他の犬に吠えたり興奮したり逃げたりする犬がいます。
小さいころからたくさんの犬にあわせて社会化を進めてきたはずなのに、どうしてこんなに吠えるようになったのだろうと思っているなら大きな勘違いをされています。
その勘違いというのは、犬と犬の社会化とはただたくさんの犬を会わせるということではないというということです。。
また、犬と犬のプロレス遊びの回数を増やすことでもありません。
小さい頃のこうした犬に対する経験は、犬と上手にコミュニケーションを取れるようになるどころか、むしろ他の犬に対して攻撃性や怯えがでるようになることの方が多いのです。
たくさんの犬に会わせることよりも、もっと重要なことがあります。
それは、
どのように他の犬に会わせるのか。
どのような時間をいっしょに過ごすのか。
こうした、過程の方がずっと大切なのです。
ところが、本やネットなどの簡単に伝えられる方法や、コピペで回っていく情報はすごく単純な内容になります。
「たくさんの犬にあわせた方がいいんだって」という情報で伝わっていきます。
よく生徒さんから「この本にたくさんの犬に会わせた方が良いと書いてあります。」
と犬のしつけ方の本を見せていただくことがあります。
でもその本の中には他の犬にとびついていく犬の写真などは乗っていません。
ただ同時にどのように会わせていいのかの指導はありません。
なぜならそれは犬によって異なり、単純な文章として紹介することができないからです。
他の犬と安心して対面させていき、より良い関係を作っていくにはどうしたらいいのだろうか?
どうすれば自分の犬が他の犬と社会的に安心できる関係を作っていくことができるのだろうか。
そのためにはまず飼い主同士がお互いに共通の価値観を持っていることが大切です。
飼い主同士が犬のことについてはある程度お互いを信頼できるような関係を作ることが、犬と犬の社会性の発達につながっていきます。
この辺が日本で犬の社会化が難しい理由です。
犬に対する価値観など、ヨーロッパで犬と暮らしている方ならそれほど多様ではないからです。
日本の場合には犬との暮らしの価値観が多様化しすぎていて、また犬に対する理解があまりにも不足しているのに、動物を可愛がる愛護の精神だけが突出しています。
動物に対する理解のない愛護は、動物に対して相手を尊重しない態度に結びつく危険性があります。
共に学ぶ機会があるなら、その中でより良い関係が作れそうな方を見つける。
もしくは、自分の友達にも犬のことを伝えていっしょに学んでみる。
私などはあとで家族として入ってきたダンナくんが犬についての情報が全くない人でした。
すべての犬が足をあげて排尿をするものだと思っていたほどです。
どうしてかというと、自分が漫画で見た犬たちはみんな足をあげて排尿していたからだというのです。
なるほど、それもそうですね。
もちろん尻尾を振っている犬は、みな喜んでいると思っていた普通の人でした。
でもそのダンナくんは今は違います。
私の教育の元すごく短期間で犬のことを理解できるようになってきました。
今年は動物取扱士の資格をとるべく勉強中です。
いっしょに学べる飼い主を見つけて、いっしょに成長しましょう。
そうすると犬の世界もきっと広がります。
それが犬の社会化です。