七山でずっといっしょに暮らしていたオポという犬が亡くなって今年で5年になります。
犬という動物について私を覚醒させてくれたオポのこと、家族として一緒に暮らしたオポという犬のことをきっと生涯覚えていると思います。
人生のいろんなときにオポに助けられていると感じることがあります。
先日もそんな事件がありました。
七山でひとりで作業をしていました。
テラスを片付ける作業で薪を一輪車に乗せて広場の方に移動させていたのです。
坂道を一輪車で下るときに転びそうなので、後ろに下がる姿勢で一輪車を動かしていました。
初回はまあまあ上手くいき無事に薪を移動させ、そして2回目の移動を始めました。
少し調子に乗って動きが早かったようですいすいと後ろに下がったのですが、ふと右後ろ足を置く地面がなくなりました。
えっと思った瞬間には体が背中から下に下がっていき、気づいたときは溝の上に両手両足を上にした状態で背中を地面につけていたのです。
道のわきに途中からあった高さ2メートルくらいある溝に背中から落ちたということです。
倒れる瞬間に一輪車から手を離したので、一輪車はあと数センチのところで止まっていました。
溝に落ちた私の上に薪を乗せた一輪車が落ちてきていたら一貫の終わりだったでしょう。
さらに2メートルもの高さから硬い地面に背中から落ちたにも関わらず、大した打撲も骨折もなく無傷のままでした。
ただ落ちたという事実を受け入れるのに時間がかかってしまい、しばらくぼーっとして自力回復を待ちました。
そのうちダンナくんが七山に到着し、落ちたことを説明したのです。
ところが「ここに落ちたのに頭も打ってないの。無傷とかあり得ない…。」といって納得できない様子で逆に呆れられてしまいました。
多分誰に話しても信用してくれないのだろうと思うような、そんなびっくりする場所です。
落ちた瞬間はスローモーションほどゆっくりではありませんでしたが、コマ送りくらいのゆっくり速度にはなっていました。
多分、オポが下で受け止めてくれたのだろうなと勝手に思うことにしました。
七山に引っ越したばかりのころ、慣れない斜面での草刈りの途中に急に立ち上がってそのまま後ろにひっくり返ったことがありました。
オポは斜面の上で手にかまを持ってひっくり返った私を気の毒そうに見ていたことがありました。
そのときも無傷でしたが、あまり運動能力のない私をオポがどこかでサポートしてくれたのだと思うことにしました。
オポに助けられたということは、まだ人生の中にやるべき仕事があるってことなのかなと考えつつ七山のオポ邸のリフォームを自力でがんばっています。
七山にはどこにでもオポといっしょにいた思い出があります。
思い出にしがみつきたいわけではありませんが、オポと共に生きた日々の思い出は力をくれるのです。
今は新しいパートナーといっしょにがんばる日々を積み重ねています。
わたしたちの周りが幸せになりますように。
今日はオポの誕生日でした。