先日ある生徒さんのクラスのときに、子犬ちゃんが紙のオモチャで遊んでいるのを見ました。
とても気に入っているらしく少し食べているようだが排便の状態がよくなったと飼い主さんもおおらかに見守ってくださっていました。
そうですね。紙はパルプなので元の素材は木ですから、子犬が遊んで噛んだりその一部を食べてしまうのはよくわかります。
枝が好きなら七山からたくさん持って来てあげますよということで、その子犬ちゃんに小枝をプレゼントしました。
とても気にいってくれたようで、小枝を噛んで遊んでいます。
子犬は庭遊びをすると、よく小枝を拾ってきたり口にくわえて遊んでいます。
木の皮をはがして食べたり、ガリガリを枝をかじってその一部を口に含んで食べています。
庭に落ちているような木は水分も多く、がちがちに感想した家具よりもよほど安全です。
ほおって置けば土になってしまうようなものなので、ある程度は発酵していてほどよく菌もはいっています。
木に良い菌がふくまれているので、それもいっしょに食べることができるでしょう。
人の方も知らないうちにこの原理を利用しています。
クロモジという樹木をご存知でしょうか。
七山の山にもたくさん生育している樹木で、楊枝として使われています。
茶菓子をいただくときに使う高級な楊枝です。
クロモジには殺菌作用があり、そのために楊枝として使われてきたようです。
昔の人が爪楊枝で歯磨きをしていたのもその理由からなのかもしれません。
犬は特に知識はありませんが、枝をかじったり細かくして食べたりします。
危険なジャーキーやガムよりもよほど安全で健康てきです。
ところがよく「犬に木をかじって食べているのですがいいのですか?」と聞かれることがあります。
いや、犬はよく木をかじって食べています。
危険な食べ方は、硬すぎる木をかじることや、犬にストレスがたまっていて大量に木をかじって食べてしまうことです。
どんな遊び道具もストレス過多の状態の犬には危険性があります。
同じ行動をくり返したり執着行動が出るため、なかなか止めることができないからです。
こういう場合を除けば、犬は自然素材のものでよく遊びます。
犬はそもそも屋外の動物ですし、土を掘ったり木をかじったり草を食べたりするのは本来の犬らしい行動です。
犬が犬らしく過ごせる時間がどんどん少なくなっているようです。
犬が犬として自然に遊んでいた道具が身近になくなってしまったからです。
犬が自然に遊ぶことを人が止めるようになってしまいました。
犬が土の上を歩くのを汚いといわれるようになりました。
人の価値観がこれだけ変わると、犬はこれからどうやって生きていけばいいのでしょうか。
犬が自然と親しむ姿を見ると少しほっとします。
犬は自然の生き物であることを犬が教えてくれる気がします。