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ニホンオオカミに最も近いのは現代の柴犬である論文が発表された。

先日生徒さんから送っていただいたネットニュースの情報が面白いものだったのでここに紹介します。

紹介していただいたのはジャーナリストの田中淳夫氏がYahooに寄稿された記事です。

題名には「オオカミよりも柴犬を放て。獣害対策に有効な「放し飼い」」とあります。

田中氏が記事の中で紹介されている、サル対策のための忠犬事業については以前からネットで配信されている記事などで知っていましたが、二ホンオオカミの遺伝子情報の解析についての論文発表については初めて確認しました。

田中氏の記事の中から引用します。

総合研究大学院大学(神奈川)を中心とする研究チームは、各地の標本から9頭のニホンオオカミの遺伝子情報を取り出して解析し、他種のオオカミやイヌ属の動物と比べた研究が「bioRxiv」に発表された。

それによると、ニホンオオカミは他のオオカミとは遺伝的に異なるユニークな亜種で、現代のイヌにもっとも近いことがわかったのだ。

 しかもDNAの共有率を調べた結果、シェパードやラブラドール・レトリーバーといった西欧の犬種とはほとんど共有していず、日本の柴犬やオーストラリアのディンゴなどと、最大で5.5%のDNAを共有していた。

 

ニホンオオカミは残された標本や写真などから見て、明らかに西洋のハイイロオオカミとは骨格よも容姿も異なることがわかります。

ですから、ニホンオオカミに一番近い犬種が柴犬だということが遺伝子情報として証明されたことについては驚くことではありませんが、科学的に証明されると納得できるということでしょう。

同時に柴犬そのものが野生のオオカミに近い性質や行動体系を持っていることは、犬を長く飼育された経験のある方なら気づかれます。

特に西洋の洋犬種と日本の純血種とは明らかに違いがあり、同じように育てようと思ってもうまくいきません。

同じイヌであっても、これだけ違いがあるのかと思うほどに面白い違いがたくさんあります。

例えば、多くの柴犬はワンワンと澄んだ声でなくことはなく、ギャンギャンとかギャとかといった締め付けられたような声を出します。

声だけを聴くと犬というよりは狐の鳴き声に近いような音を出します。

現在も生育しているハイイロオオカミもワンワンと鳴くことはありません。

やはり同じようにギャとかウォーとかそういった特徴のある音を出します。

日本に生育してきた犬の中でワンワンとなくのは、柴犬よりも野良犬の方です。

その野良犬の多くは雑種=ミックス犬です。

人がきっちりと管理してきた純血種の柴犬の方が、人から離れて勝手に繁殖を繰り返した野良犬の方が犬っぽいというところがあるようです。

西洋のイヌと日本のイヌでは大きな違いがあるうえに、日本の純血種と日本の雑種犬にもまた大きな違いがあるのです。

日本の雑種犬の中には西洋犬が混在を初めていますし、同時に雑種犬たちは純血種の柴犬のように完全管理で飼育されずに、一度の野に放たれて自由になった犬たちも多いのです。

生育の過程の違いが遺伝子に流れ込みまた遺伝子情報に変化を及ぼします。

今度は、柴犬と日本の雑種犬の遺伝子情報がどの程度離れているのかも研究していただきたいと期待しています。

田中氏は記事の中で、獣害被害を抑えるための方法として西洋のハイイロオオカミを持ち込むよりも訓練した飼い犬の放し飼いの方が安心だという意見を述べられています。

私ももちろんこの意見に賛成です。

もともと日本の犬たちが守ってきた里山の獣と人との境界線を守らせるために西洋から動物を入れる必要はないと考えます。

人とより良い関係を作ることができる日本の飼い犬こそ、里山を獣から守るためにともに戦ってくれる同志ではないでしょうか?

今月からイノシシ猟が解禁となります。

七山で活躍してくれる里山犬たちを募集しています。