先日、ペットショップの中を横切ったときに、たくさんの子犬のはいったアクリルケースの中を覗き込む多くの人を見かけました。
子犬は疲れ切ったように寝ていましたが「かわいいー」と微笑んでみている方ばかりでした。
自粛生活で家にいる時間が長くなったことで、子犬を迎えた方が確実に増えています。
子犬のほとんどはショップやブリーダーが販売しています。
しかしその子犬たちは決して自然に生まれてくるわけではありません。
ペットの販売はペットビジネスの中で成り立っているので、売れやすい犬種、人気のある犬種、色、サイズ、などを吟味して繁殖しています。
犬たちは自然に生まれたのではなく、人工的な交配により繁殖させられているといるといってもいいでしょう。
買う側が欲しがる犬種は計画的な繁殖以上の数を求められて、無計画な繁殖で数を増やしてしまう結果にもなります。
繁殖が不安定になると、子犬の身体的精神的機能性にもいろいろと問題が生じます。
それだけでなく親犬の子犬に対するケアにも支障が出てきます。
法律では子犬を早期に販売することは禁じられていますが、その間親犬とどのようなコミュニケーションをとったのか、親犬がどのような繁殖をしたのか、親犬は繁殖犬として適切であったのかという法律はありません。
一方で犬を飼う方は犬に対する知識もなく、ぐったりと眠る子犬を見て性質を判断できるわけでもありません。
犬種によって必要な飼育環境が異なることや、同胎犬(一腹の中にいる兄弟犬)でもそれぞれに性質が異なることも知られていません。
ただ「かわいい」という理由で子犬を迎えてしまうこともあるし、自分のライフスタイルや生活環境と子犬が合わないということもでてきてもおかしくはありません。
ここであまりにも当たり前ですがもう一度自分に問うてほしいことがあります。
「なんのために犬を飼うのだろうか?」
もしその答えが「犬がかわいいから」というのならおすすめしません。
犬はかわいいだけでなく、難しい動物でもあるからです。
「なんのために犬を飼うのだろうか?」
その答えが「犬を飼うことで自分の人生がより豊かに楽しくなるため」
であるとしたらぜひ子犬を迎えて下さい。
犬と暮らす自分の人生が幸せになるためには、犬もまた少しは幸せでなければなりません。
でも、犬はごはんと愛情さえあれば幸せになれる、と思ったら大間違いです。
犬には自分を愛し理解し群れとして生きてくれる家族同様の動物が必要です。
犬はすばらしい動物ですが、そうだとわかるまでにはたくさんの大変なこともあります。
とても手のかかる動物ですし、水槽の中にいれておくようにサークルの中にいれておく動物ではないのです。
それでも犬はやはりすばらしい動物です。
だからこそ流行りに振り回されずに自分のライフスタイルの中にはまることできる犬種を選びましょう。
子犬を迎えるまえのカウンセリングも開催しています。