犬の絶対に止めさせて欲しい行動のひとつ、それが「とびつき行動」です。
止めさせてほしい理由はいたってシンプルなのですが、とびつき行動は興奮行動だからです。
犬が勝手に上下に飛び上がる行動も興奮行動ですが、もっと質の悪いのは飼い主に前脚を当てるようにしながらする飛びつきです。
場合によってはそのまま犬が体重を飼い主にかけたまま立ち上がっていることもあるのですがこちらも容認できません。
不安定な行動を飼い主が維持するという依存のスタイルだからです。
いろいろある飛びつきの中でも今日お伝えしたいとびつき行動は「ジャンプしながら前脚を飼い主に当てる」というとびつきのパターンです。
ジャンプしては飼い主に前脚を少しかけ、再びジャンプしては前脚を少しかけます。
そしてぐるっと部屋の中を走りながら助走をつけて間合いをみながら三度飼い主にジャンプします。
トレーニングクラスではよく見かける光景なので動画を撮りたい衝動に駆られるのですが、あまりにも質の悪い行動なのでネットで公開するには気が引けてしまい動画は動作確認をしたらすぐに削除しています。
似たような行動はネットでもよく見られるので探してみてください。
もしくは「うちの犬が同じことをしている」のであれば、日常的に確認できますね。
このとびつき行動は犬が興奮しているときに行う行動です。
このとびつきのパターンの場合は、興奮行動であるだけでなく攻撃行動にもなっています。
ほとんどの飼い主がこの行動をこのように説明します。
「遊んでといってとびついてくる」
「かまってほしいといってとびついてくる」
「こっちを見てといってとびついてくる」
さらに
「私のことが大好きだといってとびついてくる」
最後のコメントになるとさすがに我が子に盲目になっている飼い主のコトバになりますからみなさん自重しましょう。
これらの飼い主の行動分析ですが、全くずれているわけではありません。
要するに犬は「要求」をしているわけです。
遊べ、構え、こっちを見る、もしくはあっちへ行けとかいうことを聞けといった感じです。
犬側の要求ですが、要求するだけならわんわんで十分ではないかと思うのです。
飼い主に対するとびつき行動をするとなると、軽く体をつつきながらの要求ということになります。
軽く飼い主をつついて「金よこせ」
軽く飼い主をつついて「おやつよこせ」
軽く飼い主をつついて「俺を膝の上に乗せろ」
軽く飼い主をつついて「散歩につれてけ」
何か思い当たることはないでしょうか。
小型犬の飛びつく行動をかわいいと思う飼い主が多くこの説明が難しかったので、こういうとわかりやすいかと思いお伝えします。
犬の飛びつき行動でジャブ受けてますけど…隙だらけですよと。
男性なら多少なりとも格闘技に興味を持たれたことがあるでしょう。
ジャブを受け続ける自分というのが軽く想像できるらしく結構納得してもらえます。
飼い主が受け続けるこのジャブですが、当然のことながらKOへの道を歩いていますので場合によっては噛みつきになります。
普段から犬のとびつきというジャブを受け続け、犬の方は毎日繰り返しジャブをうってタイミングを見計らっているわけですから、かみつき行動に転じるのは何も不思議なことではありません。
飼い主が女性の場合には、このジャブは要求から甘えに転じるジャブに切り替わります。
甘えの対象となる飼い主を遠ざけてしまうのは依存に陥っている犬にとっては不利益なことです。
飼い主を有効活用して要求を通し続けるためのとびつきというジャブを使い続けるでしょう。
その犬のとびつき行動、結果として犬は不安定な状態だというお知らせなのです。