グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬は外で飼う?それとも室内で?後編

犬を外で飼うのか、室内で飼うのか。
人の生活環境の変化によって、犬の飼い方の常識が変わってきたいきさつについて
昨日のブログでお話しました。
https://www.goodboyheart.com/blog/dog/822

ではどうしてこのことを「決めておくこと」が大切なことなのかを説明していきます。

犬は社会的な動物で「群れ」を構成する動物だということはご存知でしょう。
その「群れ」が全員で守っているものがあります。
それは自分たちの「生活圏」です。

この「生活圏」ですが、犬の行動学では「ホームレンジ」という言葉を使われることもありますが、それよりも良く知られている言葉が「テリトリー」です。
本来は動物行動学の分野で他の種類の動物の生活圏を表現した言葉でしたが、犬の生活圏についても日本ではテリトリーといわれることが多くなっています。
「なわばり」よりも一般的なので、ここでは犬の生活圏を「テリトリー」という言葉で説明していきます。

犬の生活圏はテリトリーです。
このテリトリーは捕食や生殖などを行い、他者の侵入を許されないスペースということです。人で言えば「家を含む自分の土地やスペース」ということです。

テリトリーは中心のテリトリーと他者との境界線に近い周辺のテリトリーにわかれています。戸建ての場合には家と庭、マンションの場合には室内とベランダや共有部分、というようにですね。

ココに犬をどこに飼うのかを当てはめてみましょう。
室内で飼う場合には、人の中心のテリトリーと重なり、人と共有する形になります。

庭で飼う場合には、人の周辺のテリトリーと重なっています。
共有スペースではありますが、お互いに中心のテリトリーを棲み分けることになります。

人の生活の中では周辺のテリトリーをしっかりと守ることが大切です。
お互いのテリトリーが近ければ柵を立てることになるし
周辺のテリトリーを守るために番犬を庭先につないでいたのです。

庭で番犬をする犬は自分の中心のテリトリーを守りながら、人と共有する周辺のテリトリーも守っていたことになります。
この形だと同じテリトリー内の群れであっても中心にいる方が殿様、つまり優先権を持つものだということが決定されていきます。

室内で犬を飼う場合には、どちらも中心のテリトリーにいます。
社会的な群れとしては、人と犬、どちらが優先権を持つのかわかりにくいです。
役割を理解させることはできます。理解している場合には犬は落ち着いており適宜の番犬行動を行い、テリトリーの境界線にマーキング(排泄)を行いテリトリーを適切に管理していることでしょう。

混乱を生じる場合もあります。犬の方が人よりも中心になったり、家族の誰かを支配したり排除しようとする行動が出たりします。
たとえば、来客に吠え続けたり攻撃する、特定の家族の行動や声に吠えるなどです。
これには対応が必要です。吠えられたり攻撃される人にも迷惑ですが威嚇しなければいけない犬の方にしても、理解できない人の行動に悩んでいるわけです。
これは犬としてはかなり消耗することです。ぜひ解決してほしいものです。

そして、これらのテリトリーがはっきりと決められていない場合、
家の中で飼ったり、と思えば犬を部屋から追い出したり、逆に庭に犬を飼うようにしたのに、寂しいからと室内に連れ込んだり
こういうことが日常的になると、犬のテリトリーの認知が混乱してきます。
自分のテリトリーは一体どこだろうという風になります。
こうなると犬は落ち着きません。
テリトリーがはっきりしないということは、自分には所属している群れがないということです。安全を確保できる手段がないということなのです。
不安定な状態が続き、ストレスを感じることがあると逃走やパニック行動などが生じるようになったり、虫追いや尾追いを激しくするようになります。

テリトリーをきちんと決める、そしてお互いの役割をはっきりさせる。
これが社会的集団にとって大切なことであり、こうすることで犬は人という動物と社会的集団をつくるということになります。

外で飼うか室内で飼うか、決めておく必要性をわかっていただけたでしょうか。
この選択にあたって重要なことがあります。
それは犬の性格が外で飼うことがあっているのか、もしくは室内で飼うことで安定する性格なのか、ということです。
このことについてはまた別にお話することにします。

オポお昼ね22年3月