今週は柴犬の子犬2頭がお預かりクラスを利用して七山に来てくれました。
生後4ケ月と生後5ケ月。
人の年齢に例えるなら小学校の4年生と6年生くらいでしょうか。
数日のお預かりの時間を利用して、少しずつ距離を近づけるようにしながら接触をはかりました。
短いお預かりだったので無理はさせたくありませんが、同年齢の子犬をいっしょにお預かりする機会は貴重な時間なのでつい欲が出てしまいます。
一頭の犬くんは初めてのお預かりだったこともあり、自然環境の中で自分の中にはいってくるいろんな情報の処理や湧き上がってくる好奇心で体の動きも混乱気味で落ち着くのにはかなり時間がかかりました。
片方の犬くんはもうなんども七山を訪れていて環境の把握も早く余裕があります。
彼の視線は新米で同世代の犬くんの方にくぎ付けとなってました。
なんとか接触をさせつつ興奮を抑えつつ、動きもはやく興奮も高いので途中介入も楽ではありません。
しかしこうして同じ環境の中で子犬を見ていて思うのは、同じ犬種の月齢もさほど変わらない見た目はよくにている2頭の犬の表情や行動はかなり違いがあるということです。
犬の性格形成には大きく二つの要素が影響をしています。
いわゆる「氏か育ちか」というもので、性格形成に影響を与えているのは「遺伝的要因」と「環境的要因」のふたつに分けられます。
一般的に言われるように純血種の場合には「犬種」としての独特の行動の特徴があります。
これは遺伝的要因と言われるものですが、遺伝的要因は犬種だけではありません。
やはり子犬の親やその親といった代々受け継がれてきた行動の特徴というのがあり、それが子犬の個性となっているのです。
特に子犬のころは環境要因(飼育の環境や飼い主の接し方や経験など)の影響がまだ少ないため、遺伝的な要素がある程度わかりやすい時期です。
2頭の柴犬の子犬たちの行動や表情、動きのパターンなどを観察していると、思い白い発見がたくさんあります。
同じ柴犬という純血種として出やすい行動のパターン、親から受け継いだであろう個々の性格の質など似ているところ、似ていないところを比較しながら見ることでより子犬の個性が鮮明になってくるのです。
生後2ケ月から5ケ月齢くらいのころが一番個体としての性質(性格)がわかりやすいのです。
犬の個体の性質を個性と呼ぶなら、犬の個性がわかればわかるほど、その犬が必要としている社会経験などの環境の準備もわかってきます。
お預かりクラスはあっという間に終わってしまいましたが、犬の近くで、少し離れて、すごく離れて観察し、接し方を変えて観察し、考えてを繰り返していたことで自分は満足するとともにかなり消耗しました。
若い頃に比べると経験が増えて知識もたくさんあり惑わされるようなこともなくなってきたはずなのに、情報処理能力が衰えてきたということでしょうか。
子犬たちの成長が楽しみです。