元旦から震災や人災など辛いニュースが続きます。
能登半島地震と飛行機の追突事故でお亡くなりになられた方にご冥福を申し上げます。
また同地震で被災されていらっしゃる方々に平穏が日々が早く戻ってくるようにお祈り申し上げます。
そして、飛行機の追突事故では乗っていたペット2頭が亡くなったとのことです。
ちょうど夕方のニュースだったことと地震の直後だったこともあり珍しくテレビがついていJAL機の事故のことを映像を通して知りました。
燃えていてなかなか消えない飛行機をみながら「犬や猫などペットが乗っていたのではないか…」と気がかりだったのですが、残念ながら現実のこととなりました。
大破した日本航空旅客機に同乗していたペットの救助ができなかったことに対して様々な意見が出ていることをネットで読んでいます。
現在ではみながそれぞれに自分なりに「こうであってほしい」という気持ちを述べているので、どれも間違いではなく今のところ正解はありません。
ですから、自分としてはこう考えるなぜならというところをお話したいと思います。
輸送が動物(犬)に与える影響について
動物=犬の輸送はどのような状態でも犬にストレスを与えます。犬が今まで生活してきた中にない状況に置かれるのだから当たり前のことです。
移動中に子供がすぐに寝てしまうように、多くの犬は移動の最中に寝てしまいます。
これはストレスを最大限に回避する防衛行動です。
私事ですが私も動物なみに輸送されるのは苦手らしく、飛行機に乗るとすぐに寝てしまいます。ポーンという音と同時に目を開けると「お目覚めですか?」のシールが貼ってあることがほとんどです。
車の窓から顔を出している犬もいるじゃないかという意見もあるでしょう。
ところがあれ自体も風を受けたりにおいを嗅いだりする感覚を継続することで、脳の混乱を防ぐひとつの防御的作業になっているのです。
輸送の乗り物が犬に与える影響について
犬を輸送する方法として、車、飛行機、船、汽車、バスといったものがありますが、輸送する乗り物によっては犬への負担も異なります。負担が生じる度合いについては、乗り物の速度、揺れ、気圧、臭いといったことでしょう。あとは乗っている時間の長さです。
同じ距離を移動するのに旅客機を使用したいメリットは短時間であることです。
福岡⇒東京が1時間半で行けるものを、車なら休憩しながらでも1日近くかかってしまいます。
ところが、飛行機は気圧の変化が激しく、揺れなど想定のできない衝撃もあるため短頭種、つまり鼻ぺちゃのフレンチブルドッグやボストンテリア、ペキニーズなどの犬種は利用を断れれることもあります。
それだけ飛行機は犬にとって負担の大きな乗り物です。
船なら揺れくらいで済みそうですが、船はずっと海のにおいを嗅ぎ続けることになります。
そもそも海には入らない犬という動物が海のにおいを嗅ぎ続けて安心するという仕組みはありません。
新幹線なら自動車やバスよりも早く移動できますが、やはり時速200キロが動物の体や精神に与える影響がゼロとは言いかねます。犬としては防衛本能的に「寝る」選択肢で乗り越えるしかありません。
バスや自動車は移動に時間がかかりますが、その分日常の延長に近い環境を整えやすいことと休憩時間をいれることも可能です。
犬を輸送するならこの方法がベスト
といろいろと理由のある中で輸送のベストな選択肢について、今のところの考えは以下のとおりです。1、国内輸送であれば車で同伴させる。
国内であればかなり離れている距離でも車での移動が可能です。
前述したとおり、車であれば気圧や揺れなどの身体的負担を飼い主側がコントロールすることも可能です。
移動時間を調整して途中休憩を多くいれることもできます。
排泄させたり、散歩させたりして体の状態を整えることもできます。
また車の中は犬にとってはひとつの室内空間です。
室内飼育の犬であればリビングがそのまま移動しているような空間なのです。
飼い主が車でもお茶をしたり食べ物を食べたり、話しかけたりできるのですから、リビングそのものです。
車で一日移動するとなると犬に相当の負担がかかるという気持ちにもなりますが、時間が十分に取れるのなら絶対に車での移動がおすすめです。
2 車で移動できない場所への移動ならどうする?
車で移動できない場所への移動ということは国外への輸送ということになります。
犬を国外に輸送するケースは引っ越しか、子犬を引き受けるときです。
成犬の輸送と子犬の輸送、どちらがストレスになるかというと、実は成犬の方がストレスになります。
脳の小さな動物の輸送の場合には、脳がシャットアウトしてしまうため、覚えていない状態になるのです。
よほどの人でない限り赤ちゃんのときに輸送された経験がトラウマになることはありません。
海外移住などのために成犬を飛行機で輸送されることを相談されたことがありますが、これはもう「止むをえない」輸送ということで腹を決めるしかありません。
実際に相談された生徒さんも、空輸が犬に与える影響について考えた上で一時は親戚に譲ろうかという案も出ていました。
ですが、最後の最後になって「やはり犬を手放すことはできない。」という考えになり日本からアメリカに引っ越しの際に犬を空輸されました。犬は無事に移動されて元気に海の向こうの国で過ごしていました。
海外への引っ越しのケースは本当に稀だとは思いますが、移住で帰国の予定がないのであれば連れていくというのもありだと思います。
ただ旅行のために寂しいからと犬を飛行機に乗せてあちこちに連れていくのは、動物の負担の強すぎることです。
海外旅行に行きたいなら犬は誰かに預けておくことです。
犬の預かりを始めた理由
実は私も犬を飼っているときに犬を預ける場所がなく困っていました。出かける用事は勉強会だけだったのですが、東京や海外のセミナーに出席するためには数日間犬を預ける必要があります。
スタッフに自宅に泊まりに来てもらったり、知人のドッグトレーナーに個人的に預けてこともあります。
ですが一般的なペットホテルに預けることはできませんでした。
その際に犬が安全な管理された室内でちゃんとエサを与えられて安全に管理されていたとしても、やはり心ある形で接してくれる人がいる場所がいいと思ったのです。
こうしたことが理由で、愛犬オポが亡くなったあとに預かりをすることになったのです。
預かりをしている最中は自分の犬と同じように普段から閉じこもりがちな犬たちに屋外で遊ぶ時間をたくさんつくり、他の犬たちと交流されたり、自然の空気を一杯吸って過ごしてほしいと屋外活動を大切にしています。
ですが、普段から閉じこもりがちでかつ室内で自由奔放に過ごしている犬たちは、自然空間の広い土の上では、多少活動が激しくなりケガをしたりお腹の具合の悪くなることもあります。
預かり回数や日数が多く環境に馴れている犬の方は安心できるのですが、活動欲求がたまった状態になるといろんな意味で爆発しやすくトラブルも起こりやすくなります。
それが怖いからといってクレートに入れたままとかつないだままにすることもできません。
これは子どもでも同じだとは思いますが、全くケガをさせたくないならスポーツや屋外での活動をさせずに室内でゲームをさせている方が安心です。
体は使ってこそ使い方を覚えるのですが、使わなければ使えない体になってしまいます。
私も人生で3回の骨折を経験、そのうちの2回は子どもの時に遊んでいたときでした。多動な子供だったようでおかげ様で今は転んでもあまりケガをしなくなりました。
犬がケガをするのも困るという気持ちで冷や冷やしながら預かりを続けていますが、犬が走るのを全く止めたりする気持ちはありません。
自分の犬だったらと思って遊ばせています。正直に言うと人の犬だと割り切るのだったら安全な場所に閉じ込めておきたいですが、犬の気持ちになるとそうもできません。
ということで、旅客機の機内に犬を持ち込むか持ち込まないかという議論はあまりにも小さすぎるのではないかというのが結論です。
犬たちのためにできること、これからもそれぞれの思いで考えていただき、実践するのは自分自身ですからあまりにも人の意見を批判しすぎることのないようにしたいですが、どうやらSNSというのはそういう場所のようですね。