犬のしつけやトレーニングのご相談の中で最も多いのが「トイレの失敗」です。
犬の問題行動を解決するドッグトレーナー(正しくはドッグインストラクター)といえば、吠えたり噛みついたりする問題を解決する仕事だと思われがちです。
犬が吠えることや噛み付くことは飼い主や近所の人にとっても迷惑なことなので、ご相談内容としてはもちろんあるのですが、もっと相談件数が多いのが「トイレの失敗」とみなさんがいわれるところの、犬の不適切な排泄行動です。
特に、室内飼育の犬の不適切な排泄行動による室内でのトイレの失敗は、人が精神的にとてもダメージを受けることです。
室内をきれいに保ちたい、空気をきれいにしたい、お掃除をしっかりしたいという気持からです。
そのきれいに整えられた空間が犬の排泄によって一気に乱されてしまうわけですから、飼い主としてはたまったものではありません。
多くの室内飼育の子犬たちは、家に迎え入れられたときは「サークル」という管理道具を使って過ごしていることが多いようです。
そもそもこのサークルという管理方法が不適切だから「トイレの失敗問題」が起きるのです。※関連過去記事を最後尾に添付していますのでご覧ください。
犬の「トイレの失敗問題」のご相談の月齢ですが、若い犬で生後3ヶ月、年齢が立つと3才や4才になってもまだ適切な場所で排泄ができないという異常事態が発生しているようです。
犬が何才になると適切な場所で排泄できるようになるのかというと、実はみなさんが思っているよりもずっと早い時期です。
犬は生後21日で自力の排泄行動がスタートするときに適切な排泄行動を引き出せるようになります。
自力で排泄というのは、今まで母犬に排泄の処理をされていたことがなくなり、自らの脚で立ち上がり寝場所からは離れた場所で排泄をするようになるという意味です。
ではなぜ、何才になっても犬の「トイレの失敗問題」が続いているのでしょうか。
ほとんどは犬の問題ではなく、飼い主の提供した環境が整っていないという飼い主側の問題です。
問題のひとつには、犬が未熟なままで発達がなされないため、おもらし状態で排泄を不適切にしてしまうということも含まれます。
表題には「犬のトイレトレーニングは生後3ヶ月までに完了」と書きましたが、本来なら犬のトイレトレーニングは生後1ヶ月半で完了していることが本来の犬の行動です。
この生後1ヶ月半から3ヶ月の間にわたり、犬が繁殖者やペットショップから新しい飼い主の元に引き渡され生活環境が激変してしまうという状況を考慮すると、生後3ヶ月では完了しておくべきことと長めに設定しています。
犬と暮らし始めたばかりの人がいて、生後1才近くになろうとしているのに排泄を不適切にするトイレの失敗問題が起きているのであれば、それは犬のストレス性行動として捉え、早速問題解決のための努力を始めてください。
過去ブログ記事
<犬のしつけ方>犬のトイレの失敗はそのうちに良くなると期待しないで。犬のトイレのしつけは自律的行動を引き出すことから始まる大切な社会化学習です。
<犬のしつけ方>犬の社会性に大きな影響を与える犬用のケイジとサークル使いの注意点
<犬のしつけ方>子犬のトイレ失敗はいつまでに解決する?