福岡の都市部を歩いていて、不思議な光景だけどもしかしたら日常の風景になるつつあるのかもしれないと思うことがあります。
それは、小さな犬たちが飼い主に抱っこされたまま散歩していることです。
もしくはカートに入れられたまま散歩していることです。
カートに入れられている犬たちについては、まだ歩道を歩くことに慣れていないための一時的な段階なのかもしれないと考えることもできます。
もしかしたら抱っこして歩いている犬たちも、散歩ができるようになる前段階なのではないかと積極的に考えることもできます。
でももしかしたら、これらの犬たちは公園でポンと出されたり、飼い主がカフェでお茶をするときにそばでウロウロとしている以外はずっと抱っこだったりカートだったりの拘束状態にあるのかなと見て取ることもできます。
飼い主に抱かれて移動する犬の中にはその表情が無機質なお人形のようになっている犬もいます。
抱っこして散歩するよりも自分の脚で歩いて移動したいという気持ちが、もうこれらの犬の中にはないのでしょうか。
それでも全く散歩に出してもらえない犬たちよりはましではないかと、消極的な考えに至ることもあるのです。
少し前、そうですね、10年くらい前だったら散歩に行く時間がないから犬を飼うことはできないと考える人も多かったのではないでしょうか。
ところが犬の小型化が進む中で、何故か小さな犬は散歩に連れていく必要なないという人の都合による考えが肯定されるようになってしまいました。
散歩に連れて行かないのはかわいそうなのか、散歩に連れていく必要がないもしくは散歩に連れていくのがむしろかわいそうなのか。
私の知っている犬という動物は散歩を必要としています。
散歩は犬のテリトリーを安定させる行為であると同時に、その行為そのものが犬の安心と安定を引き出すものです。
散歩は犬の本来もつ欲求を満足させる行動でもあるからです。
同時に、散歩という活動を通して人という飼い主と関係を深めていくことができます。
むしろ、散歩以上に犬と関係を深める活動があるのかと思うほどです。
散歩について考えなければいけないのは、都市空間の環境が犬が散歩をするにはあまりにも危険だということでしょう。
歩道や道を歩いていると大きな車が常に横切り、歩道の上では自転車がすぐ犬の脇を音もなく通過します。
ゴミはたくさん落ちているし、アスファルトは犬の脚に不快感を与えてしまいます。
犬はこれらの悪環境の中で散歩を楽しむことができず、散歩に行きたがらないリードを引っ張るなどのストレス行動も増えてしまいます。
楽しくお散歩したい飼い主も犬とともにストレスを抱えてしまうという現実もないわけではありません。
特に福岡地区は、東京のような大都会と比較して住宅空間の中に人の癒されるような大きな公園が整備されていません。
公園は商業的に何かを生み出すわけではないので、排除されてきたのかもしれません。
これほど福岡に人口が増えるとは想像せずに、人も増えて同時に犬も増えてしまったけど森林を満喫しながら歩けるような公園は散歩コースの中にはないのです。
そんな犬の散歩にとって不利益な環境であるということは認めた上で、今一度申し上げたいのです。
やっぱり犬には散歩が必要です。
飼い主さんといっしょに、太陽のある時間に、ゆっくりと時間をとって、できるだけ緑があって自然が残されているようなそんな場所で毎日散歩をすることは犬にとっての毎日の小さな幸せです。
1週間に1回しか散歩に出ていないというなら、まずは週に2日にしてみてください。
次の週には週に3日にしてみてください。
毎日の習慣になっていないことをとりいれていくのは、人の忙しい生活の中では大変なことだということはわかります。
犬との散歩が飼い主さんにとっても気持ちの良いものになってくれれば、散歩に出ることもおっくうではありませんね。
だとしたら始めるなら今の季節が最高です。
春のこの季節、動物なら冬で冷え切ったからだを太陽に当てたいと思うのが自然だからです。
花粉症の方には少々過酷ですね、ときどき七山に来て肺の中の空気を入れ替えてリフレッシュしてください。
山は花粉が多いですが空気は明らかにきれいなので、数日過ごしていただくと体はきれいになります。
私もそろそろ七山で細胞を入れ替えたいと週末が来るのを楽しみにしています。