お預かり合宿クラスを終えて、犬をご自宅に送りました。
「きんきん」という犬くんです。
飼い主さんが迎えに来られたので車からきんきんを下すとなにやらキョロキョロと落ち着かない感じです。
見ている方向はこちらでもなく飼い主でもなく、少しテンションが上がったような感じです。
そこで飼い主さん曰く「今からきんきん王国に帰っていくからですね。」。
きんきん王国とは、きんきんが王様として暮らしている我が家のことのようです。
お預かり中は、どの生徒さんにもびっくりされるほどお利口さんでおとなしいきんきん。
どのくらいトレーニングしたらこんなにお利口になるんですか?とか、
この犬ちゃんはいつからトレーニングされているんですか?とか、
こんなにおとなしい犬なら飼いやすいですよね、など。
きんきんに会った人たちの大絶賛を今までに何度も耳にしました。
それもそうでしょう。
来客や他の犬がいても吠えもせずにじっと待っているきんきん。
リードを全くひっぱらずに人についてあるくきんきん。
私が「フセ」といえば50メートル先でもフセをするきんきん。
そんな完璧に人に従うことのできるきんきんですが、我が家では「俺様」状態になることがあるらしいのです。
状況によっては人に従うきんきんですから、そんなにはげしいいたずら行動やマーキングや吠えなどをするわけではありません。
それでも、ちょっと飼い主に対してカツカツと歯をあわせて音を出して挑発するような行動や、こっちを見て的な要求行動、おもちゃを投げろ的な要求行動など、自分に注目をさせるような行動を繰り返すということでした。
そんなきんきんのことを飼い主さんは、とっても可愛らしいとと思いつつも、あまりにも行き過ぎるときんきんがまた荒れてしまうという一線をキープしているようです。
子犬のころからトレーニングクラスを受講しているきんきん、強い犬たちにもまれながら打たれ強く成長しました。
きんきんは小さな我が家の群れよりも、もっと大きな世間の中での自分の立ち位置を知っています。
だから、決してきんきん王国のきんきん大王様は仮の姿であることを知っています。
問題がこじれてしまう他の犬たちは、我が家で王様状態である俺様しか知らないことです。
飼い主におだてられ、調子にのせられ、賢い、できる、えらい、と褒められまくって、たくさんのおやつをもらいながら、抱っこして、ソファに乗って生活をしていて、世間を知知らない犬が、俺が一番偉いのだと勘違いしても仕方ありませんね。
きんきん王国のきんきん大王様。
次回の合宿での再会が楽しみです。