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<人イヌにあう>服従するという言葉の意味を理解できないわたしたち人間と犬

ブログはグッドボーイハートを知っていただくためのツールであると同時に
自分が考えたり思ったりしたことを整理するための場でもあります。

とはいえ、考えがある程度はまとまらないと一定の文章にはなりません。

考えていることやコトバにしたことは頭の中にあふれていますが、それをコトバにするまでに必要な時間がかなりかかってしまいます。

日常生活の中でやらなければいけない業務が押し寄せてくると、考えをまとめる時間もなくブログの更新も遅れます。

長くなりましたが、ブログの更新が遅れている言い訳ということです。

それで今日はなんども話題しているけれど、なかなか言葉では伝えられない服従という言葉の意味と行動について尊敬するローレンツに助けを借ります。

ローレンツの「人イヌにあう」の三章には絶対に必読です。

三章は「忠節の二つの起源」です。

犬の「忠節」などという言葉をきくとかの銅像にまでなった秋田犬を思い出す方が多いでしょうが少し切り離して考えてみましょう。

最初の引用部は、イヌの忠節=人に対する信頼のふたつの起源についての仮説です。

引用

イヌの主人にたいする信頼は、二つのまったく異なった起源をもっている。

一つは主として、若い野生のイヌをその母親に結びつけるきずなが生涯持続することによるものであり、飼い犬の場合には幼い時期の気質の一部が習性保持されることによるのである。

忠節のもう一つの根源は、野生のイヌを群れのリーダーに結びつける群れへの忠誠、あるいは群れの個々のメンバーがおたがいに感じる愛着から生まれるものである。

引用終わり

つまりは、イヌの人に対する忠実な態度は以下の二つが起源だとローレンツはいいます。

1 親子関係

2 群れへの忠誠

全くもってその通りであってこの仮説を覆す学者はまだ知りません。

親子関係を強調する場合が強い傾向があったり、群れを重んじる傾向があったとしても、まずはこの二つなのです。

ここからは持論ですが、この二つは移行していくように見えて実際には1がベースとなる上に2が生じて関係が継続しています。

子犬のころに人がイヌを迎えたときに、まずは里親という形で文字通り親として子犬のお世話をします。

子犬は人のことを次第に理解しながら、人の親の保護のもとで育てられていきます。

同時に子犬や幼少のころから親犬に対して、群れのリーダーに示すような服従性のある行動を示しています。

それはもはや日本では見られなくなりましたが、あいさつができるようになった幼稚園生くらいの子供が母親や父親に対して両手をついて「おはようございます。」というような姿なのです。

ただイヌには野生のイヌ科動物には見られない、家畜化された特性があります。

それは丸い頭や巻いた尾垂れた耳などみなさんにはなじみのあるイヌの顔ですが、野生の動物では若い時期にしか見られない容貌です。

家畜化によって得られた子供っぽさは人に対する親子関係を継続させる土台となるための特質ですが同時に危険性をはらんでいることもローレンツは指摘します。

引用

たいていの性格上の特質と同じように、子どもっぽさは、その程度によって長所にも欠点にもなるものである。

それを完全に欠いているイヌの独立性は、心理学的には興味深いかもしれないが、飼い主にはたいして喜びを与えてくれない。

というのは、このイヌたちは手に負えない放浪者で、ごくたまにしか家に居つかず、飼い主の家を尊重しないからである

このような場合、飼い主を「主人」というわけにはいかない。
年をとるにつれて、このようなイヌは危険なものになりがちである。

典型的なイヌの従順さを欠いているため…

引用

と続いていくわけですがここでコメントいれます。

イヌには群れに所属するという基本的な服従性があるが、それは若い犬の従順さが基盤になって支えられているので、前者だけではうまくいかないということです。

人とイヌとの関係に大切なことだからこそ家畜化されたイヌたちの容姿にその情報が刻まれているのです。

もしイヌだけの群れであったとしても、独立心の高すぎる性質ではイヌはグループの中には入れません。こうしたイヌ科動物は日常的に単独行動をするようになりそのような個性をもつイヌが出てくることも不思議ではありません。

こうした個性による服従性のばらつきはローレンツの時代にも通常おきていたようで、どちらも併せ持つ理想の忠実なイヌはあまり多くないことも付け加えられています。

とりあえず今日はここまで。

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