人とただぼんやりと暮らしている犬に、人側が求めているのは「かわいい」ということが主流になりつつあるように感じます。
いつも思うのですが、やはりペットショップやネット販売で飼い主に一目ぼれされた犬たちは、顔つきがお人形さんのように「かわいい」のです。
多くの人が可愛いと思う犬の顔つきとは、顔が丸く目や鼻や耳などのパーツが大きいもの、そして顔そのものが体に対して大きいと人形のような印象を与えます。
これは同時に赤ちゃんに近いバランスであって人に対してその幼稚なイメージで可愛いと印象付けていきます。
その可愛いバランスの犬たちは、あまり活動することすら求められていません。
とりあえずじっとしていて体をなでられたり抱っこされているときにじっとしていることが求められています。
もはや活動する動物としての価値は飼い主にはあまり認められていないことの方が増えているようです。
犬はそもそも人のそばで活動することでなんらかの役に立ってきました。
役立つ動物でしかも人のいうことをよく理解する動物を、人はそばに置いて共に生活をすることを人側も選んだのだと思います。
その活動して人のお役に立っていた犬たちですが、今は人になでられたり可愛いといわれる存在として役立たされています。
これを「癒し」といえるのかどうかはわかりませんが、とりあえず愛玩犬という名称はよくできています。
ですがその犬、実際には大変な能力を備えている立派な活動する動物なのです。
先日お預かりクラスのときにダンナくんが柴ちゃんと遊んでいるのを動画に撮影しました。
その柴ちゃんの体重の傾け方が半端なくて「やっぱりすごい!」と関心しました。
ここまで体重を傾けて遠心力で回転しながら方向を変えるって、人間でできるとしたらスケートのときくらいでしょうか。
体重を調整するため尾を傾けるのはもちろんのこと耳の高さまで変えています。
だれからも教わったことのないこの体のバランスを自分で作り上げることができるのです。
そんな能力を普段は秘めて生きています。
みんなもっとたくさんの能力を持っているのにそれを発揮することはありません。
スポーツドッグを推進しているわけではないのですが、たまには活動をしてみることもおすすめします。
犬はやっぱり動物、動物としてすばらしいということをまず認めるところからでいかがでしょうか?