グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>散歩中に排泄することができない犬たちの理由

福岡市内を中心とする場所では、犬に排泄をさせる場所についてのトラブルも多く発生します。

トラブルの理由はわりと単純です。

犬が増えていること、排泄させる場所がなくなっていることです。


犬が増えた理由は、マンションの室内飼育の増加を住宅地の建設です。

排泄させる場所がなくなっているのは、公園の縮小と道路のアスファルト化です。

これらの理由は現象として実際に起きていることです。

環境に不具合を起こせば、犬は排泄場所が不安定になり、
歩きながら排泄する、いわゆるお漏らしをしてしまうこともあります。

こうした目に見える理由だけでなく、犬側の理由もあります。


犬側の排泄場所が不安定な理由は、犬の排泄の目的なのです。

犬の排泄は、ただ生理的に用を足すというものだけではありません。

生理的な行動と共に、テリトリーを獲得するために行動を行っています。

排泄行動はテリトリーを獲得する行動と結びついているのです。

このことが、室内であれ、屋外であれ、犬の排泄の場が不安定になる第一の理由です。


ちょっとイメージしてみてください。

犬の散歩コースと同じ道を、何頭くらいの犬が歩いていると思いますか?

経路が全く重ならなくても、ポイント的に重なるとなると数十頭の犬が、

テリトリーを重ねているということも十分にありえます。


犬たちは排泄をする前に、他の犬の排泄の臭いを嗅いでいます。

この場が自分のテリトリーだと主張する犬の臭いを嗅いでいるわけです。

その社会的なグループに、入っていこうと思う犬だけが、そこに排尿をします。

グループに入るというのは、堂々と入っていくタイプと、出会ったら吠えあうという形で
関係を持ち始める犬もいます。

最近は、後者のにらみ合い、吠えあい、相手の存在を無視といった対立的な行動も多くみられます。


中にはグループ内にいることと、自分の立場を認識しつつ、堂々と歩く犬、
もしくは、頭を下げたり顔を背けたりして、弱弱しく振舞って世渡りをする犬もいます。

こうした犬はほんの少しになってきました。

犬の性格の問題だけでなく、犬の数があまりにも多く、犬たちのストレスも大変強いため、
お互いが関わるということが難しくなってきてしまったからです。

これは犬側の問題ではなく、人の作った空間によって生じてしまった難しさです。


中には、どこにも排泄することができず、かなり遠くまで歩いて行って排泄をする犬や、
外で排泄できずに、自宅までがまんしてしまう犬もいます。

室内で排泄をしてほしい飼い主からすると、犬の室内トイレは「助かる」ことなのでしょうが、
実際の犬の発達や健康を考えると、喜ばしいとは言えません。


とはいえ、アスファルトばかりの街中で排泄ができるのが公園だけとなると、
公園に犬の排泄が集中してしまいます。

「公園は犬のトイレではない」という意見も、最なものだといえます。

他人の家の前や駐車場で排泄をしてしまうことも、同じ理由で了解できません。


では、どうしたらいいのだろうかと頭を悩ませています。

人側に立って考えれば、室内やベランダや庭で排泄させて、
散歩中は排泄をさせないという意見になるでしょう。

しかし、これは犬のナチュラルな行動に反しており、
動物福祉的な視点からみても明らかにフェアではありません。

まだ最適な解決策を見出していないのですが、
工夫してやっていただいていることもあります。

もっとより良い方法がないかを考えているところですが、
人の暮らし、犬の暮らしの根本が変化していかなければ、難しい問題のようです。

あと10年もしたら、犬は室内でしか排泄しないとか、
犬は室内飼いが常識といった時代がやってくるのでしょうか。

犬という動物をそこまで変えてしまうことは許されることとは思いません。

犬の行動の不思議さは、環境の不安定さでもあります。

よく観察して、よく考えていきましょう。

dav