・犬がくるくる回るのはストレス行動です
最近よく「くるくると回る犬」を見るようになりました。
テレビやネットで犬の面白い行動として取り上げられているのは以前からのことでしたが、映像情報が目につくようになったからかとても気になります。
家庭訪問トレーニングで初めて伺ったお宅で、犬がくるくると回る行動を見ると「回らなくていいんだよ」と本当に思ってしまいます。
実はこれは大変なストレス行動なのです。
犬がくるくる回る行動ですが、犬が喜んでいると誤解されている間は飼い主が犬の行動の問題に気づくことはありません。
とても気になるこの犬の行動ですが、飼い主さんはあまり気にされていないようですが、この不思議な行動をそれぞれに意味付けされています。
犬が意味のない行動をしていると思うからこそ、飼い主側に不思議が生まれるのです。
これを納得させるために、飼い主の脳内では犬のすべての行動に意味が付けられていきます。
インターホンがなってくるくる回っている犬をみて「来客に喜んでいる」と思うようになります。
一旦こうなると犬がくるくる回る行動をみても飼い主の脳の中ではすぐに喜んでいるというデータが入ってくるだけで、飼い主側がストレスをかかえることはありません。
・犬がくるくる回るのを見て気分が悪くなる
ところが私の場合には犬がどのような行動をしていても、まず意味付けせずにクリーンに共感できるように練習しています。
犬をよく観察しさらに共感する癖のようなものがついているので、くるくると回っている犬を見ていると自分も具合が悪くなってしまいます。
そのためくるくる回っている犬の脳が過剰なストレス状態にあると、自分も同じようにその状態に入ってしまうのです。
とても消耗する行動で、あまりにも真剣に見てしまうと一日のうちの体力をほとんど持っていかれるのではないかと思うほどです。
それでつい「くるくる回らなくていいんだよ」と犬に言ってしまうのです。
・飼い主さんにストレス行動について説明する
カウンセリングの時に実際に見た犬の行動については、時間の許す限り飼い主に説明しています。
非常に多くの行動を見ることができるので、説明には時間が足りなくなることもあります。
それでも、今目の前で見ている犬の行動が「ストレス行動」だという説明を受けると、ほとんどの飼い主は納得されます。
しかもこのくるくる回る行動については、単なるストレス行動では済まされない状態になります。
非常に興奮度が高い状態のストレス行動は、脳内に強いストレスを与えています。
ストレスというと精神的な圧力だけだと受け取られることがあるのですが、本当にダメージを受けているのは脳なのです。
ダメージを受け続ける脳が、破損するという状態にいたるまでには何年もの時間を必要とします。
ただ破損してしまったあとではなかなか修復が難しいので、破損をする前に少しでも改善できることがあればやった方がいいのです。
もしみなさんの近くに「くるくる回る」行動をしている犬をみかけたら、笑ってすまさずに大変な問題だととらえて専門家に相談してください。
この場合の専門家とは犬の行動についての専門的な知識を持つという意味です。
犬たちは飼い主さんの手助けをいつも待っています。