犬の散歩行動で問題とされることの一番は「ひっぱること」です。
そんな散歩中にリードを引っ張る犬の中には、排便をするとリードの引きが緩まることがあります。
このケースは結構多く「散歩中に排便すると落ち着くんです。」という飼い主さんからのコメントを何度も聞いたことがあります。
この場合には、犬の排便の場所がどのような場所であっても、どのような排便の仕方であってもあまり変わりがないようです。
犬が排便する場所や排便をする前にどのような行動をするかによって犬の状態はかなり違いがあります。
しかしこの散歩中に排便をしたあとに落ち着いてしまう行動パターンでは、どこでどのように排便しても結局はリードの引っ張りが少しゆるくなるという行動によって、飼い主さんは犬が落ち着いたと感じます。
すごくわかりやすい犬の行動になると、排便をするまでものすごくリードを引っ張って走っているのに、公園で排便をしたとたんにリードを緩ませて歩けるようになるという感じです。
犬の行動は全く同じようになるわけではないのですが、同じような状況や行動を同じカテゴリーの中に入れることはできます。
いくつもの犬の同じような行動パターンが見られるときには、それらの犬たちの内面には同じような反応が起きていると推測されます。
リードを引っ張って歩いているという状態は犬が興奮している状態です。
排便後にリードを緩ませて歩けるようにあるというのは犬が少し安定を取り戻している状態です。
どうみても、リードを緩ませている状態のほうがストレスの状態も低いと判断することができます。
ここで疑問をもっていただきたいのですが、なぜリードを引っ張って歩いていた犬が排便をすることでリードを緩ませて歩くように変化するのでしょうか?
そのときに犬の中で起きている「落ち着き」というのは、どうして起きてくるのでしょうか?
犬のことを理解したいと思う方は、この行動の何故を最初に見つけることができます。
最初から答えを得るのではなく、なぜこんな行動をするのだろうかとか、なぜこういう風に行動が変わってしまうのだろうかという疑問を持つ飼い主と、持たない飼い主がいるのです。
疑問のない飼い主が理解が高く、疑問の多い飼い主が無知のように思われそうですがむしろ逆です。
疑問の多い飼い主の方が理解が深く、疑問を持てない飼い主の方が犬に対して知る機会を持ちません。
散歩の排便の後に犬が落ち着くのは何故でしょうか?
ぜひ考えてみてください。