先日犬語セミナーを開催したときに、数名の生徒さんと犬のペアが顔合わせすることになりました。
ある生徒さんが「犬と飼い主さんって顔まで似るんですね~」とおっしゃいました。
「犬は飼い主に似る」つまり「犬は飼い主の鏡である」は古典的な犬の本にも書いてあります。
あの動物行動学者のコーラントローレンツ博士も「人、犬を飼う」の著書の中で、
犬は飼い主と似るものであることをエッセイを添えて書いています。
ノーベル賞受賞学者のお墨付きである「犬は飼い主に似る」説ですが、本当にそのようです。
コメントされた生徒さんは、ただ顔つきが似ていますねとおっしゃったのです。
そもそも、犬と人は全くことなる種なのですから、種の異なる動物の顔が似ているというのもすごいことです。
人事となると「ほんとに似てるよね。」と盛り上がる話ですが、自分のこととなると「この犬と自分が似ているってどういうことだろう?」と考え込んでしまいます。
ですが、冷静になって観察してみると、顔つきだけでなく行動のパターンもよく似てくるのです。
行動のパターンだけでなく、気合とか勢いといったものも似てきてしまいます。
そのため、老人の飼っている犬は行動がゆっくりとなるというのも、犬の定説のひとつです。
本当にゆっくりとした動きになっていくのは不思議なことと思います。
先日、練習中のバイクに乗って七山校から一番近い生徒さんのご自宅まで家庭訪問トレーニングに伺いました。
バイクに乗る時間があまりないので、生徒さんにも「今日はバイクでいきます」とラインで連絡しました。
その生徒さん、なんとバイクの音ですぐに出て来られました。
そしてバイクをみてとても興奮されているのです。
話を聞くと、若いころにバイクの免許をとりたかったけど、タイミングがあわずとれなかったが今でも乗りたいとのことです。
私もよりもずっと若い女性の方なので、ぜひ乗ってくださいと強く勧めました。
すごく迷われていたけれど、私がバイクに乗ってきたことで刺激を受けましたとのことでした。
若いといっても中年期が始まってしまうと、若いときのようにエネルギーが出ません。
守りに入ってしまうだけになると、犬の行動も守りが強くなり、新しい一歩も踏み出せないこともあります。
飼い主さんの一歩で犬の何かが変わる可能性も十分にあります。
少し守りにはいりがちなその犬ちゃんのことを思い、飼い主さんのエネルギーがちょっと膨らむといいなと結構お誘いしてしまいました。
犬と飼い主はなんでも似てしまうのです。
それは、犬にとっては当たり前のことなんです。
なぜなら、犬は飼い主を映し出すという意味でとても「忠実である」。
それが犬という動物だからです。