沖縄に梅雨前線が上がってきました。福岡の梅雨入りも秒読み態勢にはいりましたね。
ある飼い主さんから、雨の日の散歩についてこんなご不満をうかがいました。
「雨の日は散歩に行きたがらないんですよ。排泄もなかなかしてくれなくてガマンしているみたいだし…。」
「雨の日に犬が散歩に行くのを嫌がる。」
これにはいくつかの理由が考えられます。
ひとつは、そもそも動物は雨の日には活動量が落ちるという理由です。
雨の日は地面の臭いは、いつもとは異なるものになります。
晴天の日に臭いをとりながら家の周囲のなわばりについて確認するための散歩も、
雨の日となると臭いの変化が起き普段とは異なる環境になります。
また、雨の日は神経がリラックスモードの方に切り替わりやすい状態になっています。
そのため動物の活動性が抑えられます。
雨の日は屋内でゆったりした作業をしたくなるとか、ですね。
それでも小雨程度なら平気です。普段と変わらず散歩を楽しみます。
たいした雨でもないのに散歩に行きたがらない場合に考えられること。
ご自宅のワンちゃんはどうでしょうか。
このケースの中には、犬の被毛の状態によることが結構あります。
被毛がいわゆる「人工的な毛質」である犬たちです。
たとえば、クリクリのぬいぐるみのような毛、シルキーなやわらかい毛、長毛であること、
毛がほとんど生えていない、毛が非常に短い、などの犬たちです。
これらの毛質では、犬のレインコート代わりのはずの被毛は、水をはじきません。
水を吸い込むタオルのようにビショビショになってしまい、その姿は濡れぞうきんのようです。
表現として可愛そうですが、スミマセン。
ですがこれは本当のことで、服を着たまま雨にぬれた私たちと同じ、いやそれ以上に過酷な状態なのです。
特殊な毛質になったのは、人為的な繁殖によって本来の毛質を失ってしまい、
イヌ科動物としては本来のものではない毛質を残されてきたことによります。
「えっ!なんで?」と思われるでしょうか。
答えは簡単です。そもそもその繁殖の目的は「人為的」であり、
繁殖で残される形質は「人の為」であるからです。
こうなると犬にレインコートも必要だということになってきます。
被毛がコートの役割を果たさないのだから、代わりのものを着せるしかありません。
人工的な被毛はすべての犬が100%水をはじかないわけではありません。
それぞれの被毛の質は個体による差異もあり、中には若干その役割を果たしているものもあります。
また、毛質を少し鍛えることで、ぬれにくい状態をつくっていくことが可能な場合もあります。
犬の被毛の状態を良く見ながら、必要な対応をしてあげてください。
天気により極端に行動が不自由になることなど、動物にとっては大変なことです。
レインコートや傘をさして歩く私たちと同じようにはとらえられない問題です。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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