福岡の街中を運転中に、ある光景に注目しました。
比較的車の多い通りの歩道を、孫と祖父と見られる人が歩いています。
おじいちゃんらしき人は孫の手をしっかりと握って安定して歩いていました。
一方、孫の方はまだ幼稚園生くらいなのでしょうか。
目線をあちこちに向けながら、興味のある方向に体重を傾けようとしたり、
振り返ったりして、とても不安定な姿勢を続けています。
好奇心が旺盛で、衝動のコントロールができていないような年齢なのでしょう。
おじいちゃんはしっかりと孫の手を握っているけれど脇はきちんとしまっています。
歩く速度は一定していて、横断歩道の少し手前で一旦止まっただけです。
孫があちこちに体重をかけても、片手を持っているがつりあげずに、
上手にバランスをとらせてくれているようです。
お孫さんの方は、いろいろなものに関心を示しながらも
安定しながら歩行されている様子が伝わってきました。
そうなんです。
こういう姿勢で、犬のリードを持ってくれればいいだけなんだけどな、
と思ってしまうわけです。
なぜ、犬のリードを持っているときは手を前に出すのでしょう。
犬が歩いたり、走ったり、止まったりするのにあわせて歩くのでしょうか。
犬が右に行ったり左に行ったりするのについて歩くのでしょうか?
確かに、お孫さんの手を持つように犬にバランスをとらせることは、
そんなに簡単なことではないかもしれません。
同じようにはいかないかもしれません。
でも、基本的姿勢は同じものなのです。
お互いにつながっていてバランスを取るわけですから、
お互いに気持ちのつながりもないとうまくいきません。
お孫さんの手を上手にひいて歩けるのは、
毎日お孫さんのお世話を通して、信頼関係を深めているからでしょう。
犬のリードの持ち方も、単なるテクニックでは上手くいきません。
体の基本姿勢は大切にしながら、気持ちの基本姿勢も整えていきます。
わたしたちヒトとイヌ、違う種の動物だからこそお互いに理解しあい、
協力しあって生活していこうね、という基本姿勢です。
犬と良い関係にある飼い主さんは、犬にリードをつけて歩いている姿が
とても美しいと感じられます。
それは、単に犬が飼い主の横にピッタリとくっついて歩いている姿ではありません。
お互いが同じリズムで依存しすぎることなく共にいる姿です。
もっと、そんな犬と人の関係性を見て行きたいと思います。
みなさんの成長、楽しみにしています!