犬の音に対する反応についてのコメントです。
昨日のブログからの続編になりますので、読んでいない方はこちらからどうぞ
→<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?前編
日常に溢れる人工的な音に対する犬の反応、観察できましたか?
前編で紹介したように、注意を勧告する警告音は不快な音です。
不快な音であることが、注意を引く音になるからです。
救急車のサイレンや郊外で流れる夕方の時間を知らせる音楽は少し違います。
これらのサイレンの音には、犬は遠吠えという形で反応します。
これは一定の音に対する共鳴という行動です。
行動を誘発する刺激が与えられると行動を起こすというのは、
学習のひとつの原理なのです。
サイレンの音という誘発刺激によって、犬の遠吠えという行動が引き出されます。
ミックスには反応が多く見られますね。
ただ、この反応は前述した不快な警告音に対する反応とは違うのです。
警告音に対する犬の反応に戻ります。
犬がこれらの音に反応するときには、不快感を得てビックリしたような反応をします。
もしくは同じように不快感を表現するような行動をすることもあります。
中には、強い不快が不安を引き出し、そこからパニックを起こすようになることもあります。
警告音に対する強い反応としては、連続してワンワンと吠えてしまうような反応でしょう。
音に反応して吠える犬の声は、少し高めで苛立ちを表現するような声質をしています。
声は澄んでおらず、にごっていて犬の声にも違和感を覚える声です。
これらの犬の声にも、警告音と同じような不快感を覚えるでしょう。
ということは、犬のこれらの反応する声は、犬の不快さを表現する声だということです。
警告音によって不快さを強く感じ、それを表現するまでに高めてしまったということです。
動物によって出す音の種類はそれぞれに若干の違いはあります。
しかし、共通した情報として不快な音は不快なのです。
少なくとも、警告する不快な音は、人にとっても不快であり、犬にとっても不快なのです。
ですが、その不快感はすぐに消え去るものなので、人もすぐに元の情緒、
つまり安定を取り戻そうとします。
犬にも同じように、安定を回復させようとする神経機能が備わっています。
すぐに安定を回復させることができる犬は、
片目を開けることはあっても、すぐに目を閉じて寝続けます。
これらの状態にどのような差があるかというと、
犬の日常的な情緒状態に差があるということです。
不快な警告音に強く反応してしまう犬は、日常的に不安や不快を抱えています。
日常的な環境と、飼い主さんとの関係を三度見直す必要があるでしょう。
逆に、全く反応を示さない犬の中にも、ストレス過多になっている犬もいます。
こうした犬たちはとても気づきにくいのですが、最も気づくべき存在です。
日常の刺激によるストレスが強すぎて、無反応という状態に至った動物です。
ただ寝ているだけなのと、無反応になっている犬との区別をどのようにつけたらいいのか。
日常的な行動をすべて分析していくと、犬の状態は理解できるようになります。
犬の行動の見方は、すべての飼い主さんに理解していただきたいことです。
犬のしつけ方やトレーニングを学ぶのは、行動を教えることを学ぶだけではありません。
犬が何を感じ、何を表現し、何を必要としているのか、
理解して協力できるのは飼い主しかいないこと、飼い主とはやりがいのある仕事です。
ところで、明日から福岡・佐賀県の標高200メートルで10センチの積雪予報が出ています。
七山は標高500メートルですが、福岡で活動するため様子がわかりません。
帰宅したら積雪してるということも十分に考えられます。
七山の雪を恐れて帰れなくなったら、山人としては恥ずかしい限りなので、
意地でも山帰りを続けていきます。
七山にお越しの方には、七山雪情報は事前にお伝えします。
雪に覆われた山は最高に美しいのです。
その中に歩く犬はもっと美しい、そんな風景もいつか見てください。