前回のブログで犬の「ひとり遊び」のうちの知的玩具で遊ぶ犬のご紹介をしました。
記事は以下でご覧ください。
<犬のしつけ方>犬のひとり遊びを考える前編:知的玩具で遊ぶ黒ラブマーゴ
何をもって知的玩具というのかということは、またいつか説明したいと思います。
今日は、様々な玩具遊びの中でも比較的多くの犬がする「ペットボトル遊び」を例にあげて、犬のひとり遊びについて考えていきます。
ペットボトル遊びとは、ペットボトルを口にくわえたり噛んだりして音をならしたり破壊していきながら遊ぶことです。
犬によってペットボトルの噛む箇所が違っていたりします。
ある犬は口の部分だけを噛んでいたり、またある犬はボトルにフタをつけないと噛まないこともあります。
中央部分を噛んだり放したりしてパコンパコンといって音を鳴らして遊ぶ犬もいます。
口にくわえ込んでガムのように噛みながら破壊していくこともあります。
ペットボトル遊びは犬によって様々ですが、こうした遊びを犬はひとりで行います。
つまり、ひとり遊びを継続してするのです。
犬によってはペットボトル遊びを30分くらい続けることもあります。
遊びに満足したり飽きると自然に止めてしまいます。
自然界にはないペットボトルという素材が犬の脳をどのように刺激しているのかは不明です。
ペットボトルの原料は石油ですから、石油の臭いが動物を興奮させるのかもしれません。
七山校では昨年ペット素材の草履を20個くらい野生動物に持っていかれた草履事件がありました。
専門家に尋ねると動物が興味を示す素材ではないかとのことでした。
犬がペットボトル遊びに関心を示す他の理由としては、単純に応答性の高いものであるからといえます。
応答性というのは、コミュニケーションのキャッチボールのことをいいます。
幼少期にコミュニケーションや社会性がまだ未発達の場合には、道具やものの応答性を通してコミュニケーションの満足を得ます。
簡単な応答になっています。ペットボトルを噛むと音が出るとか形が変わるとか、口にくわえているものを放すを落ちるとかですね。
人の幼児も同じように道具の応答性を使ってひとり遊びをします。
ただ、幼児に学ぶとわかるように発達が進むとこれらの単純な応答性では満足しなくなってしまうのです。
人と人のコミュニケーションの方が自分を人として発達させるため欲求が高まり、単純なひとり遊びは少なくなっていきます。
ペットボトルの応答性を使った犬のペットボトル遊びを見ていると、単純な応答を利用したもので知的な発達を促す玩具とは少し違うようです。
しかもこのペットボトル遊びですが、子犬にはよく見られますが成犬になるとしなくなってしまいます。
発達の過程で必要となくなったり興味関心が薄れるためですが、犬の社会性が発達しているお知らせとしては正常なことです。
むしろ、成犬になってもペットボトル遊びに夢中になることの方に注目する必要があります。
こうした犬たちは、人や他の犬との社会的なコミュニケーションがあまり得意でないことがあります。
遊びが成長の過程の中で、発達に応じてその形を変えていくことは、人では当たり前のことでもまさか犬がと思われるかもしれません。
犬は成長し発達する動物なのです。
限られた環境に拘束されている現代の日本の犬たちに、成長し発達することで生きる幸せを獲得できる機会が増えることを望みます。