犬が昆虫で遊ぶ姿を見たことがありますか?
犬が昆虫で遊ぶ光景を目にしたことがあるでしょうか?
少なくとも犬を昆虫の生息する場所に連れて行かなければ見る事はできません。
福岡県内の公園や山にもそんな場所はたくさんありますが、ダニがいるから近付けさせたくないと遠ざける飼い主の方が圧倒的に多いでしょう。
でもこのことはとても大切なことで、犬にとって重要な機会を奪っているということを今日はお伝えします。
先日もお預かりの犬ちゃんがグッドボーイハート七山の玄関につながるテラス前の庭で何かを見つけて歩き出しました。
動画を撮影しましたのでご覧ください。
チワワちゃんが追っているのは動画の中ではとても確認できないほど小さな昆虫、アリです。
あっちにもこっちにもアリがいるのですが、そのアリを追ったり手でアリの入った場所を掘り出そうとしたりしています。
このあと手で確認するために手かきを繰り返しているうちにアリを殺してしまうこともあります。
鼻を近づけてにおったり調べたり、何であるかを知ろうとしています。
犬はなぜ虫と遊ぶのだろう?
いまや家の中に生活する犬も本来は土の上に過ごす動物でした。
その遺伝子は今でも生きていて、土の上を素足で歩くことに躊躇はありません。
土の上の環境を共有する最初の生き物は昆虫です。
調べたり確かめたり殺したりすることで環境の中にいる虫に対して社会化をしているわけです。
その作業はそう長く続くことはありませんが、幼少期にはなんども繰り返し行われます。
昨日もしていたことを今日もします。
今日していたことを明日もするでしょう。
そして繰り返すうちに、いつの間にか関心を示さなくなります。
そのときにはもう別のものに関心を示すようになっているからです。
ある意味では馴れていく、ある意味では環境のひとつの生きものとして虫を理解し始めたとも言えます。
本当の社会化の過程をとっています。
動画のチワワちゃんはすでに1歳を過ぎています。
虫遊びをするには少し年齢が上ではありますが、マンション暮らしで今までにできなかった虫を知らべる行動を遅ればせながらやっているところです。
速度が上がっていけば社会化を促進させます。
もしまたチャンスが奪われるようならこの行動はそこで止まったままになります。
環境がなければ社会化はしないのです。
犬のしつけに行き過ぎた英才教育は危険
犬のしつけやトレーニングを学ぶというとたいていの人が「オスワリを教えること」
「トイレのこと」「散歩のやり方」「おりこうさんにふるまうこと」を教えることだと思っています。
もちろんどれも間違ってはいないのです。
もっと行き過ぎているのは、スポーツや芸などのトリックやドリル的なオスワリフセの繰り返しなどを犬に習わせることです。
これは子供の英才教育型しつけの犬版になります。
子供にもドリルを早くさせる、机の上の勉強を進める、スポーツをさせる、歌を習わせるなど習う形の勉強法が進み過ぎました。
同時に子供たちは庭や土や草で昆虫で遊ぶ機会を奪われたのです。
そして犬たちも今同じ流れをたどっています。
ただこうしたしつけは犬のしつけに絶対に必要というわけではありません。
もし必要な部分があってもそれは犬のしつけの枝の部分であって幹ではないのです。
犬のしつけの幹となるのはどんなことなのか?
犬のしつけの幹とは、犬が犬として生きる力を身に着けるチャンスを与えることです。
その一つとは犬が習性を通して発する行動を尊重し自制を育てること
これが犬の昆虫遊びとつながっているのです。
少し犬のことが面白くなっていただければ、犬は奥が深いので生涯を通して学んでも学び尽くすことはありません。
永遠に続く楽しい学びです。
犬の虫遊びは犬の成長とともにその形を変えていきます。
どんな発達の形を進むのかまたご紹介します。
※このブログでは様々な犬のことを少しずつお話しています。
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