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<犬のしつけ方>子犬の社会化:子犬のシグナルを読み違えると社会性へ悪影響が出ること

犬のしつけ方やトレーニングについて学んでいる方なら、「犬の社会化」とか「犬の社会性」という言葉をどこかで耳にしたことがあるでしょう。

また、この「犬の社会化」という学習が、子犬期に、つまり生後4ヶ月くらいまでが重要であるという情報も広まっています。

社会化という言葉をわかりやすく簡単に言うなら、環境に適切に反応するという「環境への適応性」になります。

環境に適応した状態というのは、犬が日常的に生活する環境の中で、より多くの安心を獲得していく過程ともいえます。

例えば、散歩中に他の犬にあってもリラックスしてすれ違えるとか、外から聞こえる日常的な音に対して過剰な反応をしないとか、人に反応せずにすれ違えるといった行動は、犬が環境に対して適応性を高めている「社会化している」状態です。

これに反して、散歩中に他の犬を見て興奮して吠えたりリードをひっぱったりする、他人に対して近付いていこうとしたりとびついたりする、外からの物音に対して吠えたり飛び上がったり目を見開いたりする状態は、社会化していない状態といえます。

子犬のころの社会化学習について、インターネットなどに散乱する情報は偏りがあり明らかに間違っているものがあるので注意してください。

間違った情報はたくさんありすぎて書ききれませんが、これだけはとあげるなら以下のことは再考していただきたいと思います。

それは、たくさんの人や犬に会わせたり、いろんなところに子犬を連れて行くことが社会化だといわれていることです。

これは偏りがあり間違いやすい情報なのです。

子犬期に人や犬の多い公園や騒音の多い場所に連れ出したため、生後6ヶ月を過ぎることには吠えたりリードを引っ張ったりするような興奮しやすい犬になってしまったということはよくあることです。


インターネットで検索すれば簡単に情報が入手できるようになった時代だからこそ、間違った対応で子犬の社会化学習に失敗するケースが増えてしまっているようです。

子犬の社会化学習に必要なのは、子犬が適切にテリトリーを構成していくこと、子犬が飼い主という人と社会的な関係を深めていく事、そして子犬が散歩などの家庭周辺の環境に対して安心を獲得していく過程なのです。

ところが、子犬の社会化学習には難しい部分があります。
それは、子犬のシグナルが読み取りにくいということです。

犬は早くて生後6ヶ月前後、遅ければ2才くらいまでは「吠える」「咬みつく」といった闘争行動をすることがありません。子犬はストレスを抱えている場合に多くは逃げるという行動をとろうとしますが、逃げられなければただ興奮するもしくは硬直するとい行動をします。

子犬の興奮したり、硬直したりする行動は、一般的な飼い主からみると「喜んでいる」「大人しい」と受け取られがちなので、犬の反応としては問題がないとされてしまいます。

犬が興奮したり、硬直したりするのはストレスが上昇しているシグナルであり、社会化がうまくいっていませんよというお知らせにもなっています。

子犬のシグナルを読み違えるだけで、社会化は促進されるのではなく退行してしまっていることを気づかないまま、社会化学習が継続されてしまいます。

くり返し行われる刺激に対する興奮などの行動は、回数を重ねるごとに学習を深め、ついに子犬が生後1才を迎えるころには、吠えるという行動を多発するようになってしまうのです。

社会化学習のあり方と子犬のシグナルの読み取り方で、子犬の社会性が発達していくかどうかが決まってしまいます。

子犬はコミュニケーション力が低いため、その表現方法は成犬ほど洗練されていません。

子犬のシグナルを上手に読み取っていかなければ、適応力を育てる社会化学習も成功しないのです。

ただ、犬を刺激のあるところに連れて行きさえすれば社会化すると思わせるような情報が溢れているのですが、よくよく考えるとつじつまが合わないのですから、たくさんの情報を受身になりすぎず、よく自分自身で消化してみることをおすすめします。

子犬によって個性のあるシグナルの読み取り方など、すべての飼い主さんに身につけていただきたいことなのです。

子犬の社会化を成功に導きたいなら、子犬のシグナルを読む練習からはじめてください。

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