参加下さい。

・草刈部

草刈部にご参加の方は自分の犬を作業場所まで移動させながら行います。

草刈部にご参加規模の方でご自宅に草木用の鋏などをお持ちの方はぜひご持参ください。

この時期はまだ鎌で刈るほど伸びてはおらず、笹の小さな芽を切り取っていく作業が多いでしょう。

・薪作り部

男性はぜひこちらへ。また女性陣は慣れている方にお願いします。

たくさんの薪が積まれていますが、薪を切るところから薪割りまでします。

 

どちらも自然の中で楽しく過ごしていただくことが目的ではありますが、庭の手入れというよりは少しやっかいな部分もあります。それもまた自然と付き合うということでぜひご参加下さい。

「草刈山羊隊員募集」に対してまだ応募がなく、今年まで人力で頑張るしかないかと覚悟を決めました。

雨天中止です。

ご参加の方は事前にご連絡下さい。

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大好きな犬との距離感が近すぎて大切なことを見過ごしていませんか?

犬と暮しているほとんどすべての人が、犬の魅力にはまって犬大好きになるのは素晴らしいことです。

ですが、その大好きな犬への愛情表現の仕方によっては、犬との関係がうまくいかないということがあります。

例えば、大好きな犬への愛情表現の一部をご紹介するとこんな感じです。

帰宅してすぐに「ただいまー」と犬を撫で繰り回し、抱っこする。

「大好き」と犬を抱き上げたり抱きしめたりする。

部屋の中ではずーっと犬を撫でていて、始終くっついた状態でいる。

こんなことが日常的になっている飼い主がたくさんいるのだと思います。

しかし、こうした犬との関わり方はあまりにも犬が自分に対して近くにいすぎることで、実際に犬という動物がどういう動物なのかを知ることすらできません。

そもそも、犬が自律した状態で生きているのであれば、人の膝の上に登ってきたり、ジャンプしてとびあがってきたり、飼い主の寝ている上に乗っかって寝たりはしません。

落ち着いている犬であれば、興奮して向かってくる飼い主を上手にいなすでしょうし、飼い主に寄りかかって寝たり、膝の上に上がろうとすることはありません。

犬を動物として客観的に観察していくためには、犬と飼い主の間に一定の距離が必要になります。

先日、犬語セミナーを受講したあとにある生徒さんがいい話をしてくれました。

あるお坊さんのお話では、尊いと思っている仏像は離れて向き合って手を合わせて拝むものであって、近づいてじろじろとみるようなものではないという話だったそうです。

尊敬の気持ちがあるなら、一定の距離を保って見つめるのだということが犬と人の関係だと同じだと思ったとその生徒さんは言われていました。

それは、本当にその通りだと思いました。

一定の距離を保つことが「犬を尊重すること」だと気付いている飼い主さん、さすがにグッドボーイハートで共に長く学ばれているだけあるとありがたく思いました。

犬と少し距離を保って生活をすることを誤解されている方がいます。誤解とは、犬を撫でまわしたり、抱っこしたり、体に乗っけたりしなければ犬を可愛がる行為がないと思われていることです。

これは大きな誤解であって、むしろ犬を大切に想い、尊重する気持ちがあるなら、むしろ多少の距離をとって犬が何をしようとしているのかを見守る(観察する)姿勢になるはずです。

犬と飼い主の距離が近くなりすぎるということは、犬は行動の範囲が狭いと思い始めているということです。

犬の飼い主に対する執着行動は、犬の生活環境、子犬期の過ごし方、飼い主の価値観で決まります。

犬が大好き、犬のことをもっと知りたい、犬と良い関係を築いていきたいと思うのであれば、少し犬と距離を置いてみましょう。

私ももちろん犬が大好きですが、犬を抱き上げたり抱きしめたり、わさわさと撫でたりはしません。

本当に大切な存在であるからこそ大切に見守っていきたい、犬はそんな存在です。


 

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グループトレッキングクラス&犬語セミナーを開催しました。

今月もグループトレッキングクラスと犬語セミナーを開催しました。

トレッキングクラス開催の日の夜中からしとしとと降る雨の音に「明日トレッキングできかな…」と眠れぬ夜(本当に眠れなかった)を過ごしました。

当日の朝もほんの少しだけ残る雨でしたが、強気の生徒さんたちからの朝の確認連絡はほとんどなかったことで私も気持ちが盛り返しました。

少々の雨でもいつも室内に閉じこもりがちな犬たちを山で過ごさせたいという飼い主さんの気持ちが伝わったのか、開催時間には小雨もあがり無事にトレッキングクラスを開催できたのです。


 


今回は預かり犬たちもトレッキングに連れていくために、写真撮影の協力も生徒さんたちにお願いしました。



小さな犬たちもいるのですが写真が撮れていなくてすみません。

写真を撮ることよりも、今この瞬間に起きてることを心にとどめておくことの方がずっと重要なので、みなさんの心に残ったものこそが大切なものですね。

午後は犬語セミナーを開催しました。

はじめてご参加された生徒さんたちもいて、犬のコミュニケーションを読み解く方法をみなで学びました。

同じ動画を何度見ても見落としていることがあって、セミナー中に気づくこともたくさんあります。

他の方がどのように見ているのかを聞くことで開ける世界もまた楽しいものです。

セミナーの後半には、オポハチミツで作っていただいた美味しいお菓子をいただきました。



私の脳内の妄想コーナーに潜む“オポカフェ”を楽しませてくれました。

どんな自然の素材も作り手で変わり、どのような世界を生きていくのかも自分次第です。

犬と暮しているなら、自分の生活の中で生み出されるものを全部丸ごと大切にしたい。

今は犬を飼っていない私ですが、あの時の気持ちはまだ続いています。

グループトレッキングクラスだからできる飼い主さん同士の交流も、仲間がいるから大丈夫、ひとりじゃないから頑張れる気持ちを次々と生み出しているようです。

オポハウスではプライベートトレッキングクラスも開催しています。

家庭訪問クラスを受講された方ならどなたでもご参加可能です。

4月のトレッキングクラスは第4日曜日の10時集合です。

午後の犬語セミナー開催についてはまだ未定です。

犬語セミナーがなくても何かをしようとは思っていますが、決まり次第お知らせします。

 

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飼い主が強ければ犬は安心して暮らせるのが犬の群れのしくみです。

昨日はWBC(ワールドベースボールクラッシック)の決勝戦でした。

日本とアメリカの試合終了間際はと移動タイムだったために、訪問でインターホンを鳴らす時間がずれたことは幸いでした。訪問宅の生徒さんも「ギリギリ間に合いました。ちょうど今終わったので…」と出てこられたところでした。

野球に精通している方ですら生きてる人間とは思えない強さの大谷翔平選手らしいですが、今回のWBCを横目で見て感じたのは「主軸が強いと群れには安心感が生まれる」ということでした。

チームのリーダーとしてはまた別の選手がいらしたのだとは思うのですが、ピッチャーという主軸のポジションになる選手が圧倒的に強く存在感があれば、チームの選手全体がいけそうな気がするという気持ちが盛り上がるのは間違いないと思います。チームだけでなく応援している人々全体に「勝てる」という気持ちが強まったはずです。

このチームの中での大谷選手くらいの存在感が、飼い主と犬で構成する家族の中にあったとしたらどんなに犬は安心できるのだろうかと考えます。飼い主が大谷選手くらい強い主軸になるということですが、犬にとっての飼い主というのはそのくらい強い存在であってほしいと、私が犬なら思うでしょう。

この飼い主なら大丈夫、絶対に負けるはずがない、と犬が飼い主のことを認めてくれるようになれば、犬が吠えたり興奮したりするような乱れた行動をとることはなくなるはずです。

そんな大谷選手的存在になるために必要なことを、生徒さんたちに練習していただいているはずです。

同時に、気持ちの中でも「飼い主としての自分が主軸であることを忘れない。」自分の立ち位置を忘れずにそれを楽しむことも大切であると考えます。

大谷選手に学ぶことはいくつもありますが、大谷選手について語られていることのひとつに私も大きく感銘を受けたことがあります。

それは「緊張する場面に立たされたときに、どうしようかと考えることもあるけれど、それよりもここから何を学べるかを考えるようにしている。」というようなことを大谷選手が言われたということでした。

直接その言葉を聞いたわけではありませんが、いかにもそのように考えられる方だからこそ緊張や難しい場面から逃げずにいられるのだなと思いました。

私自身も困難に向き合ったときに、今学べることは何かと考えるように努力しています。

犬と向き合うときにも、なかなか行動に変化が見られない犬から逃げようとするのではなく、この犬の軸となるのは飼い主である自分、今この犬と向き合って何を学べるかを考えるようにしようと思ってみてください。

犬の軸は飼い主であるあなた自身です。

軸が強いと群れは強い、群れが強いと安心感が生れます。


 

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犬の散歩中の拾い食いは犬のストレス性行動です。叱る前に犬が必要とすることを学びましょう。

犬の拾い食い行動ってどんな行動ですか?

 

犬が散歩中に落ちているものを口で拾いという行動を見たことがあるでしょうか。

「犬の拾い食い」の多くは年齢の若い犬、散歩に出始めたばかりの犬によくみられる行動です。

犬は好奇心旺盛で何にでも興味を持つ動物なので、落ちているものを口にいれるのは犬としては普通の行動だと思っている方も多いと思います。

ところが、散歩中になんでも拾う行動は「犬のストレス性行動」なのです。

行動のパターンの中では、犬の衝動的な行動であり、継続して繰り返される執着行動のパターンです。

飼い主さんとしては、犬に危険なものを口にしてほしくないし拾ったものを取り返そうとすると咬みついてくるなどの理由でトレーニングを依頼されることが多いのです。

そこでこの行動がストレス過多の状態によって起きることを説明するとびっくりされます。まさか犬が落ちているものを拾う行動がストレスの表現であるとは思いもしないはずです。

犬が口にしたものが完全な食べ物だけであれば、犬は食べるものを探して拾っているということになり、食べられないものを拾うストレス性行動とは少しわけて考える必要があります。

公園でいつも落ちている木々の食べられる甘い実を狙って拾って食べるのであれば、それはストレス性ではなくただ食べたいという欲求で食べているだけです。

散歩の道中に落ちているものを一つ一つチェックしながら食べられるものを見つけている犬もいます。このように「落ちている食べ物を見つけるための活動」になっているとしたら、この散歩は本来の目的とは離れてしまっています。

一番よくみられる犬の拾い食い行動では、食べられない石や紙切れ、ビニール、綿ゴミなどの小さなものを口にする行動です。

 

拾い食い行動は犬が何歳くらいから起きるのか?

 

犬の拾い食い行動がよく見られるのは、犬が散歩に出始めたときです。

子犬を散歩させる前に入念な社会化学習の準備をしておけば、拾い食い行動はさほど長引きません。

ですが、子犬の外のにおいに慣らさずにいきなりリードをつけて歩かせようとするとこうした行動をすることがあります。

子犬の散歩のための事前準備に抱っこ散歩は入りません。

※子犬を抱っこして散歩することは、子犬が外で不安を作りやすい状態を作り出すだけで逆効果です。

また、犬が青年期に入り大体生後6ケ月から1歳半の間に起きる社会的な退行期で散歩中の拾い食い行動が出ることがあります。

犬が子犬から成犬に上がらなければいけないこの時期の年齢では、一旦獲得したように思えた社会化が崩れていく行動が見られます。

例えば、それまで他の犬の吠えなかったのに吠えるようになった。

散歩中に急に立ち止まる行動が増えた。

そして散歩中に拾い食い行動をするようになったなどもこの期間に起きることがあります。

 

犬の拾い食いはどのようにして止めさせたらいいのか?

 

犬のすべての問題行動について共通していえることは、叱っても無駄だということです。

犬の拾い食いも同じことですが、起きてしまったことにダメ出しをしても犬には理解できません。

それよりも、犬が抱えているストレスの解消をするために何ができるのかを考えた方が効果もあるし犬のためにもなります。

その犬が抱えているストレスとは、犬の社会化の未発達にありますが、またその要因となっているのはやはり「飼い主との関係」です。

逆をいえば「飼い主との関係性」さえ改善すれば、犬の行動は本当に激変してしまいます。

犬がどのような動物なのかを知っていけば、飼い主としてしなければいけない行動も決まってきます。

難しく考える必要はありません。

要するに飼い主次第で犬はどのようにも変化するのだということです。

少しやる気になってきたでしょうか。

犬のしつけ方を習うということは、犬がどのような動物であるかを学ぶということです。

犬は人ではなく犬なのだということに気づくことをぜひ楽しんで下さい。


 

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人生ではじめての「花粉症」という壁にぶつかって知ったこと。

数日前から違和感のある喉の痛みと鼻から出る止まらない水。

わたしは花粉症にならない、という神話が崩れた日です。

私が七山にこもっていると信じているある生徒さんからは「花粉症って都会の病気だと思っていました。」と言われました。

そのとおりです。

花粉を発生させるのは山ですが、花粉は都市空間のスモッグなどの粒子と結合して化学反応を起こして人の鼻の粘膜に吸着してアレルギー反応を起こしていると聞きました。

汚れた空間に長くいたことで起きてしまう花粉症を発症した日は福岡での仕事が続いたときでした。

でも、今までこのスタイルでずっと働いてきたのに起きなかった花粉症の症状がついに私にもやってきたのです。

止まらない鼻水の処理に困りながら、一刻も早く山の学校に行かなければいけないと戻ってくると不思議です。

山の空気を吸ったとたんにスーッと鼻に空気が抜けていくのを感じました。

今まで何人もの花粉症の生徒さんが「七山に来ると花粉症が良くなるんです。」と言われていたことを初めて体験することができました。

空気が体を通る感じです。

山の空気にはスモッグが少ないため花粉は汚されてはいません。

山に来ると花粉症の症状は劇的に少なくなりました。

都会と自然の環境の違いが自分に与える影響についてこれほどわかりやすく感じることはありませんでした。

花粉症の症状は辛いものですが、今回は良い体験をできました。

犬も花粉症になりますが、人とは症状も異なるようです。

また人の花粉症のように数もまだあまり多くはありません。

それでも、犬がこのままずっと都会に生き続けることになれば、そのうち多くの犬が花粉症になるのではないかと不安になります。

犬たちにできるだけ新鮮で透明な空気を吸い込んでほしいと思います。

花粉が山にあるから山には行けないという考えは全く間違っています。

むしろ、花粉症のこの季節には犬をお供に山に出かけて下さい。

七山の空気をたくさん吸い込んだら早く花粉症が改善するような気がします。

山で過ごす犬たち

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犬語セミナーで学べること「犬のコミュニケーションと社会性」「飼い主が犬に与えている影響について」

先月末に犬語セミナーを開催いたしました。

犬語セミナーとは、犬の動画を見て犬のコミュニケーションを学ぶセミナーです。

動画として使用しているのは、ほとんどが預かりやクラスのときに撮影したものです。

グループトレッキング後に開催している対面の練習クラスで撮影した動画は特に人気があるようで、参加した生徒さんたちは食い入るように見られていました。

犬の動画を見て学べることは、まず犬のコミュニケーションの仕組みです。

犬のコミュニケーションはシグナルという規則正しい信号によってなりたっています。

尾を立てる、横に振る、巻くとか、

耳を立てる、下げる、倒すとか、

横に動く、かがむ、前進するとか、

吠える、唸る、牙をあてるなどもです。

ひとつひとつのシグナルを動画を見ながら読み取ります。

そのシグナルは一度に複数出されることもあるし、犬の状態に応じて時間とともに変化していきます。

そうなるとシグナルの数も多くなり動きも複雑さを増していきます。

犬が一貫して変わらない姿勢を貫けば、シグナルは非常にわかりやすいのですが、

犬の気持ちや方向性があっちへいったりこっちへいったりと不安定になると、行動も複雑化していきます。

犬の気持ちに寄り添うように犬のコミュニケーションを読み解く作業はとても楽しいもので、犬の気持ちがわかったと思うときには笑いが出たり、ため息が出たり、飼い主さんも一喜一憂します。

 

犬と犬が関わる動画が中心になりますので、個々の犬の持つ社会性(社会的なコミュニケーションの力)についても知ることになります。

その犬の個性となることもありますし、成長とともに変化していく行動もあります。

例えば犬と犬の対面練習の動画を一年前のものと見比べてみると、犬の行動が大きく変化していることがあります。

犬が成長とともに社会性を変化させたことを知ることもできるのです。

同時に、犬の社会性やコミュニケーション力に飼い主としてどのような影響を与えているのかを考える機会を持つことになります。

犬と犬のコミュニケーションを見るときに、それがすべて「犬の個性」だとすることはできません。

犬の社会性は犬の年齢とともに変化することは当然のことですが、同時に犬の環境によって大きな影響を受けています。

何より最も影響を与えているのは、犬に日々接している飼い主です。

犬と犬の関係性なのに、なぜ飼い主が影響をしているのかがわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

犬の社会性の基礎は、飼い主との社会的関係だからです。

犬と飼い主の社会的関係とは、犬と飼い主はひとつの群れ(家族)として暮らしていることで関係性を持っているということです。

これは犬の動物としての習性ですが、種が違う動物であっても同じテリトリーを守りつつ生活している同居動物を犬は群れと見なします。

この協力関係を結べることが犬の素晴らしいところでもあり、やや面倒なところでもあるのです。

 

犬語セミナーは最終的には「では、自分が犬に与えている影響とは何か。」について考えるためのセミナーです。

グッドボーイハートの生徒さんたちは根強く学ぶ方々なので、この難しい質問について真摯に向き合い全力で取り組まれています。

あくまでも、自分を苦しめるためではなく、自分と犬が楽しく暮らすためにです。

犬を抱きしめたり撫でたりすることは、犬との暮らしの上で表面的な喜びでしかありません。

本当に喜びとなるのは、共感の世界に入ることではないでしょうか。

 

共感を抱くには、他者の存在を認識し、他者が必要とするものを感知しなくてはならない。

フランス・ドゥ・ヴァール著書「道徳性の起源」より


 

 

Posted in 犬語セミナー