令和四年を共に迎えたお預かりの犬たちと過ごしながら、またいろんなことを考えていました。
たまたまお預かりした犬たちが生後5ケ月未満の比較的若い年齢のときからトレーニングをはじめたということでこんなことを考えたのです。
犬のしつけは何のためにするのか?
犬をしつけること、犬にトレーニングをすることを何のためにと尋ねられることがあります。人へのかみつき行動や室内で排泄を失敗する、留守中に吠えるなど、人との暮らしに決定的な問題を抱えている犬もいます。
こうした犬の場合はその問題行動を解決しなければ人と共に暮らすことはできません。
飼い主や地域のために犬の問題解決を解決するための犬のしつけやトレーニングは絶対となります。
こうしたケースのように、犬がドッグスクールに通っているというと「何か問題があるのですか?」と尋ねられることもあるでしょう。
でも、これはとても古い考え方です。
犬のしつけの目的は問題解決よりもずっと深い。
犬のしつけとトレーニングは、犬の問題行動を解決するためにも有効ですが、もっと深い目的があります。ただこの目的の達成を実感していただけるのは、犬ができるだけ若い子犬のころからトレーニングスクールで学んだ飼い主だけです。
さらに厳しくはっきりというと、自分の価値観を捨てて真剣に学んだ飼い主だけということを付け加えておきます。
人や他の犬にかみつく、吠えるなどの申告な問題を抱えてしまった成犬になったあとでトレーニングを開始しても、子犬のころから真剣に犬のしつけ方を学ばれた飼い主の元で育ったようにはなりません。
何がならないかというと、犬の基礎となる脳の発達がどうしても追い付いていかないのです。
子犬のころから犬を理解するための学びを続けている飼い主の元で育った犬は、何も知らない飼い主が育てた犬とは少し違うのです。
何が違うのか、犬のことをよく知る人が接すればすぐにわかるほど犬の脳の発達に違いが出ます。
そのことで得られる犬自身の生活の質、飼い主との関係などはかり知れません。
子犬のしつけは人でいう“三つ子の魂百まで”なのです。