犬にいろいろな学習を促すいわゆる犬のしつけやトレーニングの中で起きる、不思議な「トレーニングあるある」のひとつに「いきなりできるようになる現象」というのがあります。
犬ができるようになる内容は犬によって様々で、特定のものではありません。
具体例として以下にあげますが、実際にいろいろとあります。
ペットドアをいきなり通れるようになった
ハウスというと、いきなり合図で入れるようになった
吠えているときに「イケナイ」という声に、ある日突然反応して吠えるのを止めるなるようになった
リードをつけるときに突然オスワリができるようになった
このいきなりできる行動の多くは、行動をするという積極的な反応の場合に起きています。
上記にあげた例の中で、イケナイというと吠えるのを止めるようになったという反応は、行動をしなくなったケースなので、該当しないように思われるかもしれません。
ただ、この行動も実際に確認してみると、吠えるのを止めると同時に飼い主の声に対して集中して注意を払うという行動に置き換えられているのがわかります。
結果、吠えるのを止める行為にいたったということですが、やはり「できるようになった」部門に入る行動改善です。
飼い主は口々に「今まで全くできなかったのに、何故できるようになったのかわからない」といいます。
こうした行動の変化は、自分達の身近にも起きていることがあります。
同じことを何回も練習をくり返すと、練習が一定期間に達してできるようになるということです。
犬にハウスといったらハウスに入るトレーニングなどは、犬をどのようにしてハウスに誘導するのかで行動の定着性が変わってきます。
同じ行動をくり返せば定着するわけですから、ハウスといって犬を抱えあげてハウスに入れることを何万回くり返しても犬は言葉でハウスに入るようにはなりません。
イケナイといって犬が吠えるのを止めるトレーニングについても、犬が飼い主の言葉に集中する素材がどこにもないとすれば、この練習を何回くり返しても犬は吠えるのを止めません。
犬が飼い主の合図という言葉に集中する素材とは、常日頃からわかりやすく伝える努力を飼い主側が続けていくことと、犬を惹きつける声を出せるようになるかどうかも大切な要因です。
声の出し方については、犬は反応度がかなり違います。
知らず知らずのうちに飼い主が犬が反応しやすい声を出せるようになっていることもあります。
練習しているのは犬ではなく飼い主の方なのかもしれませんね。
いずれにしても、犬の落ち着かせにとって大切だと思うルールは、いい加減な気持ちで導入せずに犬ができるようになるところまで継続することです。
それは数ヶ月かかることもありますが、練習の成果は必ずやってきます。
あきらめないこと、犬との関係作りのキーワードです。