犬を叱るタイミングが、ずれていないでしょうか?
たとえば、テーブルに前脚をかけることやテーブルに乗ることを止めさせたいとします。
そのためには、テーブルに前脚をかけてはいけないということを教える必要があります。
やって欲しい事を教えるよりもやってはいけないことを教えるほうが
実は難しいものです。
伝えるのなら、犬にわかるように伝えなければ意味がありません。
意味がないどころか、犬は理解しないため同じ行動を繰り返します。
そして飼い主はいつも怒っていることになります。
叱るタイミングはこうです。
犬がテーブルに前脚をかける「前に」、警告音を発してください。
警告音は声で発します。
決して道具を使わないでください。
どんな言葉でも構いません。
「イケナイ」でも「ノー」でも「ダメ」でも結構です。
犬の名前は使わないでください。
犬は名前を持たない動物です。
犬同志は名前で呼び合うことはありません。
犬が自分の名前に反応するのは、それが特別の合図だからです。
だから叱る言葉には使いません。
テーブルに犬が脚をかけるときには、
テーブルに前脚をかけそうになるとき
犬の前脚が地面から離れる瞬間もしくは、
犬が前脚をかけようと体の向きを変えた瞬間です。
テーブルの前をウロウロとしてるときでも
あやしいと思ったら「そこ、イケナイでしょ」と警告を発します。
犬がテーブルに脚をかけてしまったあとに叱ると、
それはすでに「罰」になってしまいます。
自分に置き換えて考えます。
車に乗っているときに「止まれ」の表示で、スピードは落としたもののはっきりと停止しませんでした。
後ろからパトカーがウィーンといって追ってきます。
「はーい、そこ止まりなさい」とマイクでいわれるかもしれません。
すでに、罰です。
罰を受けることが決定した瞬間です。
それなら、止まれで停止できるように「はい、そこ止まりなさい」と
止まれの表示のところ言ってくれればいいのにと思いませんか?
実は、後者の方が圧倒的に交通ルールを守らせることができる仕組みです。
生物学的に考えてもそうなります。
では、なぜそうしないのか。
交通ルール違反の罰金を集めているからです。
年間に数十億の罰金が集まり、交通整備として使われているそうです。
罰金が集まらなければ、他の税金を回さなければいけません。
という大人の都合でこうなっています。
犬たちにはこんな思いをさせるのは止めましょう。
罰を与えるよりも前に、警告を与えましょう。
ほんの小さなイタズラやルールを知らなかったという犬は、
たいていはこれでおさまります。
あとは警告をいつまで続けるかというだけです。
根本解決には、犬と飼い主の成長は必須です。