いつからか定められた「山の日」、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日らしい。
自然が身近にあった昭和の時代には必要のなかったものが必要になる。
平成から令和へと、自然から離れていく人間に対する警告としては必要なのかもしれません。
山に親しむという言葉に違和感を覚えてしまいますが、そもそも人も自然の一部だと感じる私にとっては、山は親しむというよりわたしそのものです。
そして犬にとっては、山は自分たちの里、自分たちが生まれた場所、自分たちの祖先がずっとずっと暮らしていた空間です。
犬に山はあなたの何ですか?と質問するのも失礼ですし、何より彼らは山のことをよく知っています。
犬の人為的繁殖によって短い期間に山の生活から離されてしまった犬が多い中、ほんのわずかではありますが、トレッキングクラスなどを通して山が生活の一部となった犬の姿を見るとなぜかホッとします。
山の中で歩く犬を叱ったりほめたりする必要もなく、リードは自然に緩やかに人と共に歩けるようになる犬の姿を今までになんども見てきました。
犬に何も教える必要はなく、ずっとそうしてきたのだから当たり前のことだと犬の遺伝子が思い出すように、彼らは山のなかでふんわりとリラックスして活動をします。
こんな山時間を過ごす犬は飼い主に拘束されていると感じることもなく、飼い主に執着する必要もありません。
ただ忙しい飼い主が自分を連れて山に行く時間をただ待つことだけです。
犬にとっての山の日が非日常ではなく日常になるように、グッドボーイハートで伝えられることをこれからも伝えていきます。