犬のしつけ方について、「効果」を問われたことがありますか?
たとえば、こんな疑問が浮かぶことがあるかもしれません。
犬に不妊手術をすることが、何か効果があるのか?
犬にマテを教えることが、何か効果があるのか?
この「効果」という言葉については、犬のしつけ方について使うことには違和感を覚えます。
「効果」という言葉の中には、望ましい結果や変化、効き目のようなものがあるのかという
飼い主さん側の期待がこめられているように感じるからです。
こういう捉え方になると、実際の犬の変化は起こりにくくなってしまいます。
なぜなら、見方が人の立場に寄り過ぎることと、結果が重要となってしまうからです。
犬のしつけ方を学ぶということは、犬を理解することを学ぶこと、犬の必要性について学ぶこと、
犬と暮らすとはどのようななのかを学ぶこと、そして犬とのより良い関係を作り上げていくこと、です。
犬のしつけ方を学んだたくさんの飼い主さんと犬たち。
結果としてより良い関係や絆を手にした方も多いことでしょう。
犬に落ち着きの変化が見られ、犬とより良い関係を築いてこられた飼い主さんには、
ある特徴があります。
結果を求めず、過程を大切にするということです。
犬の行動が変化する結果を求めずに、犬と関わるという過程、つまり時間を大切にできる飼い主さんです。
時間も労力もかけずに犬だけが落ち着いて自分に注目してくれるという結果だけを求めてしまうと
犬との大切な絆を失ってしまうかもしれません。
どの飼い主も目の前の犬のことを大切に思っているでしょう。
でも関係作りは面倒くさいと思ってはいないでしょうか。
犬は素直で純粋であるため、飼い主のそうした気持ちもすべて読み取ってしまいます。
そうした犬特有の読心術は本当にすごいなと思います。
犬と向き合うのにも時間がかかります。
そしてそれこそがとても楽しくすばらしい時間です。
大変だったことも、後で思い出せば楽しく笑える思い出ばかりになるでしょう。
犬のしつけは家庭の中で作られます。
家と庭、その周辺で過ごす犬との日常の一瞬一瞬が
犬と人の関係をつくっていきます。
それが犬のしつけ方です。