いのさんの筍堀りのおかげで満腹を忘れることのないオポ。
準備が整っていればちゃんと芽が出てくるんだから本当に不思議です。
それを探す術と獲る術を知っている動物たち。
オポたち犬は本来なら一番上にいたんだろうけど、今のところは一番下で食べていることになる。
「いろんな事情があったのさ。そのうち話すよ。」
とオポがいうので、そのまま月日は過ぎていった。
自然の中で起きていること、自分の知らない世界がある。
たくさん知りたいから、知っている人が描いた作品なども見る。
「先生の家にそっくりの家がでてくるんですよ。」といわれてちょっとだけ関心のあった映画を借りることができた。なるほど「力を込めないと開かない洋風の窓」のことね。
そのシリーズは自然や宇宙について大人と子供にもわかりやすく表現してある。
映画をご覧になっていない方のために、できるだけ簡単に…こんな感じで。
少女は大変好奇心旺盛で、いろんなことに興味を持っていた。
年齢も大人に近づいてくると、その好奇心で次々と行動を起こしていく。
大人の目線から見ると「危ないから止めなさい」といわれるくらい。
結果、好奇心から行動したことで問題を起こしてしまいそれが家族(仲間)にまで危険を及ぼすようなことになった。
少女は大変落ち込む。自分の行動で皆を危険にさらしたのだ。
だが、少女は自分でその問題を解決しようとさらに行動を起こす。
少女と出会った少年は心臓が悪く、文字通り心の病を抱えていた。
少年の両親は仕事に忙しく、少年はいつも一人ぼっちだった。
少年は少女に言った。「君には家族がいるんだね。うらやましいな。」
動物はみな好奇心というものを持っている。
性質によるから、好奇心の強い動物とそうでないものがあるだろう。
ただ、どんなに小さな好奇心であっても、好奇心のない動物はいない。
その好奇心を持ち、動物はいろんなことを経験する。
経験とは「良い事」だけをいうのではない。
それなのに犬に対して楽しい経験だけをさせようとしたり
安全だからと囲いの中に入れてしまおうとしていないだろうか。
安全に作られた遊具でしか遊ぶことが許されていない子供たちのように。
生きていれば辛いことを、だれしもが経験するだろう。
そのきっかけが「自分の好奇心」であったということが、自分を戒める結果にもなる。
未熟な自分によって起きたいろいろな経験は、今の自分を教えてくれるからだ。
そこで落ち込んでしまうのか。
落ち込んでいる犬を見て飼い主も落ち込んでしまうのか。
それは経験の内容によるのではないと思う。
経験は自分を成長させるためにある。
そして動物が自分できちんと選択して行動を起こしたのなら
それを超えていくのも、やはり動物自身なのだ。
成長というボタンを押してくれるもの、それが少女にはあった。
毎日協力しあって生活をし、共に暮らしている家族。
家族の絆といえばあまりに単純なコトバになるが
その見えないつながりこそ、彼女を奮いたたせた。
犬という動物が暮らす環境は本当に難しくなってきた。
家族の絆を知っている犬がどのくらいいるのだろう。
犬に聞かなくてもわかる。それは彼らの行動に現れる。
つながりを知っている彼ら、強いものね。