グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

<オポのこと>新しい家族を迎えること、オポとの別れについて

オポハウスに新しい家族として成犬を迎えることになり、その日が近づいています。

初めての犬との暮らしを前にソワソワするダンナくんを横目に、様々な物理的な準備を整えつつ私もワクワクしています。

オポが亡くなって今年で10年目を迎えます。

オポの旅立ちの後はたくさんあった「先生、もう犬は飼わないんですか?」という質問もほとんどされなくなっていました。

なので、生徒さんたちの中では今さらなぜ犬を迎える気持ちになったのかという疑問も生まれたようで先日、昼食会のときにその質問を受けました。

色々とお話しましたが、はっきりというと犬を飼いたいと思うような気持ちがなかったものが、犬を迎えようかなという気持ちに変化したというだけのことです。

その変化はなぜ訪れたのかは私にもわかりません。

理由を説明しようとすればいくつも思いつくためそれを口にしているだけです。

だって、本当に犬を飼いたいと思うのなら私の行動パターンからしてなんとでもして飼うはずだからです。

だから、私がオポ亡き後に犬を迎えなかったのは、そういう気持ちになっていなかったというだけのことです。

人生の歩み方というのは人それぞれです。

すごく計画的にいつ仕事を変わるとか、いつ結婚していつ子供を産んで…などと理性的に考えることができる方もいるのでしょうが、私にはそのような人生はありません。

犬の訓練士になりたいと思ったからなった、

犬を迎えたいと思ってオポが来た、

山にオポと暮らしたいなと思って山に移り住んだ、

結婚したいと思ってダンナくんと暮らした、

山羊がいたらいいなと思ってアールとゼットが来た、

そして、犬がいたらいいなと思うようになり、今回J(ジェイ)を迎えることになりました。

この流れにプランは一切ありません。

こうしたいと思うことがただ次々とつながっていく、ただそれだけのことです。

オポ亡き後にすぐに犬を迎えなかったことにも、大した理由はありません。

単純に犬を迎えたいという気持ちがなかったというだけのことです。

そして、オポとの別れをどのように整理してきたのかということについても特別なことはしていません。

みなさんがそうであるように、犬との別れは人との別れとはまた違う特別な深い悲しみを育ててしまいます。

自分の悲しみの沼に他人がはまらないようにと接触を避けるようになることもあるでしょう。

しかし、私はオポとの別れで生まれた悲しみや辛さを押し殺すことをしませんでした。

ひとりのときはオポの写真を見ながら思いっきり泣き、オポのことを知っている人と思い出話をしました。

そして何よりも、オポが私とともに育ててくれたグッドボーイハートを続けていくことがオポに対する敬意に繋がると信じて休む間もなく仕事に没頭しました。

家族がいなくなりオポハウスにひとりになったときに強く「家族が欲しい」と思うようになりダンナくんと出会って結婚したのですが、これもまたオポが教えてくれた出会いです。

オポと暮らさなければずっと一人で生きていたかもしれません。

ダンナくんはオポのことを初めて話したときから何故か自分がオポの生まれ変わりだといい張っており、自分の愛称をオポアキとしました。

ダンナくんの仕事である結婚相談所の名前もオポなので、仕事仲間からはオポさんと呼ばれているダンナくんですが、実は一度もオポに会ったことがありません。

ただ、オポが私と彼をつなぐ大切な存在であることを本能的に理解しているようです。

大切な誰かとの別れを乗り越えるのに、時間は絶対に必要です。

でも、別れの辛さや悲しみは忘れることでは解決しません。

時間には過去、現在、未来の三つがあります。

別れを惜しむあまりに時間が“過去”に戻ってしまうとどんなに時間がかかっても癒しは起こりません。

自分の中に起きるのは、後悔という苦しみです。

辛い別れを早く忘れようと“未来”に進みすぎても癒しは起こりません。

自分の中に起こるのは、逃避という苦しみです。

大切にしたいのは“現在”。この時間を生き続ければ癒しはずっと続いていきます。

これもきっとオポが教えてくれたことです。

犬の年齢が進んでくるともうあまり残されている時間がないと感じて常に不安が付きまといます。

でも考えてみれば、自分が明日生きている補償などどこにもないのです。

そんなことを考える時間があるならもっと楽しく充実した時間があるはずです。

犬も山羊もニホンミツバチも、私の周りにいる動物たちはいつもそれを教えてくれます。

今はオポのことを思い出しながらJとの対面を楽しみにしています。

雪の風景のオポ