吠えたり、噛みついたり、飛び跳ねたり、騒がない犬にならないようにしたいと飼い主なら思います。
すでになっている場合には、そうならない犬にしたいと飼い主なら思うでしょう。
否定ばかりになりましたが、要は落ち着いた犬になるためにはどうすればいいのかということです。
犬の吠える、噛みつく、興奮する、騒ぐ、といった問題を解決するための方法がしつけだと思われています。
間違ってはいないのですが、誤解が生まれそうなのでもう一度整理させてください。
犬が吠えたり噛みついたり騒ぐようになったのはどうしてでしょうか。
犬の性格の問題にされたり、犬がバカだからといった理由で片付けられることはないでしょうか。
上の理由は二つとも間違っています。
犬が吠えたり噛みついたり騒ぐようになったのは、飼い主がそう育てたからです。
この育てるという過程が人の教育の中では「しつけ」といわれるのです。
そのためいつのころからか犬の教育は犬のしつけといわれるようになりました。
そして犬を教育する学校や犬の教育の方法を教えてくれるところを犬のしつけ教室と呼ぶようになったのです。
猫の場合には猫のしつけという言葉は聞かれません。
犬は人にとっては特別な存在である証です。
だからといって犬のことをあまりにも人のように考えるとドツボにはまります。
犬を落ち着かせようとして抱っこしてポンポンと叩いている飼い主さんの姿を見ると、あなたの抱っこしているその動物は犬という動物で人間の赤ちゃんじゃないのだという違いを伝えなければと思ってしまいます。
言葉としては「犬のしつけ」「犬のしつけ方教室」となったのですが、本当に人が犬について学ぶべきことは「犬がどのような動物かを知る」ということです。
犬のしつけはここから始まります。
犬がどのような習性や行動を持つ動物であるかをよく知ったうえで、犬が必要としていることを提供すること、そして犬が動物としてちゃんと成長して発達し生きる時間をある程度は満足できるようにサポートすることが飼い主としての役割です。
飼い主としての本来の楽しみは、犬という動物を知って喜んだり不思議に思ったりすること。
犬が犬として人のそばで共に生きる姿を見ることをうれしいと思うこと。
犬という種の異なる動物とコミュニケーションをとったり協力しあったりして共に人生を歩む友になるべくがんばる楽しみをもらうこと。
そんなことが犬の飼い主としての楽しみであると自分は思っています。
もちろん人の価値観は様々なのでそうでない方もたくさんいるでしょう。
それはそれで全く構いません。
ただスタート地点の、犬のしつけは犬を叱ったりほめたりすることではなく、犬を理解することだということだけは共通認識として持っていただいています。
それがグッドボーイハートの理念「犬を理解すること」でもあります。