生徒さんから連絡があった「犬のうれしい行動」?
先日ある生徒さんから「うれしいことがあった」とラインが入りました。
その飼い主さんの「うれしいこと」とは、犬の思わぬ行動でした。
自分の犬とよく一緒に遊びに来る知人の犬が自宅の庭でそれぞれに関心のある遊びをしていたらしいのです。
ところが、何かのきっかけで知人の犬の方が少し興奮し始めて動きが早くなり、一緒に庭で遊んでいた自宅にいた子供たちに急接近したそうです。
その時に、自分の犬が子供の前に立ちはだかり、知人の犬の前に前足を軽く下げるお辞儀のポーズの行動をとって相手の犬を退けたということでした。
自分の子供を犬が他の犬から守ってくれたと感じた彼女は、そのことに大感激したということでした。
犬は子供を守るのか?
犬が子供を守るような行動をしたのを見たことがあるでしょうか?犬の行動の読み方には人の気持ちが入りやすく、何があっても「わたしたちのために」と思ってしまいがちです。
犬の行動の全てが人のことを思って…というわけではないので冷静に観察する必要があります。
しかし実際のところ、犬は子供を守ることはよく見られる行動です。
あのコンラート・ローレンツの「人、イヌにあう」の書籍の中にもローレンツ博士の子供を犬たちが守るような行動をすることが記されています。
犬にとっては子供は群れの中の大切な宝。
犬が子犬を守るように子供を守る行動をとることは、起こりうることであるし本来なら
あるべき姿なのです。
犬が子供を守らないこともあることを知ろう。
犬が子供を世話する動画は人にとっては安らぎをもたらすために、動画配信でもたくさん見られるようです。それをみて自分の犬も子供が大好きだからと放置していると、犬によっては子供を排除しようしたり、攻撃したりするケースもたくさんあります。
でも、すべての犬が飼い主の子供を守るわけではありません。
多くの犬は子供にかみつく事故を起こしますし、簡単に犬と子供を一緒の場所においておくことはおすすめしません。
自分の犬に何ができて何ができないのかをしっかりと知っておくこともまた飼い主の責任です。
犬が読んだらどこからでも戻ってくるのか、他人に対して攻撃性を示さないのかなど、犬を理解していないことでトラブルは発生しています。
子供を守る犬はどのような犬か?
最初にご紹介した生徒さんが言うには「この犬は子供を守るような犬になるよって、先生がはじめに言われたことだったんです。」ということでした。そんなことを言ったような気もするし、ただ間違いなくその犬ちゃんは、群れ意識が高くきちんとした関係を築いていくことができれば、弱い子供を守る行動をするようなタイプの犬だと感じていました。
だからこそ、表面的な付き合いではなく、真剣に向き合うことを飼い主さんにお願いしたことを覚えています。
犬が飼い主と問題なく暮らす、飼い主の側が楽しく暮らすことはそれほど難しいことではありません。
ただ犬が人という動物とひとつの群れとして結束して行動したり生活したりすることは、現代の日本という環境の中で、私たちの今の生活スタイルの中では非常に難しいといわざるをえません。
そんな状況の中で、この犬ちゃんがそうした行動を見せてくれたことを私も心からうれしくなりました。
犬は考えて行動しているのではないのです。
犬は子供を守る行動をした瞬間には、考えずに勝手に体が反応してしまっただけなのです。
これをしたらほめられるだろうなとか、ご褒美がもらえるだろうとか、逆にしなかったら叱られるかもしれないとか、罰を受けるかもしれないということを犬に考えさせること事態が、犬を苦しめてしまいます。
犬は瞬発的に反応しましたが、決して衝動的ではありません。
この素晴らしい犬という動物の一面をみたエピソード、飼い主の心には永遠に残るのだと思います。
目指した人だけがたどり着ける人と犬のつながりです。