たくさんの本を読んだりYouTubeの動画サイトを頼りに犬にしつけをした結果うまくいかなかったというケースが増えています。
本の内容やYouTubeの動画配信の内容を十分に把握することすら難しいのですが、そもそも犬について得た情報が思っていたのと違うのであったら進む方向は全く違ってしまいます。
みなさんは「情報が間違っていた」と激怒されるかもしれませんが、間違っていたのは情報ではなく情報の選び方です。
犬なんてみな同じなんだから犬のしつけ方も同じではないのか、と考えられているとしたらそれこそ大きな間違いであるということだけをお伝えしておきます。
犬のしつけ方にはたくさんの道がある。これが結論です。
個々の犬にもそれぞれに個性がありますので、たしかにそれもしつけ方に少しは影響します。
たとえば、この犬種は外飼いが向いているとか、この犬種は室内飼いが向いているということです。
それでもいくつかの工夫をすれば、屋内飼育と屋外飼育の違いを克服することはできます。
なのでこのあたりは大した違いではありません。
小型犬と大型犬では気質が違いますが、それもしつけ方の違いにはさして影響しません。
犬という動物としての習性や気質を持っているのであれば、基本的にしつけ方の姿勢は同じです。
犬のしつけ方がたくさんある「違い」の理由は、犬と人の関係性があまりにもたくさんありすぎるからです。
はっきりとした言い方で誤解を生むかもしれませんが、人が犬を飼う目的、つまり人がどのように犬を使いたいのかというところが人によって様々であるからです。
使役犬と呼ばれる働く犬などを除いたとして、家庭犬としてみた場合にも人が犬を飼う目的というのはかなり違いがあるのです。
洋服を着せてカフェに連れていきたい、犬といっしょに寝たい、犬を膝の上にのせてテレビを見たいという飼い主がいるとすれば、そうでない飼い主もたくさんいます。
犬とアウトドアを楽しみたい、犬と山歩きをしたい、という飼い主がいてもそうでない飼い主もたくさんいるでしょう。
犬という動物とどのような場所でどのように過ごしたいのか、という飼い主側の希望が違えば、犬との暮らし、犬のしつけ方もまた違ってきます。
その形にひとつを探すために、コーラント・ローレンツ先生の「ヒト、犬にあう」の本を先日もご紹介したところ数名の方から購入しましたというお声かけをいただきました。
動物行動学者にも様々な先生方がいらっしゃる中で、私のような凡人が気軽に読める書籍を書いて下さった先生もごく一部であるとは思います。
その本で出合った動物行動学者のローレンツ先生のこの本の中に、犬との暮らしの歴史を読み取ることができるのです。
かなり長い間、ヨーロッパではこうして人と犬が暮らしてきたのだろうなと感じることのできる本です。
犬との暮らし方は様々です。
どのような暮らしも飼い主が犬を愛しているということを否定することはできません。
ただ言えるのは、あなたの犬は本当に犬として生きる時間を持っているのかということです。
本を読んだら、ぜひ感想を聞かせて下さい!