昨日のブログで、人の指差しを理解する犬についてお話ししました。
ブログ記事<犬のしつけ方>人の指差しを理解する犬に観る理解力
記事の中でも述べたように、犬は人が物を指し示すときに使用する指で差す行動をしません。
犬にも脚の指がありますが、犬は人のように指を使っていないからです。
犬たちにとって脚の指は、どのような状況下でも必要に応じて行動を起こすために、常に地面の状態を受け取りいつでも活動に備える必要があるからでしょう。
しかし、この差す指を持たない犬たちにも、互いに物を指し示すという行動があります。
犬と暮らしているみなさんは、もうお気づきのことと思います。
犬がテーブルの上に乗っているジャーキーや、棚の上にあるオモチャを指し示したことはないでしょうか。
「あれ!」という感じですね。
このような指し示す行為に犬が使用するのは、視線です。
はっきりと差し示す場合には、体の全体を矢印のようにその方向へ向け、視線をまっすぐにそちらに向けてみます。
その後、指し示しを受け取って欲しい飼い主の方に一旦視線を移します。
飼い主が自分を見ていることを確認したら、再び指し示す方向に視線を向けます。
これを数回くり返せば、ほとんどの飼い主は犬が指し示している物に気づくことができます。
犬が物を視線で差して他者に伝える方法は、人に対するために発達したものではないようです。
観察していると犬は他の犬に対しても、同じ視線使いで差すという行為をします。
違いを感じられるのは、人に対して行うときには数回にわたり人の方を視線を移すのですが、
他の犬に伝える場合には、視線を他の犬に移すことが少ないということです。
犬と犬、物を指し示すような関係性に至ったときには、その関係性は深いものであるからでしょうか。
物を指し示す行為をする犬の行動を、他の犬が読み取る早さは人よりも早いのです。
犬が体の向きや視線で物を差す行動には、人の指差しにつながる社会性の高さをみることができます。
犬はやはり、とても社会性の高い動物なのだ。
彼らは社会を必要としているし、社会で使うコミュニケーションも発達させることができる。
そんなすばらしい犬という動物の発達を、飼い主おひとりおひとりがぜひ支えてください。